世界の名ボクサー:ケン・ノートン③「アリのアゴを割った海兵隊員」
WBC世界ヘビー級王者。世界再挑戦。モハメド・アリ戦(三戦目)、デュアン・ボビック戦、ロレンゾ・ザノン戦、ジミー・ヤング戦、ラリー・ホームズ戦を紹介します。
ケン・ノートン(アメリカ)
身長191cm:オーソドックス(右構え)
①モハメド・アリ 15R 判定 ケン・ノートン
(世界ヘビー級タイトル戦、1976年)
(感想:アリがタイトル防衛。かつてジョージ・フォアマンに惨敗して世界王座を獲れなかったノートン。二度目の世界王座チャレンジ。王者はアリ。ノートンがアリと戦うのはこれで三度目。初戦ではアリがアゴを割られ、再戦ではアリが勝ってこれまで一勝一敗。ただ、試合内容はいずれもアリの方が厳しいものだった。アリはフォアマンから王座を奪回したが体重が増え、かつてのように素早く動くことはできない。王座をなんとか防衛してきたが、三戦目はどんな内容となるか? ニューヨーク「ヤンキースタジアム」で行われた一戦。アリはやはりパワーが落ちている。ジャブでノートンを止められない。腕をぐるぐる回したり、観客にアピールしたりしながら「ジャブ・ストレート・クリンチ」でしのごうとする。ノートンは叩きつけるような左右フックで前に出る。アリがいつもの「フットワーク&ジャブ」を使うが、ノートンが大きなフックでアリの動きを止めてしまう。ノートンが押し気味に試合を進め、最終ラウンド終了時には「自分が勝った」といった感じで叫ぶ。判定は3-0でアリ防衛。判定のアナウンスに頭をかかえるノートン。パワーでは勝っていたのに負けてしまった。ノートンは相手を見てしまって手数が少なくなる欠点がある。そうやって間が空いた分、ジャッジはアリのジャブを評価することになってしまったのではないか? これは世界ヘビー級タイトル戦。しかも相手はモハメド・アリ。逃がした魚はあまりにも大きかった。勝ったと思ったノートンはこの時に引退を考え始めたという。)
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