世界の名ボクサー:ロジャー・メイウェザー③「黒い毒蛇」
世界二階級制覇王者。J・ライト級からライト級へ。フリオ・セサール・チャベス戦(初戦)、マリオ・マルチネス戦、フレディ・ペンドルトン戦ほかを紹介します。
ロジャー・メイウェザー(アメリカ)
身長171cm:オーソドックス(右構え)
①フリオ・セサール・チャベス 2R TKO ロジャー・メイウェザー
(WBC世界J・ライト級タイトル戦、1985年)
(ダウンシーン)
2R:右フック、右ストレート、左アッパー、左フックで4度、メイウェザーがダウン
(感想:チャベスがタイトル防衛。元WBA王者メイウェザー(24歳、WBC1位)がWBC王座に挑戦。直前の試合では全勝のケニー・ベイスモアをTKOで下して全米J・ライト級王座を獲得。その勢いで世界王座返り咲きなるか? 王者チャベスは説明不要。メキシコ・ソノラ州出身。貧しい家庭の出で、ケンカばかりの少年時代。ルーベン・オリバレスに憧れ、13歳でボクシングを始める。アマチュアでの戦績は14勝1敗(大会での優勝経験あり)。「カネが必要」ということでアマチュアを早々に切り上げ、プロへ。これまで全勝。ただ、ローカルな試合が多かったこともあってメイウェザー戦の時点では「優秀な選手」というのが関係者の評価(後にボクシング界を背負うスーパースターになるとは)。これが二度目の防衛戦。ラスベガス「リビエラ・ホテル」での一戦(リングアナはチャック・ハル、レフェリーはリチャード・スティール)。黒のトランクスのメイウェザー(まさにニックネーム「ブラックマンバ(毒蛇)」のイメージ)。スリムな身体(足がかなり細い)から鋭いジャブ、伸びるワンツー。チャベスは鮮やかなグリーンのトランクス(「スター候補」らしい華やかさ)。ブロックしながら相手の戦力をチェック。右ストレート、左フックを振るうが、メイウェザーはディフェンス。2R、メイウェザーがワンツー、アッパー気味の右フック。そして右ストレートをヒットさせたが、チャベスが強烈な右フック。そして、右フックでメイウェザーがダウン。しかし、レフェリーはこれをダウン扱いせず「スリップ」の裁定。明らかに効いているメイウェザーはクリンチするが、右ストレートでダウン。立ったが、左アッパーでダウン(これも「スリップ」扱い)。最後は左フックでダウンし、倒れると同時に試合ストップ。チャベスが右フックで一気に勝利に持ち込んだ。身体全体のパワー、タフネスで上回っていた。メイウェザーは打たれ弱さが出た。ここぞという大一番でその弱点が出てしまうのは非常に悲しい(「真のトップ」にはなれない)。後に両者は立場を入れ替えて再戦。)
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