世界の名ボクサー:ブルース・セルドン①「パワーで勝負する筋肉マン」
WBA世界ヘビー級王者。比較的スリムな体型だったデビュー初期の試合。ジェシー・マギー戦、ジェリー・ジョーンズ戦、オジー・オカシオ戦、デビッド・ベイ戦を紹介します。
ブルース・セルドン(アメリカ)
身長187cm:オーソドックス(右構え)
①ブルース・セルドン 4R 判定 ジェシー・マギー
(ヘビー級戦、1989年)
(感想:筋肉が凄いファイターだったセルドン。1967年1月30日生まれ。本名「ブルース・サミュエル・セルドン」。ニュージャージー州アトランチックシティ出身。犯罪歴アリ(武装強盗で5年間服役)。少年院を出た後、ボクサーに。アマチュアでの試合数は少ないが、州大会で優勝している。プロ入り後、早い回で相手をKOする戦いぶりから「The Atlantic City Express(アトランチックシティ超特急)」と呼ばれるようになった。これまで3連勝(3KO)。マギー戦はプロ4戦目。マギーはウェストバージニアの黒人で6勝(4KO)3敗。身長はヘビー級にしては小さい(170cm)。デビューから連勝だったが、このところ三連敗。直前の試合ではデビュー戦のレイ・マーサー(オリンピック金メダリスト。後、WBO世界ヘビー級王者に)にTKO負け。アトランチックシティでの一戦(リングアナはマイケル・バッファ)。この頃のセルドンはまだそれほど筋肉マンではない身体つき(後、「モコモコ」な体型に)。フットワーク&ジャブ、そして右ストレート、左右フック。1Rから右を当てるセルドンだが、マギーはなかなかのタフガイ(背が低い選手はその分、タフネスと腕っぷしを持っていることが多い)。パワーを込めた左右フックで打ち返す。ディフェンスと攻撃の正確さに差が。右アッパーを入れるセルドン。マギーの闇雲に連打するフックはブロックされたり、かわされたり。4R終了。判定は3-0。セルドンが当てる巧さで勝利。単なる「筋肉で押すパワーファイター」ではないことを証明。マギーは残念。パワーでは負けてはいなかったが、やはり体格的にハンデがあったか。その後、マギーは再起戦に勝利したが、その次の試合でジェームス・ボーンクラッシャー・スミス(前WBA王者)にKO負け。それが最後の試合となった。)
この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?