世界の名ボクサー:ドナルド・カリー④「シャープなパンチを持つコブラ」
80年代のスター。世界王座を防衛した全盛期の試合。ニノ・ラロッカ戦、コリン・ジョーンズ戦、ジェームス・グリーン戦、ミルトン・マクローリー戦ほかを紹介します。
ドナルド・カリー(アメリカ)
身長177cm:オーソドックス(右構え)
①ドナルド・カリー 6R KO ニノ・ラロッカ
(WBA・IBF世界ウェルター級タイトル戦、1984年)
(ダウンシーン)
6R:左ジャブ、左フックで2度、ラロッカがダウン
(感想:カリーがタイトル防衛。全勝を続けるカリー。20戦目の相手はアフリカ・モーリタニア出身のラロッカ。イタリアを主戦場に戦ってきたが、デビュー戦はパリ(判定勝ち)。それ以来、連勝でボビー・ジョー・ヤング、ハロルド・ボルブレッチ(いずれも世界挑戦経験者)などを下してきたが、ジール・エルビリアの欧州ウェルター級王座に挑戦してTKO負け(殊勲のエルビリアはその次の試合でミルトン・マクローリーのWBC世界ウェルター級王座に挑戦したがTKO負け)。カムバック後、二連勝でカリーに挑戦するチャンスを得た。モナコで行われた試合(会場ではモナコ国王が観戦)。ジャブ、右ストレート、左フックを狙う似たタイプ同士。ディフェンスしながら距離をジリジリ詰めるカリー。ラロッカはカリーに圧力を感じているのか、攻撃のリズムがよくない。6R、左ジャブ連打でラロッカがダウン。さらに左フックの追い打ちでKO。ラロッカは実力にふさわしくない負け方をした。カリーは全勝ではあるが、実はそれほど打たれ強くない。ヤング戦のように思い切った攻撃をすればラロッカには勝つチャンスがあったのでは? しかしながら、ラロッカは下がり気味になるシーンが多かった。それだけカリーのパンチが強かったのかもしれない。後、ラロッカはカークランド・レインを下して欧州王座(ウェルター級)を獲得するなどの活躍を見せたが次第にピークを過ぎ、二度目の世界挑戦のチャンスはなかった。)
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