世界の名ボクサー:ドナルド・カリー②「シャープなパンチを持つコブラ」
80年代のスター。北米王座、全米王座への挑戦。マイク・セネガル戦、ブルース・フィンチ戦、ジェーク・トレランス戦、アドルフォ・ビルエト戦、マーロン・スターリング戦(初戦)を紹介します。
ドナルド・カリー(アメリカ)
身長177cm:オーソドックス(右構え)
①ドナルド・カリー 10R TKO マイク・セネガル
(ウェルター級戦、1982年)
(感想:カリーのプロ11戦目(これまで全勝)。相手のセネガルはルイジアナ州出身で、これまで16勝(12KO)2敗。戦績は悪くないが、ローカルな試合が多い印象。イタリアでニノ・ラロッカ(後、世界王座を懸けてカリーと対戦)に敗北したことがある。カリーは試合直前にかぜをひいたという話。その影響が出るのかどうか? ルイジアナ州での一戦。共にスラリとした体型。セネガルがダッキングしながらジャブ、右フック、左ボディ打ち。カリーはややふっくらした身体の印象。動きは少な目でブロックしながら正確にジャブ、ワンツー、フックを当てようとする。左フックにキレがあるセネガルだがテクニックで勝負するタイプらしく、倒しに行くような攻めはしない。そしてハプニング。5Rにカリーのグローブが破れて交換(しかも二度も)。その後、パワーのあるところを見せるようになっていくカリー。左フックを連打して右ストレートを打ち込む。9Rの開始前にもカリーはグローブを交換。そして9Rに妙なハプニング。カリー優勢の中、ラウンド中に観客席からタオルが投げ込まれる(セコンドとは無関係な者からのタオル投入。一体誰だ?)。「勝った」と思ったカリーだが、レフェリーがタオルを場外に投げ捨て試合再開。10R、ロープ際でカリーがラッシュ。強烈な右ストレートが入ったところでレフェリーストップ。カリーが正確なパンチ&ディフェンスで何とか勝利。しかし、ハプニングが多い一戦だった(こんなにグローブを交換した試合が他にあるだろうか? 「世界記録」かもしれない)。その後、セネガルは勝ったり負けたり。2018年に60歳で死去(死因は不明)。)
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