世界の名ボクサー:マービン・ハグラー⑥(ラスト)「驚異的な世界ミドル級王者」
強打の統一世界ミドル級王者。強敵との世界王座防衛戦。ファン・ドミンゴ・ロルダン戦、ムスタファ・ハムショ戦(再戦)、トーマス・ハーンズ戦、ジョン・ムガビ戦を紹介します。
マービン・ハグラー(アメリカ)
身長177cm:スイッチヒッター(両構え)
①マービン・ハグラー 10R KO ファン・ドミンゴ・ロルダン
(世界ミドル級タイトル戦、1984年)
(ダウンシーン)
1R:左フックでハグラーがダウン
3R:左ストレートでロルダンがダウン
10R:右ストレートでロルダンがダウン
(感想:ハグラーがタイトル防衛。「マーベラス(驚くべき)」ハグラーの9度目の防衛戦。これが世界初挑戦となるロルダン(アルゼンチン)はミドルの選手にしては背が低め。しかしその分、ガッチリした身体で、腕っぷしが強い(いかにも「アルゼンチン・ボクサー」といった感じ)。これまで地元を中心に試合をしてきたが、直前の試合ではラスベガス「シーザース・パレス」で「アニマル」フランク・フレッチャー(ハグラーに挑戦する話もあった選手)に勝利している。ラスベガスでの一戦。この試合のジャッジの一人に森田健。1R、先制攻撃のロルダン。いきなりあのハグラーからダウンを奪う(スリップ気味。カウントを取られてハグラーは少し不満な様子だった)。パワフルなストレート、フックで攻めるタフなロルダン。ハグラーはジャブで応戦。3R、左ストレートでロルダンがダウン。次第にロルダンの右目が腫れてくる。10R、ロルダンが右ストレートでダウン。立ったが、ギブアップ。ロルダンは力強かったが、パンチの正確さとディフェンスでハグラーが勝利。まさにマーベラスな勝利だった。その後のロルダン。トーマス・ハーンズと空位のWBC世界ミドル級王座を争ってKO負け(「ぶっ倒された」といった感じの負け方だった)。パワーでは誰にも負けないが、無骨な戦いぶりが災い。IBF世界ミドル級王者マイケル・ナンに挑戦した試合でもKO負け、引退。三度の世界挑戦すべてにKO負けしたロルダン。こんなにパワーがありタフな選手でもKOされてしまうのが本場アメリカのボクシング。2020年、残念なことにロルダンはコロナウイルスにより死去。63歳だった。)
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