世界の名ボクサー:マイク・タイソン⑤「強打の鉄人」

世界ヘビー級王者。史上最年少で頂点に。世界挑戦目前。レジー・グロス戦、ロレンゾ・ボイド戦、マービス・フレージャー戦、ホセ・リバルタ戦ほかを紹介します。

マイク・タイソン(アメリカ)
身長178cm:オーソドックス(右構え)

①マイク・タイソン 1R KO レジー・グロス
(ヘビー級戦、1986 年)
(ダウンシーン)
1R:左フックで2度、グロスがダウン
(感想:タイソン(19歳)のプロ22戦目。メリーランド州のグロス(25歳)はこれまで18勝(12KO)4敗。身長191cm。デビュー以来、連戦連勝だったが、TKOで初黒星。ジェシー・ファーガソンにも負けたが、タフ男バート・クーパーに勝利。直前の試合ではヘンリー・ティルマンに判定負け。タイソン戦はその再起戦となる。ニューヨーク「マジソン・スクエア・ガーデン」で行われた一戦。動きが速いグロス。シャープなジャブ、右ストレート。タイソンはいつものようにパワフルにジャブ、フック、アッパーを出すが、得意の「右ボディからの右アッパー」をブロックされてしまう。突然、連打を仕掛けるグロス。それを器用にかわしたタイソンが左フック。痛烈なダウンから立ったグロスだが、さらに左フックで二度目のダウン。立ったが、レフェリーストップ。それに不満のグロスがレフェリーを突き飛ばすかのように押した。タイソンが豪打と上体の滑らかさで勝利。ディフェンス&反撃が見事だった一戦。ただ、二度目のダウン後、倒れたグロスを攻撃(反則)。勢いがありすぎるのは少し困る(反則負けにならなくてよかった)。グロスは悪い選手ではないが、一発一発は軽かった印象。その後、グロスはフランク・ブルーノ、アディルソン・ロドリゲス、ドノバン・ラドックに敗北。その間、麻薬がからんだ殺人を犯す。終身刑になったが、本人は無実を主張している。今現在では仮釈放になっている予定だが、消息に関する情報がない。)

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