世界の名ボクサー:ナイジェル・ベン⑥ラスト「暗黒の破壊者」
世界ミドル、スーパーミドル級王者。スーパーミドル級王座戦。ビンチェンツオ・ナルディエロ戦、スラニ・マリンガ戦、スティーブ・コリンズ戦(初戦・再戦)ほかを紹介します。
ナイジェル・ベン(イギリス)
身長177cm:オーソドックス(右構え)
①ナイジェル・ベン 8R TKO ビンチェンツオ・ナルディエロ
(WBC世界スーパーミドル級タイトル戦、1995年)
(ダウンシーン)
7R:右ストレート、左フックで2度、ナルディエロがダウン
8R:連打、右アッパーで2度、ナルディエロがダウン
(感想:ベンがタイトル防衛。スーパーミドル級が肌に合うのか、ベン(40勝(33KO)2敗1分)はこれが八度目の防衛戦。これまで26勝(14KO)3敗の挑戦者ナルディエロはイタリアのサウスポー。ドイツ出身で、国籍はイタリア。ソウルオリンピック(1988年)にライトミドル級で出場(不本意な敗北。メダル獲得ならず)。プロではイタリアを主戦場に快調。デビュー以来、全勝でビクトル・コルドバのWBA世界スーパーミドル級王座に挑戦したが、KO負け(1991年)。その後、欧州王座(スーパーミドル級)を獲得。しかし、初防衛戦でTKO負け。再び欧州王座に就いたが、またしても初防衛戦でTKO負け。そんな不安定な状況で二度目の世界挑戦。ベンの地元ロンドンで行われた一戦。ジャブを使うナルディエロ。ベンは接近して右を当てようとする。1Rからラフファイト。クリンチ中に互いにラビットパンチ。元々ベンは器用なタイプではないが、ケンカのような荒い試合ぶり。ナルディエロは気合いが空回り。5R、連打するナルディエロだが、ベンは頭から突っ込む。時折ベンの右がヒット。7R、右ストレートがヒットして、一瞬間をおいてナルディエロがダウン。さらに左フックで二度目のダウン。三度目のダウンは後ろから殴りつけたもので、レフェリーはカウントを取らない。8R、クリンチ状態から連打を浴びてナルディエロがダウン。さらに右アッパーでダウン。立ったが、「もうやめた」といった感じでナルディエロが棄権。セコンドからもタオル投入。なかなかのラフファイト。ベンが地元でやりたい放題、といった感じの試合だった。ボクシングはケンカではない。しかしながら、ケンカに強くないと世界王者になれないのもまた事実。ベンには打たれ弱さがあるため、ナルディエロにも勝つチャンスがあると思われたがベンが押し切った。後、ナルディエロはこの王座獲得。しかし、初防衛戦をロビン・リード(英国)と行い、TKOで王座から陥落した。)
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