世界の名ボクサー:フリオ・セサール・チャベス⑨「メヒコの英雄」
世界三階級制覇王者。奪回した世界王座の防衛戦。ジョバンニ・パリージ戦、デビッド・カマウ戦、オスカー・デラ・ホーヤ戦(初戦)、ジョーイ・ガマチェ戦ほかを紹介します。
フリオ・セサール・チャベス(メキシコ)
身長171cm:オーソドックス(右構え)
①フリオ・セサール・チャベス 12R 判定 ジョバンニ・パリージ
(WBC世界J・ウェルター級タイトル戦、1995年)
(ダウンシーン)
2R:左ジャブでパリージがダウン。
(感想:チャベスがタイトル防衛。「偉大なメキシコの王者」チャベス。フランキー・ランドールに王座を奪われて初黒星を喫したが、再戦で王座奪回。パリージと奪回した王座の三度目の防衛戦(95年初試合)。挑戦者パリージはイタリア人で、なかなかハンサム。ニックネームは「Flash(閃光)」。アマチュアでは思ったように結果を出せない時もあったようだが、1988年のソウルオリンピックではフェザー級で金メダル(本番に強いタイプ?)。プロ入り後は連勝したが、アントニオ・リベラ(元IBF世界フェザー級王者)にKO負け、初黒星。イタリア・ライト級王座獲得。WBO世界ライト級王座を決定戦で獲得。その防衛戦でリベラと再戦し、雪辱。王座を返上し、二階級制覇を狙う。ラスベガス「シーザース・パレス」での一戦。パリージが距離を取ってジャブ。チャベスはジャブ、右ストレート、左フックでプレッシャーを掛ける。2R、タイミングの良い左ジャブでパリージがダウン。その後、サウスポーにスイッチして流れを変えようとするパリージだが、右を打たれる。チャベスは打ち合おうとしないパリージに「打ってこい」というジェスチャー(8R、11R)。12R終了。判定は3-0。チャベスがパワーで勝利(これで94勝(80KO)1敗1分)。パリージにはもっと思い切った攻めを見せて欲しかったところだが、チャベスのパンチは想像以上に強かったのだろう。その後、パリージはターゲットをWBO王座に。サミー・フエンテスに勝ってWBO世界J・ウェルター級王座獲得、二階級制覇(1997年)。その王座を元王者カルロス・ゴンザレスにTKOで奪われた後、三階級制覇に挑戦。しかし、KO負けでWBO世界ウェルター級王座獲得ならず。ラストファイトは欧州ウェルター級王座への挑戦で判定負け。パリージは倒し屋ではなかったがパンチにスピードがある好選手。大物チャベスには敵わなかったが、日本人選手のように地元のファンに人気があった。しかし引退後の2009年3月25日、交通事故で死去。41歳だった。)
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