世界の名ボクサー:マーク・ブリーランド③「長身&鋭く伸びるジャブ」
WBA世界ウェルター級王者。スランプから脱却し、再び世界王座へ。李承純戦、ラファエル・ピネダ戦、マウロ・マルテリ戦、尾崎富士雄戦を紹介します。
マーク・ブリーランド(アメリカ)
身長188cm:オーソドックス(右構え)
①マーク・ブリーランド 1R TKO 李承純
(WBA世界ウェルター級王座決定戦、1989年)
(ダウンシーン)
1R:右ストレートで李がダウン
(感想:ブリーランドがタイトル奪回。マーロン・スターリングにKOされてWBA王座を失ったブリーランドだが、再戦は引き分けで王座奪回ならず。「勝てなかったこと」だけではなく、かつてのような鋭さ、戦闘的な姿勢が再戦では見られなかったことが気になるところ。スターリングはブリーランドとの再戦後にトーマス・モリナレスと防衛戦を行ったが、反則打でモメて王座は空位に。再びブリーランドが王座決定戦に出場(初めて王座を獲ったときも王座決定戦だった)。李(韓国)は東洋太平洋ウェルター級王座を獲得したこともある選手(ただし、初防衛に失敗)。戦績は悪くはないが、ハイスペックなブリーランド相手にどんな試合をするのか、といったところ。ラスベガス「シーザース・パレス」で行われた一戦。「ブリーランドは打たれ弱い」と見たか、李が重そうなパンチで前に出る。打ち合いに応じたブリーランドがあまりにも速い右ストレートでダウンを奪う。そして、立ち上がった李に回転の速い連打を打ち込み、レフェリーストップ。一気にブリーランドが勝利。かつての攻める姿勢が復活。少しストップが早いような気もしたが李はまとめて連打を食っていたため、ストップは妥当(かもしれない)。ボクシングは真剣勝負。あっけなく終わってしまうこともあるが、世界戦であまりにも早くKOされたらかなり落ち込むに違いない。この後、李は再起戦で黄俊錫(ドナルド・カリーと空位のWBA世界ウェルター級王座を争って判定負けした男)に判定負けしてそれが最後の試合となった。)
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