世界の名ボクサー:ジョン・ムガビ③「”野獣”と呼ばれたウガンダのKOマシーン」

世界J・ミドル級王者。快進撃と挫折。アール・ハーグローブ戦、ビル・ブラッドリー戦、デュアン・トーマス戦、ノックス・ブラウン戦、ケン・スタイルズ戦を紹介します。

ジョン・ムガビ(ウガンダ)
身長174cm:オーソドックス(右構え)

①ジョン・ムガビ 1R KO アール・ハーグローブ
(ミドル級10回戦、1985年)
(ダウンシーン)
1R:左フック、右ストレートで2度、ハーグローブがダウン
(感想:トーマス・ハーンズのWBC世界J・ミドル級王座を狙うムガビ。そのハーンズが世界ミドル級王者マービン・ハグラーに挑戦することに。ムガビ陣営は勝った方にチャレンジする計画。ハーグローブ戦はムガビのプロ24戦目。ハーグローブはフィラデルフィア出身。これまで26勝(25KO)1敗。唯一の敗北はマーク・メダルと空位のIBF世界J・ミドル級王座を争ってTKO負けしたときのもの。ムガビに引けを取らない戦績ではあるが、対戦相手は微妙な選手が多い印象。ムガビのアメリカでの本拠地フロリダ・タンパでの一戦。ゴング前、両者リング中央へ。ムガビは冷静な表情。ハーグローブの表情はカメラアングルの関係で見えないが、その後、コーナーで待機する表情には若干の緊張が見られる。試合開始。共に力を込めてジャブ、右ストレート、左フック。接近戦では振りが大きめのフック乱打。ムガビの左フックが「ドカン」といった感じでヒットしてハーグローブがダウン。立ったが、左フックからの止めの右ストレートで二度目のダウン。立てず、完全KO。注目の強打者対決は何と1Rで終了。同じように打ち合ったが、ムガビは相手のパンチをヘッドスリップ。ディフェンスに差があった。また、ムガビはナチュラルな豪打なのに対し、ハーグローブは力を込めた強打。その差も大きかったように見えた。その後、ハーグローブは中堅どころを相手に勝ったり負けたり。タイトルを獲得することなくリングを去った。)

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