世界の名ボクサー:マシュー・サアド・ムハマド③「流血の激闘王」

WBC世界ライトヘビー級王者。世界王座防衛戦&最強の挑戦者。ボンゼル・ジョンソン戦、マレイ・サザーランド戦、ドワイト・ブラクストン戦(初戦)ほかを紹介します。

マシュー・サアド・ムハマド(アメリカ)
身長180cm:オーソドックス(右構え)

①マシュー・サアド・ムハマド 11R TKO ボンゼル・ジョンソン
(WBC世界L・ヘビー級タイトル戦、1981年)
(ダウンシーン)
6R:左フックでジョンソンがダウン
11R:左ストレートでジョンソンがダウン
(感想:ムハマドがタイトル防衛。これまで28勝(20KO)3敗2分のムハマド。六度目の防衛戦。元々ムハマドはWBA王者エディ・ムスタファ・ムハマドと統一戦を行うはずだったが、「MAPS詐欺事件」により流れた(「MAPS」はプロモート会社。資金横領などのトラブルで組織は頓挫した)。そして、ジョンソンが代役で出場。ジョンソンは背の高い黒人(193cm)。バージニア州出身でWBC9位。22勝(11KO)1敗。アマチュアで活躍後、プロへ。デビューから連勝だったが、ジェリー・セレスタインに判定負け、初黒星(セレスタインは後、マイケル・スピンクスのWBA王座に挑戦)。このところ連勝中でジョニー・デービスに判定勝ち(デービスもまた後にマイケル・スピンクスのWBA王座に挑戦)。アトランチックシティでの一戦(レフェリーはトニー・ペレス)。足で距離を取りながらジャブを打つジョンソン。ムハマドはジャブ、右ストレートで前へ。打ち合わないジョンソン。左フックからの右ストレートといった良い武器を持っているが、足を使うシーン、クリンチが目立つ。しかもディフェンスができるため、ムハマドは上手く攻められず、左フックを空振りしたりする。6R、左フックでジョンソンがダウン。しかし、ジョンソンは「スリップ」を主張(スローモーションで見たが、パンチが当たったようには見えなかった。かするようなパンチだったのかも)。その後も攻めないジョンソン。このまま15R終了になれば「大凡戦」になるところだったが、ムハマドがラッシュ。11R、右フックからの左フックでグラついたジョンソンに連打。左ストレートでジョンソンがダウン。立ち上がり、何とかクリンチでしのごうとするジョンソンだが右フックを連続で浴び、ロープ際に後退したところでレフェリーストップ。ムハマドが攻撃力で勝利。攻めないうえにディフェンスができる相手に手こずってしまったが、キッチリ仕留めたのは見事だった。ジョンソンは残念。消極的だったのは突然出場が決まったからなのだろうか? パンチ自体は良いものを持っていただけにもったいない。ジョンソンはこの試合の再起戦でマイケル・スピンクスのWBA王座に挑戦してTKO負け。それが最後の試合に。テクニック、身体の大きさ、鋭いパンチを持っていたが、世界王座には手が届かなかった。)

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