世界の名ボクサー:ドナルド・カリー③「シャープなパンチを持つコブラ」
80年代のスター。連戦連勝で世界王座挑戦&防衛戦。黄俊錫戦、ロジャー・スタフォード戦、マーロン・スターリング戦(再戦)、エリオ・ディアス戦を紹介します。
ドナルド・カリー(アメリカ)
身長177cm:オーソドックス(右構え)
①ドナルド・カリー 15R判定 黄俊錫
(WBA世界ウェルター級王座決定戦、1983年)
(ダウンシーン)
2R:左フックでカリーがダウン(ダウン扱いされず)
7R:右フックでカリーがダウン
(感想:カリーがタイトル獲得。これまで全勝のカリーが16戦目でついに世界初挑戦。狙うはシュガー・レイ・レナードが網膜剥離によって引退して返上した王座。「コブラ」と呼ばれるカリー。その鋭いパンチでどんな試合を見せるか? 黄(韓国)は東洋太平洋ウェルター級王者のタフガイ。これまで全勝。東洋無敵の男がアメリカの次期スーパースター候補に勝てるのか、といったところ。カリーの地元テキサス・フォートワースで行われた試合。カリーがフットワークと鋭い左ジャブを使い、右ストレートでカウンター。黄はガードを高めて左フックで前に出る。カリーがジャブとカウンターでポイントを重ね、黄は前に出ても逃げられるパターン。しかし、2R、7R、カリーがダウンするハプニング。その後、黄は「打ち合え」とアピールをしたり、自ら下がってカウンターを狙ったりしたが効果無し。カリーが相手の挑発に合わせることなく15R終了。判定は3-0。カリーがシャープなパンチで勝利。しかし、ダウンするなど、まるで未来を暗示するかのようなシーンも。全体的には、カリーとしてはダウンのハプニング以外は狙い通りの試合。黄は15Rに渡って振りの大きい左フックを全力で空振り。さぞかし疲れたに違いない。試合後、カリーは黄のタフネスを讃えた。その後の黄。ピピノ・クエバスを破ったが、李承純(後、マーク・ブリーランドとWBA世界ウェルター級王座決定戦を行い、1RでTKO負け)、白仁鉄(後、WBA世界スーパーミドル級王者に)に敗北。ラストファイトはジルベール・デレのWBA世界J・ミドル級王座への挑戦で、判定負け。タフな選手だったが、世界には手が届かなかった。)
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?