世界の名ボクサー:ジェフ・フェネック③「オーストラリアのケンカ屋」

世界三階級王者。ついに三階級制覇。ビクトル・カジェハス戦、タイロン・ダウンズ戦、ジョージ・ナバロ戦、マルコス・ビジャサナ戦、マリオ・マルチネス戦ほかを紹介します。

ジェフ・フェネック(オーストラリア)
身長172cm:オーソドックス(右構え)

①ジェフ・フェネック 10R TKO ビクトル・カジェハス
(WBC世界フェザー級王座決定戦、1988年)
(ダウンシーン)
3R:左ボディでカジェハスがダウン
8R:左フックでカジェハスがダウン
(感想:フェネックが三階級制覇。プロ20戦目は三冠王を目指す勝負。しかしながら、試合前にハプニング。右フックが得意のフェネックだが、その右拳を負傷。カジェハスはプエルトリカンで、元WBA世界J・フェザー級王者。同じプエルトリコのウィルフレド・ゴメスと比較され、「ゴメス二世」と呼ばれることもある実力者。センスが良く、特に左のテクニックへの評価が高い。デビュー戦で判定負けしてしまったが、その後は連勝。イタリアの人気者ロリス・ステッカ(弟マウリシオも後に世界王者になった)からWBA王座奪取。ステッカとの再戦に勝利するなど防衛にも成功して王座返上。そして、このフェネック戦。シドニーで行われた元世界J・フェザー級王者同士によるWBC王座決定戦(レフェリーはリチャード・スティール)。カジェハスが独特の大きな左フックを使う。しかし、身体全体のパワーでフェネックが押す展開。3R、左ボディでカジェハスがダウン。8Rには左フックでダウン。終盤、カジェハスを追いかけ回すように攻めるフェネック。10R、カジェハスのダメージは深いと見て、レフェリーは試合を止めた。接近戦でのケンカファイトでパンチと(文字通りの意味で)頭を使ってフェネックが三階級制覇。しかし、右拳の痛みはその後のキャリアに大きな影響。カジェハスはこれが最後のタイトル戦に。最後は判定負けでリングを去った。)

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