世界の名ボクサー:マービン・ハグラー③「驚異的な世界ミドル級王者」
強打の統一世界王者。世界初挑戦とその後の試合。ビト・アンツォフェルモ戦(初戦)、ルーシフ・アマニ戦、ボビー・ワッツ戦(再戦)、マルコス・ヘラルド戦を紹介します。
マービン・ハグラー(アメリカ)
身長177cm:スイッチヒッター(両構え)
①ビト・アンツォフェルモ 15R 引分 マービン・ハグラー
(世界ミドル級タイトル戦、1979年)
(感想:アンツォフェルモがタイトル防衛。これまで46勝(38KO)2敗1分のハグラー。デビュー以来、強打で連戦連勝だったが、相手の地元で戦って「負け」にされてしまったことも。そのうえ、世界王者たちはハグラーの強さを知って挑戦を受けようとしない。「無冠の帝王」ハグラーがようやく世界初挑戦。王者アンツォフェルモは45勝(19KO)3敗1分。イタリア生まれで、17歳の時に家族と共にニューヨークに移住。そこで生きるには「タフネスが必要」と考え、ボクシングを始める。アマチュアの大会で優勝したことも。プロデビュー以来、連戦連勝だったがキズによるTKO負けで初黒星(負傷しやすい体質?)。欧州J・ミドル級王座を獲得したが、モーリス・ホープに敗北、王座陥落。(ホープは後、WBC世界J・ミドル級王者に)。その後はベニー・ブリスコらを破るなど連勝を重ね、ウーゴ・コーロを破って世界ミドル級王者に。これが初防衛戦。ラスベガス「シーザース・パレス」で行われた一戦。アンツォフェルモがいつものようにジャブ・ストレートで接近してフック連打。基本サウスポーのハグラーはオーソドックスにスイッチしながらジャブ・ストレート。ガチャガチャしたアンツォフェルモの連打攻撃を持て余すハグラー。決定打を打ち込めないまま終了。判定はドロー。ダウンを奪うなど決定的なシーンを作ることができなかったハグラー。パンチのキレはあったが、パワーにやや欠けていた。なお、この試合は「ウィルフレド・ベニテス vs. シュガー・レイ・レナード」の前座カード。メインで新星レナードが世界王座奪取、スーパースターの道へ。王座獲りに失敗したハグラーと明暗を分ける形となった。)
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