世界の名ボクサー:トニー・タッブス②「速いジャブが武器のヘビー級」
WBA世界ヘビー級王者。世界王座防衛戦&東京での挑戦。ティム・ウィザスプーン戦(WBA戦)、マイク・タイソン戦(統一王座戦)、リディック・ボウ戦ほかを紹介します。
トニー・タッブス(アメリカ)
身長191cm:オーソドックス(右構え)
①ティム・ウィザスプーン 15R 判定 トニー・タッブス
(WBA世界ヘビー級タイトル戦、1986年)
(感想:ウィザスプーンがタイトル獲得。全勝の王者タッブスが初防衛戦。挑戦者ウィザスプーン(フィラデルフィア出身)は強打者で、元WBC王者。ラリー・ホームズが剥奪されたWBC王座をグレグ・ペイジと争って判定勝ち、王座獲得(1984年)。しかし、初防衛戦でピンクロン・トーマスに敗れ、王座陥落。パワーはあるが、試合運びに難があるウィザスプーン。WBA王座を奪取できるかどうか、といったところ。アトランタでの一戦。速いがパンチが軽いタッブス。一本調子だがパワーがあるウィザスプーン。スピードとパワーの勝負。タッブスが左フックを食ってグラつく。15R終了。判定は2-0。パワーの差でウィザスプーンが王座返り咲き。タッブスが「世界ヘビー級タイトル戦」にしては微妙な試合ぶりで初黒星。最終ラウンド終了時に両手を上げて自身の勝利をアピールしていた両者。軽量級なら軽いジャブでもポイントをつけてもらえるかも知れないが、これは世界ヘビー級タイトル戦。ヘビー級にはヘビー級の戦い方があり、軽量級の理屈は通用しない。重いパンチを打つウィザスプーンをジャッジは支持した。リングサイドで観戦していたモハメド・アリ、ラリー・ホームズはこの試合を観てどう思っただろうか? ウィザスプーンはその後、ジェームス・スミスに1RでKOされて王座陥落。その後も長くリングに上がり続けたが、それが最後の世界戦となった。)
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