世界の名ボクサー:マーク・ブリーランド④ラスト「長身&鋭く伸びるジャブ」
WBA世界ウェルター級王者。圧勝&王座陥落、その後の試合。ロイド・ハニガン戦、アーロン・デイヴィス戦、アリエル・コンデ戦、ホルヘ・バカ戦を紹介します。
マーク・ブリーランド(アメリカ)
身長188cm:オーソドックス(右構え)
①マーク・ブリーランド 3R KO ロイド・ハニガン
(WBA世界ウェルター級タイトル戦、1990年)
(ダウンシーン)
1R:左ジャブでハニガンがダウン
2R:左ジャブ、右フックで2度、ハニガンがダウン
3R:右フック、左フック、右ストレートで3度、ハニガンがダウン
(感想:ブリーランドがタイトル防衛。四度目の防衛戦。このところ海外での防衛戦が続いているブリーランド(二度目の防衛戦はスイス、三度目は日本)。今回は英国。挑戦者ハニガン(英国)はかつてドナルド・カリーを大番狂わせで破ってWBA・WBC・IBFの統一世界ウェルター級王座を獲得した男。しかし、その三つの王座も剥奪されたり、防衛戦に敗れたりで今は無冠。以前に保持していたWBA王座を狙う(ハニガンとWBAには因縁がある。WBAは昔、南アフリカのアパルトヘイトに抗議して南アフリカでの世界戦を禁止する措置を採っていた。ハニガンはそういったことに反発し、WBA王座を返上。ベルトをゴミ箱に捨てるパフォーマンスをやった。今回のWBA王座への挑戦には紆余曲折があったと思われる)。試合前、ハニガンは自信タップリ。「ブリーランドはスリムだが、その分、ボディが弱いのでは?」と(勝手に)分析。イギリス「ウェンブリー・アリーナ」での一戦。1R、気合いが入っているブリーランド。いつものように鋭く長いジャブ、ワンツー。ハニガンの方も気合い。左を使いながら右を当てようとする。槍のような長い左ジャブでハニガンがダウン。その後、ブリーランドは長いリーチから繰り出すワンツー、フック。ハニガンは距離を取って逃れようとする。2R、またしても左ジャブでハニガンがダウン。立ったが、右フックで二度目。3R、勢いが止まらないブリーランドがハニガンを三度倒してスリーノックダウン。ブリーランドが圧勝。自信を持っているときのブリーランドは強い。相手を寄せ付けない連打を見せた。一方のハニガン。かつて番狂わせを起こしたときは世界のボクシング関係者を驚かせるとともにカリーに期待していた人々をガッカリさせたものだが、今回はいいところなし。右パンチには勢いとパワーがあったが、それをディフェンスされてしまっては勝ち目は無かった。その後、ハニガンは階級を上げて英連邦王座(J・ミドル級)を獲得したが、ビニー・パジェンサに敗れるなどで世界挑戦は無し。ブリーランド戦が最後の世界戦となった。)
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