世界の名ボクサー:マシュー・サアド・ムハマド④ラスト「流血の激闘王」

WBC世界ライトヘビー級王者。全盛を過ぎた戦い。ドワイト・ブラクストン戦(再戦)、ケビン・ワグスタッフ戦、ガバナー・チェイバース戦、アンドリュー・メイナード戦を紹介します。

マシュー・サアド・ムハマド(アメリカ)
身長180cm:オーソドックス(右構え)

①ドワイト・ブラクストン 6R TKO マシュー・サアド・ムハマド
(WBC世界L・ヘビー級タイトル戦、1982年)
(ダウンシーン)
3R:左フックでムハマドがダウン
(感想:ブラクストンがタイトル防衛。九度目のWBC王座防衛戦でブラクストンに敗れたムハマド。立場を入れ替えて再戦。王者ブラクストン(世界王座獲得後、ムスリムになり「ドワイト・ムハマド・カウィ」に改名。ただ、リングネームはそのまま「ドワイト・ブラクストン」)はこれが二度目の防衛戦。ムハマドは「激闘王」などと呼ばれ、これまでかなり激しい試合をしてきたが、その分、ダメージも心配される状況。初戦はブラクストンがKO勝ちだったが、今回はどうか? ムハマドの地元フィラデルフィアで行われた試合。両者速いジャブを打ち合う。ブラクストンは左右フック、ムハマドはジャブと打ち下ろすような右ストレートが印象的。しかし、試合は前回の続きのようになっていく。ロープ、コーナーに追い込まれて打たれるムハマド。かつてのムハマドなら打たれても「ニヤリ」と笑って打ち返したものだが、これまでの激しいキャリアのダメージが大きいのか、打たれっぱなしに。3Rにダウンを喫し、最後は連打を喰らってレフェリーストップ。ブラクストンがタフネスとパワーで快勝。ムハマドは引退した方がいいと思うような負け方。しかし、この後もリングに上がり続け、ダメージを重ねていく。その後のブラクストン。WBA王者マイケル・スピンクスとの統一戦に敗れ、WBC王座陥落。カムバックしてWBA世界クルーザー級タイトル獲得、二階級制覇。スピンクスの兄レオン(元世界ヘビー級王者)をTKOで破って防衛成功。しかし、「若き帝王」イベンダー・ホリフィールドには敵わず。その後もヘビー級でジョージ・フォアマンと戦うなどタフなところをファン見せつけた。)

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