世界の名ボクサー:フランク・ブルーノ②「白人にも支持された英国ヘビー級」

WBC世界ヘビー級王者。衝撃のKO劇。ジェームス・スミス戦、ケン・ラクスタ戦、ゲリー・コーツィー戦、ティム・ウィザスプーン戦、ジェームス・ティリス戦ほかを紹介します。

フランク・ブルーノ(イギリス)
身長191cm:オーソドックス(右構え)

①ジェームス・スミス 10R KO フランク・ブルーノ
(ヘビー級、1984年)
(ダウンシーン)
10R:左フックでブルーノがダウン
(感想:ブルーノのプロ22戦目。これまで21 連続KO勝利のブルーノ。実に危険な男と対戦することに。スミスはノースカロライナ州マグノリア出身。そのパワーから「Bonecrusher(骨砕き屋)」などと呼ばれる強打者(陸軍時代にそう呼ばれるようになったとか。彼に骨を砕かれた選手がいたのかどうかは不明)。軍を出た後は刑務所の看守に。アマチュアを経験後プロへ。28歳で遅いプロデビュー。デビュー戦でジェームス・ブロードにKO負け。その次の試合で後のIBF世界クルーザー級王者リッキー・パーキーに判定勝ち。以来、連勝。このところ連続KO勝ち。「倒すコツ」をつかんできている状況。ロンドン「ウェンブリーアリーナ」で行われたパワーファイター同士の注目の対決。互いにジャブを飛ばす展開。ブルーノは上半身が固く、ぎこちない印象(パワーを込めるタイプによくあるパターン。マイク・タイソンも次第に身体が固くなっていった)。スミスはパワーを込めて圧力を掛ける。もみ合うようなシーンも多かったが、10R、左フックでグラついたブルーノにスミスが強烈な左フック。スミスが豪快なKO勝ち。フィニッシングブローは「(ダウンから)絶対に立てないだろう」と誰もが思うぐらいの凄まじいパンチだった。両者は後に世界王者に。ブルーノは「固さ」「打たれ弱さ」という欠点のためなかなか世界王座を獲れなかったが、スミスは全盛を過ぎても猛打&タフネスで対戦相手を沈めた。)

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