世界の名ボクサー:グレグ・ペイジ②「モハメド・アリ二世」
WBA世界ヘビー級王者。全米王座戦&初黒星。ジミー・ヤング戦、トレバー・バービック戦、ジェームス・ティリス戦、ラリー・フレージャー戦、レナルド・スナイプス戦を紹介します。
グレグ・ペイジ(アメリカ)
身長188cm:オーソドックス(右構え)
①グレグ・ペイジ 12R 判定 ジミー・ヤング
(全米ヘビー級タイトル戦、1982年)
(感想:ペイジがタイトル防衛。全勝のペイジ(世界3位)が四度目の防衛戦。ペイジに変化が。ブッチ・ルイスにプロモートされてきたが、チャンスを求めてドン・キングに乗り換え。試合内容などに何らかの変化があるのかどうか、といったところ。挑戦者のヤングはベテラン。フィラデルフィア出身のアウトボクサー。アーニー・シェイバースには敗れたが、強打者ロン・ライルに判定勝ち。モハメド・アリの世界ヘビー級王座に挑戦して判定負け(1976年)。世界戦を控えたジョージ・フォアマンからダウンを奪って番狂わせの判定勝ち(1977年)。ただ、ケン・ノートンとのWBC世界ヘビー級王座挑戦者決定戦に敗れ、オジー・オカシオに二連敗。若手のマイケル・ドークス、ゲーリー・クーニーにも敗北。ピークを過ぎた感があるが、世界ランクは7位。アトランチックシティ「Playboy Hotel & Casino」での一戦。共にボクサータイプ。共に左のガードを下げたスタイルでジャブ。しかしながら、ヤングは開始からクリンチ(嫌な予感)。ペイジ(パーマ頭でソウルな見た目)は余裕を見せ、サウスポーにスイッチして右ジャブ、左ストレート。自分から攻めないヤング。左フックに良いものがあるにもかかわらずディフェンシブなうえに相手にしがみつくようにクリンチ。ジャブも押すように打ち、迫力がない。ペイジもスパーリングのような試合ぶり(ワンツーからの左フックなどに巧さがあるが、相手を倒しに行くような試合ぶりではない)。12R、ペイジの右ストレートがヒット。12R終了。観客の反応は極めて薄い。判定は3-0。ペイジが勝利。まるでヤングを痛めつけてはいけないことになっていたかのような優しい戦いぶり。ドン・キングは「よくやった」といった感じで励ましていたが(後にキングはタッブス戦でつまらない負け方をしたペイジを罵倒)。ヤングは残念。とてもではないが「世界7位」のボクシングではなかった。序盤はクリンチでスタミナを温存する作戦かと思ったが、最後までサッパリだった。それでもヤングはその後も多くの試合。しかし、トニー・タッブス、トニー・タッカーといった若い世代の選手に敗北。世界戦はアリ戦のみに終わった。)
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