世界の名ボクサー:リディック・ボウ⑤「大柄な銀メダリスト」
統一世界ヘビー級王者。新たな挑戦&ライバルとの決着戦。バスター・マシス戦、ハービー・ハイド戦、イベンダー・ホリフィールド戦(三戦目)ほかを紹介します。
リディック・ボウ(アメリカ)
身長196cm:オーソドックス(右構え)
①リディック・ボウ 4R 無効試合 バスター・マシス・ジュニア
(ヘビー級戦、1994年)
(感想:ホリフィールドとの再戦に敗れて世界王座を失ったボウの再起戦。前回の試合(93年11月6日)から間が空いてこれが94年初試合(8月13日)。マシスは父親もヘビー級ボクサーだった「親子ボクサー」。父はジョー・フレージャーのよきライバルだったが、やや太り気味だったためボクサーとしては大成せず。息子も少しその傾向がある。ヘビー級にしては背が低く、ずんぐり型。これまで無敗で全米王座を獲得。その試合はタイレル・ビッグスとの決定戦だったが、ピークを過ぎたビッグス相手に判定まで行った。直前の試合は日本で行い、判定勝ち(2-0)。「パワー」の点で問題がある選手。アトランチックシティ「コンベンション・ホール」での一戦。共に世界ランカー。しかし、かなりの体格差。マシスは大きいボウに威圧されて距離を取ろうとする。ボウはジャブ。そして得意の右フック、左フック。パンチのキレは落ちたが、当てるテクニックで勝負。打ち合いを避けたいマシス。ワンツー、フック連打の後はクリンチで相手の反撃を阻止する作戦。4R、右を当てるボウ。そして、接近戦の最中に自ら片ヒザをキャンバスに着くマシス。そこにボウが右フック。マシスがぶっ倒れて試合終了。裁定はノーコンテスト。ガッカリした表情のボウ。マシス陣営はマシスの手を上げてなぜか勝ち誇った表情。残念な結果に終わったが、実力的にはパワーでボウが上だった。それにしてもボウはトラブルが多い。WBCベルトをゴミ箱に捨ててからというもの、防衛戦に勝利しても「挑戦者の質」にケチをファンからつけられたり、ホリフィールドとの再戦ではパラシュート男に試合を妨害されたり。一方のマシス。この選手はやはり小さい。ボウに勝てるような力はなかった。その後、全米王座を防衛し続けたが、マイク・タイソンにKO負け。中堅選手としてキャリアを終えた。)
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