世界の名ボクサー:ファイティング原田③ラスト「”突貫小僧” と呼ばれた昭和の英雄」

世界フライ級、バンタム級王者。幻の三階級制覇。世界王座防衛戦&新たな挑戦。ベルナルド・カラバリョ戦、ライオネル・ローズ戦、ジョニー・ファメション戦(初戦・再戦)を紹介します。

ファイティング原田(日本)
身長160cm:オーソドックス(右構え)

①ファイティング原田 15R 判定 ベルナルド・カラバリョ
(世界バンタム級タイトル戦、1967年)
(ダウンシーン)
1R:右フックでカラバリョがダウン
(感想:原田がタイトル防衛。これまで47勝(17KO)3敗の原田。四度目の防衛戦。挑戦者カラバリョは51勝(25KO)1敗2分のコロンビア人。後の世界フライ王者チャチャイ・チオノイを破ったり、コロンビア王座(バンタム級)を獲得したりといった実績があり、「コロンビアで初めて世界挑戦した選手」でもある。そのときは当時の世界バンタム級王者エデル・ジョフレ(ブラジル)にKOされて王座獲得ならず。二度目の世界挑戦ではどんな動きを見せるか? 日本武道館での一戦。いつものように突進して右ストレートを打つ原田。カラバリョはなかなか良い武器を持っている。得意の左フックを大きく振るったり、タイミングを合わせてカウンターしたり。右ストレートには伸びとパワーがある。パンチにキレと勢いがあるカラバリョに対して、原田は接近して左ボディ打ち。そして左フックからの右フックでカラバリョがダウン。その後、原田はカラバリョのパンチに慣れていく。豪快ではあるが空振りしたり、攻めるときにディフェンスの隙を見せたりするカラバリョ。原田がジャブで先手を取ってワンツーなどで攻め、ディフェンス、クリンチで相手の追撃を阻止。終盤はクリンチが目立ち、15R終了。判定は3-0。カラバリョは左フックからの右ストレートといったコンビネーションを使っていたが、やはりパンチの振りが大きい。原田が器用に相手の長いパンチを封じて勝利した。その後のカラバリョ。フェザー級に転向してコロンビア王座を獲得したが、次第にピークを過ぎ、負けが込むようになっていった。世界王者になっていてもおかしくないスペックの持ち主だっただけに残念。)

ここから先は

2,911字
この記事のみ ¥ 100

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?