世界の名ボクサー:アーロン・プライアー③ラスト「猛打を振るう ”シンシナティの荒鷲”」
世界J・ウェルター級王者。世界王座防衛戦&再起戦。アレクシス・アルゲリョ戦(再戦)、ニッキー・フラノ戦、ゲーリー・ヒントン戦、ボビー・ジョー・ヤング戦ほかを紹介します。
アーロン・プライアー(アメリカ)
身長169cm:オーソドックス(右構え)
①アーロン・プライアー 10R KO アレクシス・アルゲリョ
(WBA世界Jウェルター級タイトル戦、1983年)
(ダウンシーン)
1R:ワンツーでアルゲリョがダウン
4R:左フックでアルゲリョがダウン
10R:連打でアルゲリョがダウン
(感想:プライアーがタイトル防衛。全勝のプライアー(27歳)の八度目の防衛戦。相手はアルゲリョ(ニカラグア、31歳)でこれは再戦。初戦は14Rにプライアーがアルゲリョを滅多打ちにしてTKO勝利。しかし試合後、プライアーがインターバル中に興奮剤を使った疑惑で論争。共に今回はスッキリした形で勝利したい状況。プライアーはIBF王者でもあるが、この試合に懸けられるのはWBA王座のみ。挑戦者アルゲリョは前回のプライアー戦後、ビロマー・フェルナンデス(再戦。初戦はフェルナンデス勝利)、クロード・ノエル(元WBA世界ライト級王者)に二連勝。今度こそは念願の四階級制覇を成し遂げたいところ。ラスベガス「シーザース・パレス」での一戦(リングアナはチャック・ハル、レフェリーはリチャード・スティール)。1R開始から攻めるプライアー。左フックからの右ストレートといったコンビネーションを使う。ガードしながら応戦していたアルゲリョだが、ワンツーでダウン。その後、接近戦。アルゲリョは定評のあるジャブ、伸びのある右ストレート、ボディ打ちを見せるが、全体的に動きのスピードに欠ける。アルゲリョ必殺の右ストレートをダッキングや肩を使ったディフェンスでかわすプライアー。4R、連打からの左フックでアルゲリョがダウン。8R、これまで低いパンチが何度か見られたアルゲリョがローブローで減点。10R、ロープ際での連打でアルゲリョがダウン。座ったまま、まるで諦めたかのように10カウントを聞いた。プライアーが精力的な強打&ディフェンスで快勝。アルゲリョは身体が重そうな試合ぶりだった。その後の二人。プライアーは「戦う相手がいない」「WBAから指名試合を命令されるのにはウンザリ」という理由でWBA王座返上(「指名試合」としてプライアーに挑戦する予定だったジョニー・バンフスが決定戦で新王者に)。アルゲリョはこれで引退。そしてカムバック(1985年)。しかし、心臓の不調により引退(1986年)。1994年にカムバック。「昔ながらのボクシングが今でも通用することを証明したい」というのがカムバックの動機だったが、再起二戦目で判定負けして完全引退。その後は政治家に転身し、ニカラグアの市長に当選。最後はピストルで自害。今でもその真相は不明。)
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