世界の名ボクサー:アイラン・バークレー④「ブロンクスの強打者」
世界三階級王者。ついに世界挑戦。ミドル級時代の激闘。スンブ・カランベイ戦、マイケル・オラジデ戦、トーマス・ハーンズ戦、ロベルト・デュラン戦ほかを紹介します。
アイラン・バークレー(アメリカ)
身長185cm:オーソドックス(右構え)
①スンブ・カランベイ 15R 判定 アイラン・バークレー
(WBA世界ミドル級王座決定戦、1987年)
(感想:カランベイがタイトル獲得。バークレーがプロ26戦目で初の世界挑戦。前回のホルヘ・アンパロ戦では左目を負傷したが、コンディションの方はどうか? カランベイはベルギー領コンゴ出身でイタリア国籍の黒人。やや筋肉質で重そうな身体付きだが、スピードを生かしたアウトボクシングをするタイプ。若い頃にイタリアに移住し、そこでボクシングを始める。アマチュアで優秀な成績を収めた後、プロ入り。意外なことにプロ三戦目で敗北、四戦目はドロー。その後は連勝し、バスター・ドレイトンに勝利。しかしデュアン・トーマスに敗北(ドレイトンとトーマスは後に世界J・ミドル級王者に)。元世界王者アユブ・カルレにも敗北。へロール・グラハムに勝利して欧州ミドル級王座獲得。その次の試合がこのバークレーとの王座決定戦。イタリア・リボルノで行われた一戦。リズミカルな動きで速いジャブを飛ばすカランベイ。連打の回転が速く、カウンターを取るテクニックもある。パワーファイターのバークレーはジャブを使いながら左フックを強打。ボディを攻撃するバークレーだが、カランベイのスピードとディフェンスの前にバークレーの荒っぽい左フックは空を切る。15R終了。判定は3-0。カランベイがアウトボクシングで勝利。バークレーは打ち合ってくれない相手に弱いところがある。しかしながら、15Rに渡りキレのあるジャブを打ち続けたカランベイ、攻め続けたバークレー。共に良いところがあった。カランベイはその後、マイク・マッカラム相手に初防衛に成功。後のWBO王者でタフ男のダグ・デウィットをKOして防衛。しかし、ここまで。IBF王者マイケル・ナンとの統一戦を強行しようとしてWBA王座剥奪。ナンのIBF世界ミドル級王座に挑戦したが、何と1RでアッサリKO負け。その後は欧州ミドル級王座を取り戻し、防衛を重ねたが、立場を入れ替える形でマッカラムのWBA世界ミドル級王座に挑戦して判定負け。ラストファイトは英国のクリス・ピアットとのWBO世界ミドル級王座決定戦。これに判定負け。引退後は若手の指導をしているらしい。)
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?