世界の名ボクサー:モハメド・アリ⑨「ザ・グレーテスト」

世界ヘビー級王者。苦しい世界王座防衛戦。ジミー・ヤング戦、リチャード・ダン戦、ケン・ノートン戦(第三戦)、アーニー・シェイバース戦ほかを紹介します。

モハメド・アリ(アメリカ)
身長191cm:オーソドックス(右構え)

①モハメド・アリ 15R 判定 ジミー・ヤング
(世界ヘビー級タイトル戦、1976年)
(ダウンシーン)
12R:ヤングがスタンディングダウン
(感想:アリがタイトル防衛。6度目の防衛戦。しかしながら、アリは過去最も重い体重。コンディションが気になるところ。挑戦者ヤングはペンシルベニア州フィラデルフィア出身の黒人アウトボクサー。キャリア初期にジョー・フレージャーのスパーリング・パートナーを務めたことがあるという。ランディ・ニューマン(後、レフェリーとして有名に)、アーニー・シェイバースには勝てなかったが、強豪ロン・ライルに判定勝ち。シェイバース戦後は負け無しで勢いがある。メリーランド州ランドオーバーでの一戦。ジャブを使うヤングだが、アリはおどけた雰囲気を出しながらブロック。しかしながら、アリは動きのスピードがない。ジャブは出ているが、右ストレートを打つときに体が付いていかない様子(迫力に欠ける試合ぶり)。さらに、プロレスばりにロープにもたれかかったり(3R)、手をくるくる回すパフォーマンスをしたり(6R)。ヤングは大物に遠慮しているのか、アリに攻められると思わず下がってしまう。9R、アリが得意のフットワーク&ジャブ。12R、ヤングがロープ際で打たれてスタンディングカウントを取られる。13R、ロープにうつぶせにもたれたヤングをアリが後ろからポカポカ殴る。最終ラウンド終了、ヤングは両手を上げる(KOされなかったことを誇っている?)。判定は3-0。全盛を過ぎたアリの試合は観ていて悲しいものがある。スピードもパワーも落ちているため、ちょっとしたパフォーマンスでそれをゴマかすしかない。もう一つな内容だった。ヤングは良い右ストレートを持っているにもかかわらず終始受け身の姿勢。思い切って先手を取っていくような攻めをもっと見せて欲しかったところ。その後、ヤングは多くの試合。しかし、パワーで競い合うヘビー級でアウトボクサーは不利。ジョージ・フォアマンを判定で下すサプライズはあったが、ケン・ノートンとのWBC王座挑戦者決定戦に敗れるなど世界戦はアリ戦のみに終わった。しかしながら、当時の名のあるヘビー級と多く対戦できた(オジー・オカシオ、マイケル・ドークス、ゲーリー・クーニー、グレグ・ペイジ、トニー・タッブスら)。)

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