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【Gartner IT Symposium/Xpo 2021速報】2022年戦略的テクノロジートレンドの要点を一挙に公開!

2021年10月18日から21日にかけて「Gartner IT Symposium/Xpo 2021」がオンラインで開催されました。トレンドを把握する上では重要な指標となるガートナーの発表ですが、新型コロナウイルスの影響が長引き先の予測がしづらい中、より注目をしている方も多いのではないでしょうか。今回は恒例の「戦略的テクノロジートレンド」について、2022年のポイントを一挙にご紹介していきたいと思います。

2022年の3大テーマ

信頼できる基盤の構築(Engineering Trust)
・デジタルビジネスでは回復力を備えた効率のよいIT基盤が必要。
・適切に設計された基盤がなければ、コストパフォーマンス高くスケールすることはできない。

変化の創出(Sculpting Change)
・信頼できる基盤が整った後、次に注力すべきは組織がデジタル化の取り組み拡大を後押しするテクノロジー。
・IT部門だけでは変化に対応することができないため、ビジネス部門も巻き込んだ連合チームでデジタル活用を迅速に進めていく必要がある。
・IT部門の仕事は連合チームがビジネスの変化に対応できるツールを提供することが中心になる。

成長の加速(Accelerating Growth)
・信頼できる基盤と変化に対応できる連合チームができた後は、新たに生み出した価値を最大化するテクノロジーの活用が重要に。
・ビジネスとマーケットシェアを勝ち取るためにテクノロジーを活用していく必要がある。


信頼できる基盤の構築(Engineering Trust)

データファブリック(Data Fabric)

"2024年までにデータファブリックを導入した企業は、データ活用の効率が4倍になり、人間の手によるデータ管理作業が半分になるだろう"

・データの価値がかつてないほど高まっている一方、その多くはアプリ内でサイロ化され、効率的にデータを活用できていない。
・データファブリックはプラットフォームやユーザーの垣根を越えてデータを統合し、必要な時に必要な場所でデータを利用できるようにする技術。
・データファブリックの分析機能がメタデータを読み取り、分析してより良いデータを提案することで、データ管理を最大70%削減できる。


サイバー・セキュリティ・メッシュ(Cybersecurity Mesh)

"2024年までにセキュリティツールを統合するサイバーセキュリティ・メッシュ・アーキテクチャを採用した組織は、個々のセキュリティインシデントがもたらす影響を平均90%削減できるだろう"

・デジタル資産はクラウドやデータセンターに分散している。
・従来型の断片的なセキュリティアプローチでは、企業の境界線に焦点を当てているため、侵入される可能性がある。
・サイバーセキュリティ・メッシュ・アーキテクチャはアイデンティティに基づいた複合的で拡張性のあるサービスを提供。
・場所を問わずに全てのデジタル資産を保護し、サービスの垣根を超えたセキュリティアプローチを実現する。


プライバシー保護のためのコンピューティング(Privacy-Enhancing Computation)

"2025年までに大企業の60%がアナリティクス、ビジネスインテリジェンス、クラウドコンピューティングにおいて、1つ以上のプライバシー保護のための計算技術を使用するだろう"

・データの真価は単にデータを持つことではなく、AIモデル、分析、洞察のためにどのようにデータを活用するかである。
・PEC(Privacy-Enhancing Computation)アプローチでは、エコシステム間でデータを共有しつつ価値を生み出しながら、プライバシーの保護を実現。
・機密性を保持した状態でデータを扱うために様々なアプローチでデータを暗号化・分散することが重要に。


クラウドネイティブプラットフォーム(Cloud-Native Platforms)

"2021年には40%以下だったクラウドネイティブプラットフォームが、2025年には新規デジタル施策の基盤として95%以上を占めるようになるだろう"

・リフト&シフト型のクラウド移行では、レガシーなワークロードをクラウドに配置することに重点を置いている。
・このようなワークロードはクラウド用に設計されていないため、メンテナンスに手間がかかりせっかくのクラウドのメリットを活かせない。
・クラウドネイティブのプラットフォームは、クラウドの弾性と拡張性で価値を生み出すまでの時間を短縮する。
・さらにインフラへの依存度が低いため、アプリケーションの機能向上に時間を割くことが可能に。


変化の創出(Sculpting Change)

コンポーザブル・アプリケーション(Composable Applications)

"2024年までに新しいSaaSやアプリケーションのデザインはAPIファーストで構成され、従来型のSaaSはレガシーとなるだろう"

・多くの企業が迅速なサービス開発・改善を求められている中、コーディングできる人材が不足しているなど数多くの課題を抱えている。
・コンポーザブル・アプリケーションは、サービスを構成する決済機能やチャット機能などを自社開発ではなくAPIで接続して機能実装することで、市場投入までの時間の短縮を目指したアーキテクチャで作られる。
・サービスを構成するための様々なデータが保管されるPBCs(Packaged Business Capabilities)をAPIで組み合わせるアーキテクチャは今後より注目されていくだろう。

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ディシジョン・インテリジェンス(Decision Intelligence)

"2023年までに大企業の3分の1が、意思決定モデリングを含むディシジョン・インテリジェンスを実装するアナリストを抱えるだろう"

・変化の激しい中、組織はより良い意思決定を迅速に行う必要がある。
・ディシジョン・インテリジェンスはフレームワークを基に意思決定をモデル化することで、意思決定のサポートを行う。
・学習結果やフィードバックに基づいた意思決定の管理、評価、改善が可能。
・データ、アナリティクス、AIを統合することで、自動化するディシジョン・インテリジェンスのプラットフォームを構築できる。

ハイパーオートメーション(Hyperautomation)

"2024年までにハイパーオートメーションへの支出を拡大できるかどうかが業績の差別化要因になるだろう"

・ハイパーオートメーションとは、企業が可能な限り多くのビジネスまたはITプロセスをすばやく特定・分析し、自動化するためのビジネス主導型のアプローチ。
・それを実現するために、RPA (Robotic Process Automation)、ローコード、プロセスマイニングなどの複数のテクノロジーを連携して活用する必要がある。

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AIエンジニアリング(AI Engineering)

"2025年までにAIエンジニアリングのベストプラクティスを確立している企業は、そうでない90%の企業に比べて少なくとも3倍の価値を生み出すことができるだろう"

・AIはコロナ禍の終息後、企業が競合優位に立つための抜本的なソリューションを提供するが、単にAIを採用するだけでは意味がなく最適化することが必須。
・AIエンジニアリングとは、AIを活用して価値あるソリューションを提供し続けるために統合データ・モデル・開発パイプラインを使うことによって、AIモデルを更新できるようにする規範のこと。
・自動化されたAIモデルと、その仕組みを理解して運用する組織が合わされば新たな価値を生み出し続けることができる。


成長の加速(Accelerating Growth)

分散型エンタープライズ(Distributed Enterprise)

"2023年までに分散型エンタープライズのメリットを活かした企業の75%が、競合他社よりも25%早い収益成長を実現するだろう"

・分散型エンタープライズの必要性は2つの異なる分野から生まれた。
・1つはコロナ禍の影響で在宅勤務などリモートで働く必要があったこと、もう1つはデジタル化の流れから物理的な手段のみでは対応できなくなったこと。
・分散型エンタープライズでは、バーチャルファースト、リモートファーストのアーキテクチャを基に、消費者と様々なタッチポイントで繋がりより良いエクスペリエンスを提供することを目指している。

トータル・エクスペリエンス(Total Experience)

"2026年までに大企業の60%がトータル・エクスペリエンスを活用してビジネスモデルを変革し、顧客と従業員のアドボカシー(自社のブランドや商品を熱狂的に支持して使ってくれるファンやファン心理のこと)において世界的に高いレベルを達成するだろう"

・トータル・エクスペリエンスはCX(カスタマーエクスペリエンス)、UX(ユーザーエクスペリエンス)、EX(エンプロイーエクスペリエンス)、MX(マルチエクスペリエンス)の各体験を結び付けて強化し提供することで、消費者と従業員だけでなく、全てのステークホルダーに対して良い体験を生み出すことを目指している。

カスタマーエクスペリエンス(CX) :顧客体験
ユーザーエクスペリエンス(UX)  :ある特定のサービスを利用した際に得られる体験
エンプロイーエクスペリエンス(EX):従業員体験
マルチエクスペリエンス(MX)   :顧客とのタッチポイントを増やし関係性を向上させる体験

自律システム(Autonomic Systems)

"2024年までに自律的なシステムや製品を販売する企業の20%が、顧客に対して製品の学習済み動作に関する補償条項を放棄するよう求めるだろう"

・自律型システムは自ら学習する自己管理型の物理的、またはソフトウェアシステム。
・自律型システムは自動化システムとは違い、ソフトウェアの更新することなく自らアルゴリズムを動的に変更することができる。
・この仕組みにより変化への迅速な対応が可能となり、複雑で大規模な環境でも対応することが可能になる。

生成型AI(Generative AI)

"2025年までに生成されるデータ全体の10%が生成型AIが占めるようになり、現在の1%未満から増加するだろう"

・AIのほとんどは結論を出すよう訓練されているものが多いが、AIの真価は自らイノベーションを起こすことができること。
・生成型AIはサンプルデータやユーザーからのデータを基に、学習データと類似性を保ちつつオリジナルなものを生成するAI。
・生成型AIを活用することで企業は迅速なイノベーションを起こすことが可能になる。

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注目ポイント

今回発表された12のトレンドの中で私が注目したのは生成型AI(Generative AI)です。これまで、AIが人間にとって代わることのできない仕事の1つがクリエイティブ領域だと考えていましたが、Generative AIの開発が進み実装されたサービスが出てくればAIの活用領域は一気に広がりそうです。

以前の記事で紹介した文章生成言語モデルを活用した例として、人間が書いた記事なのかAIが書いた記事なのか見分けがつかないということで話題になったケースがありました。何かを決断するためのサポート機能としてAIを活用するだけではなく、クリエイティブな仕事もAIに頼る時代が来るかもしれません。

最後までお読みいただきありがとうございました!

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