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ペルシカリア『From Majix tour』(2024/10/20, CLUB ROCK'N'ROLL)
なんだかんだでまだ日々が続くのは
憂鬱数えてりゃ日は登る
毎夜、ペルシカリアの歌詞に強く頷いてしまうくらいの日常。別に"死にたい"ってわけじゃない、生きていたいとは思わないだけで。それでも少し見渡せば、"生きていたい理由"なんて幾らでもありふれている。笑われるような些細なことばかりだけど。そんな風に、辺り一面を埋め尽くすくらいの憂鬱の中に僅かに点在してる"生きていたい理由"を、点と点を繋ぐようにして辛うじて生きていたら知らぬ間に行き着いた日曜日、ペルシカリアが居るとされる場所へ向かった。生きたい理由がまた見つかると、心の何処かでそう信じたかったのかもしれない。
前日はメジャーデビュー後初のosageのワンマン、そして今日はペルシカリアのツアー。大好きなバンドの大切なライブを2日連続で、それも名古屋で見られるという事実だけで恵まれている。そこに至るまでどんなに生きたくない日が続いたとしても、この週末だけはずっと待ち望んでいた。軽々しく言ってしまうと、この週末がここ最近の"生きていたい理由"だったのかもしれない。そんな簡単に言葉にできるような話じゃないけど。
ペルシカリアのライブを初めて見たのは『でらロックフェスティバル』というサーキットでのこと。その時点で既にペルシカリアは"サブスクで聴く好きなバンド"のひとつくらいではあったけど、あの日の衝動はもう忘れられない。30分という限られた時間の中に最大限の曲数を詰め込み、更に明確なMCの時間は無く、曲の途中であろうと言いたいことは全て言葉にしてぶつけていた。ダイバーが出るような激しいライブに参加するのさえ初めてだったのに、こんなにも心と言葉を全て音楽としてぶつけてくるようなライブは見たことが無くて、自分がこれまでに見たどのバンドとも全く違うやり方で自分の心を掴んでしまっていた。あの日サーキットで見た9組のライブの中でも圧倒的にペルシカリアに夢中だった。
たった30分じゃ物足りなくて、ワンマンとまで行かなくても、ロングセットのペルシカリアを目の当たりにできる日をずっと待っていた。ワンマンツアーは予定が被って申し込めず、その後も何だかんだ機会を逃し続けて半年以上経過していたがようやく、巡り会えた。ペルシカリア『From Majix tour』、本日10/20のゲストはBrown Basket。2日連続でライブの予定が入るなんて懸念はもうどうでもよかった。両方楽しみ。それだけの話だ。
会場はCLUB ROCK'N'ROLL。ライブハウスが密集する新栄の中では少しエリアから外れた場所に在る。ちょうどこの日、近くのDIAMOND HALLではシンガーズハイのワンマンがあるみたいで、ライブハウスが並ぶ通り沿いにはシンガーズハイのグッズを纏う人々が溜まっていた。駅から会場へ向かう道もハイの客ばかりで少し窮屈に感じてしまったけど、ペルシカリアを必要としている俺には関係ないはず。自分の愛するバンドを見つけて、会いに行けることくらいは誇りに思っていたいよ。CLUB ROCK'N'ROLLの前はそれはそれで、ペルシカリアの客で賑わっている。と言うかここにいるみんな知り合いなのかと思ってしまうくらい、すごく仲良さそうに見える。自分は今日が初めてで知り合いも当然のように一人もいないので、ちょっとだけアウェイで寂しくなった。あたしも切実にお友達が欲しいです。まあそんな雑念たちも、ペルシカリアに会えば全部どうでもよくなってしまうはず。毎日の行き場のない憂いも飛ばしてくれると信じて、誘われるままに会場へ。
〈Brown Basket〉
ツーマンライブということで、最初に出てくるのは当然Brown Basket。「From 京都MUSE、Brown Basketです。」と高らかに名乗りを上げ、一発目『Take it Easy』でスタート。サブスクで配信されているのは同郷同世代のバンド・Garden of Chicken CokesよりVo.石澤和彦がフューチャリングしたバージョンとなっているが、BBのライブで披露されるのは『Take it Easy(Verse2)』というバージョンだそう。2番も岸本が歌う上、歌詞もオリジナルから変わっていた。先に断っておくと、私はBBのライブを観るのは初めてで、サブスクでちょっと聴く程度の浅い"好き"でしかない。でも、いつかライブ映像の断片を見た時、音源との温度差に衝撃を受けたのを覚えている。今日初めてライブを見たことで、画面越しじゃ知ることのなかったであろう彼らの姿を、開始早々から目撃してしまった。
初っ端から爆音を掻き鳴らして、続くのは『もうひと頑張り』。最初の「ワン・ツー」のコールから一瞬で誰もがぶち上がっているように見えたし、個人的にBBの中でもトップクラスに好きな曲の一つなので嬉しかった。
もうひと頑張りさ
君に会えるまであと少し頑張れる
もうひと踏ん張りさ
君に会えるまでこの日々を乗り越えられる
自分も同じ気持ちだった気がする。ちゃんと頑張れているのかと言われたら答えは否かもしれないけど。ただ、ペルシカリアに会う今日この日の為に生きている、くらいのつもりでいた。いや、遣り過ごしていただけかもしれない。まあいいや、考えなくていい。次の曲を演奏しようとしたが岸本さんが一度制止し、語り始めた。ペルシカリアとは前回BBのツアーに呼んでからの付き合いとのこと。「初めて対バンした時に矢口が好きって言ってくれた曲やります。」と言って鳴らしたのは『何者』。
「ありのまま」を愛した先で
きっと幸せ者になろうな
Brown Basketの言葉はあまりにも真っ直ぐで、愚直さすら感じてしまうのが魅力だ。眩しい。そして、その言葉に確かな強さが宿っている。こんなにも必死に足掻いて幸せを見つけようとするような姿勢の言葉たちを見ていると、ペルシカリアとは真逆の存在なように思えるけど、岸本さんはそんな真逆のようなペルシカリアを愛しているみたい。岸本さんが言うには、Dr.スズキセイヤが体調不良によって出演できなくなり、ライブのキャンセルも視野に入れていたが、サポートドラムとして大学時代の友人の力を借りて、どうにかこのステージに立てたそう。突然の要請に応えて名古屋まで駆けつけてくれた友人に感謝を述べつつ、岸本は「愛するペルシカリアがツアーに呼んでくれたからには、何としてもライブをしに来た」と力強く語った。
そして、「急遽決まったことなので」とのことで、ドラムは一旦休憩。少しの間、BBにとって初めてのアコースティック形態でやると言い出した。「バンドでアコギを持つのすら初めて」と岸本は語った。披露したのは『こころのこり』と『グッバイワンルーム』の2曲。さっきまで激しいライブを見せつけられていたが、落ち着いたアレンジも思いの外似合っている。「グッバイワンルーム」を終えると、間を繋ぐようにドラムが鳴り始め、"ディスよりキスが欲しいんですきっと"と、『TVCM』から再びバンドセットへ復帰。そのまま駆け抜けるように『世界の中で君だけに』、そして『BY MY SIDE』へと繋げた。この曲が来たということは、クライマックスに差し掛かろうとしている。
舞い落ちていく桜の花のように
僕らの涙も風に流され
BBの音楽は"青春"みたいな、ある種の眩しさを持つ歌が多い気がしている。でも『BY MY SIDE』は追憶の歌、もう戻れない時間への感情が溢れかえっているようだった。彼らのキャリアの中では比較的初期の曲であるが、今に至るまで大切にされる理由を肌で感じた気がする。曲に乗せて、「矢口は根暗で、捻くれていて、それが人間らしいから好きだ。」と、ペルシカリアへ、矢口結生への想いをぶつける。矢口結生と比較するなら、岸本和憲が書く歌は熱があって真っ直ぐだ。遠い存在に見えるけど、きっとそうじゃない。その答えは次のペルシカリアが見せてくれるんだろうけど。
最後に、先述のサポートドラムの件について触れながら、「助けてくれる人がいて、会いに来てくれる君がいること、当たり前なんかじゃない」と語った。そしてフロアに投げ掛けた。「損得なんかに決めさせるな。自分の好きなもの、大切にしたいもの、絶対に手放すなよ。」。そしてサブスクでは聴けない会場限定盤収録の『切に願う』。今日、初めて聴くことができた。
幸せを叶えてくれよ
不幸になってくれるなよ
悲しみに勝っておくれよ
君だけの色を失くすなよ
岸本の言葉は、歪んだ見方をすれば理想論なのかもしれない。だけど、決して嘘偽りはない。どこまでも真っ直ぐな願い。根明か根暗かで分けるなら間違いなく根暗の方に分類されるあたしの心も揺さぶられてしまった。BBとペルが真逆の性質のように見えて、内側では惹かれ合っている意味が少しだけ分かった気がする。『切に願う』で終わりかと思ったが、最後の最後にもう一曲『ROLLING』。今日、好きなもの(ペルシカリア)を手放さずに選べてよかった、そして選んだ先でBrown Basketに出会えてよかった。安直な言葉になってしまうが、非常に熱いライブだった。
【セトリ】
1.Take it Easy
2.もうひと頑張り
3.何者
4.こころのこり
5.グッバイワンルーム
6.TVCM
7.世界の中で君だけに
8.BY MY SIDE
9.切に願う
10.ROLLING
〈ペルシカリア〉
初めてのBrown Basketも熱くてかっこよかったけど、やはり私にとっての本命はペルシカリア。そのペルシカリアのライブがもうすぐ、目の前で繰り広げられようとしている。転換中、機材トラブルがあったようで、自身のツアーでありながらフェスやサーキットのようにリハを実施。『ビビって』と『風道』を軽く合わせた後、「この後よろしくお願いします」と言って一旦捌けて行った。
そして、遂にこの時が訪れた。2月初旬から、と思えば随分時間は空いたけど、日毎にペルシカリアを必要とする生活になっていた。あの30分じゃ物足りないし、音源を聴いているだけではもう満たされなくて、今日が訪れてくれて本当に良かったと、今日くらいは心から思えている。
目の前にペルシカリアが現れる。暫くして、最初に聴こえてきたのは『いびき』。幸せな風景を描いているように見えて全て過去形という、そんな心擽られるようなバラードで幕開け。『いびき』を歌い上げると、「"音楽に救われる"なんてよく言うけど、本当に人を救うのは、音楽に乗せた人の想いや言葉。俺たちは今日、全てを賭けてそれをやりに来ました。」と宣言した。矢口さんは"音楽に救われる"という響きに違和感を覚えていると、少し前から語っていた。他人でしかない自分が矢口さんの想いを勝手に切り取ったり要約するのも違うと思うので、これを読んで欲しい。
矢口さんの想いは凄く腑に落ちている。それでも"救われる"とか簡単に言ってしまう。簡単にしたくないと思っていながらも。持ち合わせた言葉が少ないから、乏しい表現に頼ってしまうだけなのかもしれない。矢口さんの言う"その人の音楽にしか逃げ場がなかった人間"に俺が含まれるのかどうかは知らないし、誰が決める事なのかもわからない。別に自分がそんなに不幸な身の上だとは思っていない、寧ろ恵まれている事くらい理解している。その上で、本気で死ぬ為に何か試したことはないけど、軽く死にたくなる夜には幾らか出会ってきた。別に何となく、好きな音楽に慰められて癒えるくらいには浅い傷なんだったらそれは不幸とは言えないのかもしれない。本気で死のうとした試しは無いわけだし。何だかんだ、惰性でもこうやって生きている。もう分からない。自分は不幸ではないけど、ペルシカリアを必要としていて、今日だって逃げ込むようにしてこのライブハウスに辿り着いた。分からないけど、そう信じているし、そう信じていたい。長くなってしまった。俺は矢口結生の想いと言葉に救われている、多分、きっと。
先程の宣誓とともに聴こえてきたあの不穏なイントロは『離愁』。ここからは正真正銘、ペルシカリアの空間、ライブハウスだ。続けて『死ぬほどどうでもいい』。この『離愁』から『死ぬほどどうでもいい』への繋ぎも、『死ぬほどどうでもいい』のタイトルコールも流石にかっこよすぎて撃ち抜かれてしまった。とかそんな私事は本当にどうでもよくて。空かさず"世界一気持ちの悪いショートチューン"『どうしたって』と、2連続でショートチューンを投下したかと思えば、そこに続くのは『情けない』。どういう言葉を当て嵌めるのが真っ当か分からないけど、取り敢えず全部かっこよすぎてズルい。
君が笑ってくれるなら
僕はずっとずっと情けないままでいい
先日リリースされたミニアルバム『神様は僕達と指切りなんてしないぜ』の収録曲であるが、実は以前から存在していた曲らしい。それがここに来て音源化され、更にはMVまで制作された。あと、中垣さんが1番好きな曲だとTwitterで言っていた。それにしてもこの曲、いくらなんでもペルシカリアに似合いすぎている。『さよならロングヘアー』や『離愁』を越えるくらいの、ペルシカリアのキラーチューンになる未来が浮かぶし、そうなって欲しいとすら思ってしまう。『離愁』から『情けない』まで止まることなく音が鳴り続けてきたが一度静寂に戻り、青白く照らされたステージでは『おもいでばなし』が演奏される。私にとっても好きな曲のひとつではあるけど、ライブでやってるイメージは全くなかったので、そういうレア曲を聴けるというだけでもペルシカリアのツアーに赴く意味があったと言える。
そしてここで漸く明転し、MCに移る。でらロックではまさかのMC無しだったので、音楽から切り離して矢口さんの言葉を耳にするのはこれが最初。「大変な中でもこのステージに立つという決断を取ってくれたBrown Basketに大きな拍手を」と、このツアーに駆け付けてくれた盟友に感謝を示した後、「俺も岸本さんみたいに真っ直ぐな歌を歌いたかった。」と語る。その声には悔しさが見えた。でらロックでライブを見た時も、自分より大きなステージでライブをしていた同世代のBlue Mashへ対抗心を露わにして、同時に現段階で差を付けられたことへの悔しさを口にしていた。矢口結生のnoteを読んでいても分かるように、そんな悔しさ、憤りや葛藤を歌に変え、ライブに乗せてきた。今日もまた、Brown Basketから受け取ったものを形にするようにして、「根暗だけど、捻くれているけど、大切な人に真っ直ぐ"大切"を伝えるような歌を歌いたい。やっと素直に歌える気がする。」と言って、未解禁の新曲『ラブソング』を披露。ついこの前、ミニアルバム出したばっかりなのに、もう新曲だなんて。どこまでも楽しみにさせてくれる。
最近、矢口さんは"ロックバンドの在るべき姿"だったり"ロックバンドがラブソングを歌う理由"に悩んでいる様子を随所で見せてきた。「ラブソングへの風当たりが強い昨今、そんなのロックじゃないって言われることもあった」、そうして悩み抜いた先で矢口結生が見つけた一つの答え、「大切な人に"大切"だって伝えることも、ロックバンドの使命だ」。ベッタベタなラブソングは嫌いだけど、ペルシカリアが歌うラブソングは好きだ。この『ラブソング』はいつか音源化される日が来るのだろうか。真っ直ぐで穢れのないラブソング、このツアーまでの道のりで辿り着いた矢口さんの答え、世間様の元へ届く日が待ち遠しい。
『ラブソング』を受けて「今なら、愛してるってちゃんと言える気がするんだよ」と叫び、『ショートカット』。そして『風道』へ。これが"衝動"ということなのか、ダイバーが大量に出ていた(自分は後ろの方で見ていたが)。そして、最初の宣誓に立ち返るように、「人を救うのは音楽じゃない、人から溢れる言葉と想い。それが乗って初めて音楽に意味がある。」と言い放つ。そして、葛藤の中で見つけた答えを歌うように、『東京』。
憂鬱を何かで引く日々に飽きて
なけなしの金でこの街に来ても
寂しさなんて埋まらないよ
寧ろ虚しくなっていく
東京という街で感じた焦燥、劣等、憂鬱、空虚。どれも絶望的な感触に見えていたけど、今日のペルシカリアが鳴らすこの歌は心なしか、微かながら希望を抱えた歌に思えた。
他人に見えた一人一人の中
君がいれば寂しくないからさ
そして、「矢口、本調子です」と叫ぶとフロアから歓声が湧き、「全部ぶっ壊してやれ」の声と共に投げ込まれた、憤りに満ちた『ハウオールドアーユー』で、フロアの熱気は更に上昇していた。でも、こんな所で留まるはずがない。続くのは『優しい歌』。歌い出しの前に語られた、「真っ直ぐな言葉では歌えないけど、だからこそ真っ直ぐ生きられないやつを救いたい。」という矢口の言葉は、あたしがペルシカリアに惹かれた理由そのものだとすら思えた。更に歌い終わると、「お前の居場所は、俺が作る」と続けた。全然キラキラしていない人生の中で散々劣等感とかも感じてきたから、変に擦れて歪んだ感受性ばかり育ってしまったけど、ペルシカリアが俺の逃げ場を用意して待ってくれていた。間違いなく居場所があった。それが私にとってのペルシカリアの全て。自分がペルシカリアというバンドを好きな理由を、今日やっと言葉にできるようになった気分だ。
「セキュリティの皆さんが暇そうにしてますよ」とダイバーを煽ると、本日2度目の『風道』。2連続で披露するイメージも強いこの曲、やっぱり一度で終わっちゃうわけがないんだね。その後、『歓声の先』の途中で「"救ってやる"なんて言ってやるような柄のバンドではないけど、手探りでそれをやってやる」と言い放ち、それを実践するように勢いそのまま『タイムオーバー』。今日だけでもペルシカリアは散々焦って、悩んで、その先で答えを出そうとしてきた。ここに来て見つけたもう一つの答え、「真っ直ぐじゃなくていい、捻くれていたっていい、それが今日辿り着いた俺たちの答えだ。」。
例えば明日が怖くたって
出鱈目だらけの嘘と本当
冗談混じりの言葉たちも
酒を飲んで流すなら
矢口がペルシカリアのフロントマンとして、1番好きだと語る矢口の歌。でも、俺がペルシカリアを好きになる本当のきっかけをくれた曲でもある。忘れてしまいたいこと、逆に要らないけど忘れたくないこと、取り留めもない日々の感情も全部、無理に捨て去らなくていい。曲解かもしれないけど、そう言ってくれている気がする。全てを肯定してあげられるほど褒められた毎日を送っていないし、きっと矢口さんもそんなつもりではないと思う。褒めてやれない自分も確かな自分だって、ただの逃避じゃない肯定を、矢口さんは手渡してくれる。きっとこの日々も、重荷なんかじゃない。今抱えてる逃れてしまいたい感情も全部、向き合ってやらないとね。『タイムオーバー』を終えると、矢口は「あなたも、あなたのままでいい」と、この場を選んだ"あなた"に正解を与え、ラスト『黎明』で"さよなら"を告げた。旅はまだ、続くみたいだ。
ペルシカリアがステージを去っても拍手と声は鳴り止まず、長い時間を置いてからペルシカリア御一行が再登場。「伝えたいことを全部伝えることができなくてずっと悔しいけど、せめて想いだけでも受け取って帰って欲しい」と話し、ここからはノンストップで3曲披露した。まず『最初の晩餐』。個人的に多分、ペルシカリアで1番好きな歌。だけど、ここで語るには更に長くなりすぎるので、また別の機会に。ただひとつ言えることとしては、「お前らの幸せは本気で願ってる」って、私たちに告げてくれた。続いて、"遊園地みたいなラブホ街"から始まる、2020ver.の『さよならロングヘアー』。今となっては、廃盤になったCDか Eggsでしか聴くことはできないだろうか、YouTubeにも公式ではアップされていない。予想外のサプライズから本当のラスト『愛情完済日』で締め括った。(アンコールからの記述が急に雑になってしまったけど、それくらい書きたいことで溢れていたんです。許してください。)
終わってしまった。俺も一つ、答えがあった。俺の人生にはペルシカリアが必要ということ。「真っ直ぐじゃない奴を救いたい」という矢口さんの言葉には一切の狂いが無いように見えた。根暗で、捻くれていて、自分が嫌いで、そんな人間だから、ペルシカリアが必要だった。ペルシカリアの言葉を、音楽を、信じていたいと思った。「あなたはあなたでいい」。ペルシカリアが辿り着いた答えを、ずっと手放さないで居てくれるなら、生きる場所を知らない私に居場所をくれるのは他でもなくペルシカリアだって、そう確信できる夜だった。この先、ペルシカリアが居れば生きていけるなんて言い切れないけど、ペルシカリアが居る人生を生きたいと、そう思えた。何の解決にもならないかもしれない、それでも死にたくなったらペルシカリアに会いに行く。また一つ、枷でしかないのに"生きていたい理由"が増えてしまった。それもずっと、抱き締めていていいんだと信じ込んで。
【セトリ】
1.いびき
2.離愁
3.死ぬほどどうでもいい
4.どうしたって
5.情けない
6.おもいでばなし
7.ラブソング
8.ショートカット
9.風道
10.東京
11.ハウオールドアーユー
12.優しい人
13.風道
14.歓声の先
15.タイムオーバー
16.黎明
en1.最初の晩餐
en2.さよならロングヘアー
en3.愛情完済日
p.s.終演後、矢口さんと約束を交わしたので、近いうちにまた会いに行きます。