てんでだめだね

寝る前にしかnoteを書く気になれない。
特別こだわりがあるのではなく、ただ、夜の方が多少、本当に少しだけ思い浮かびやすい気がする。
ロフトベッドの2階。
憎い父の寝息といびきに耳をそばだてながら、できることなら永遠に目覚めるなと無意味に神に祈って目を伏せていた。
あわよくば、僕まで。

よく面倒事に巻き込まれる。
興味のない、友人の揉め事。
その態度のなにに惹かれたのか、僕はよく仲裁役に抜擢されていた。
呆然と両者の声を聞き分け、汚い走り書きで内容をメモしていく。
時折こちらを見る友人たちの目が恐ろしくプレッシャーになり、息すらするのを忘れるほどだった。
人の視線というのはどうしてあんなにも怖いのだろう。
他人が僕を見る目は、みんな、僕がバレーボールを失敗した時のクラスの人気者の女の子と同じ目。
なにをしているんだ、お前は。
そう目線で糾弾する彼女。
俺は気づいていたのに、目線をそらすことしかできなかったことをよくおぼえている。
みんなは、学生時代運動はできましたか?
僕は当然一切出来ませんでした。 
球技はてんでだめ、走らせても、大声を出させてもダメ。強いて言うなら柔軟はできた。だから何という話ではあった。

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