
今年ウマ娘にはまった男の2021年ベスト競馬レース10(+次点3レース)
まー、いつも映画だったりアルバムだったりに年間ベストつけてる人間が、
今年ウマ娘にはまり、競馬にはまり、馬券も3月の大阪杯から買い始めて、今年の漢字は絶対「馬」だろうがと思ってるくらいだから、年間ベストくらい作ってしまいますよね。年末年始お暇ならごらんくださいませ。
10位
東京スポーツ杯2歳S(イクイノックス)
「抜けた! 1番イクイノックス!!」
毎年出てくるよくわからない謎の音楽を無理やりカテゴライズする新興音楽ジャンルが好きな僕にとって、
毎年こんなに、来年が楽しみな期待の新馬がどんどん出てくる競馬ってやつは、これやばいね沼だねって感じになります。
今年だけでもサークルオブライフ、ソネットフレーズ、コマンドライン、オレタチハツヨイなどなど、気に入った2歳新馬がいる中、
「昼と夜の長さがほぼ等しくなる時」という名前をつけられた、キングヘイロー母父にしてキタサンブラック産駒、イクイノックス。
その強さをまざまざと見せた二歳重賞。うれしい三連複も当たってホクホクでした。ぜひとも2022年のクラシック戦線をにぎわしてほしいものです。
てか名前かっこよすぎ!
9位
新潟記念(マイネルファンロン)
「外ラチ沿いの追い比べ 制したのは16番 マイネルファンロン!!」
現在人生最高額配当をたたき出した2021年思い出の重賞ベスト1がこれ。
内の芝が荒れすぎてほぼ全員外を回る中、いつもよく大外を回る鞍上M・デムーロが一気に外ラチ沿いギリギリまで馬を走らせた、豪快なレース。
後述する「ある失敗」から学んだのが功を奏したのか、人気薄を見事に的中させ(前田一太さんありがとうございます!)、今ももしかしたらこのレースの勝ち分で競馬してるかもな~、と思えるような感じです。
名前を額に墨で入れようかなとも考えた(考えてない)
マイネルファンロン、今後勿論のように勝てませんが(6歳だし)、
出るときはいつも100円単勝を握るようになってしまいました。
8位
ジャパンダートダービー(キャッスルトップ)
「ここで、大仕事!!キャッスルトップです!!!」
翻って、このレースは、この後ダート重賞が当たらず
「ダートG1勝てないよ~」とオレを泣かせた大負けレースにして、
地方競馬の逃げ馬が中央からのダート馬を打ち負かした痛快なG1戦。
しかもウマ娘化したマヤノトップガンの血をひく馬であり、それで万馬券をとった知り合いもいたようだ。
自分はといえば、このキャッスルトップの枠から枠連を全て流していたのに、ぞろ目同枠…つまり8-8だけおさえておらず、
高配当をみすみす取り逃がすというミスをしてしまう。
いやー、これは退社後会社の食堂で見てて茫然としてました。
7位
京都大賞典(マカヒキ)
「マカヒキ復活とお伝えします!」
8歳。
かつて栄光のダービーを勝った馬が、5年間ずっと一着になれないまま、
それでもG1やG2を走り続けていた。
信じていた陣営に報いるかのように、最後一瞬の差し足で勝った古豪に現地大興奮。
この興奮、熱狂こそが、競馬の美しさなんだろうと思う。
「当たったら面白い」レベルで買った100円の複勝が770円に化けたのにはびっくりした。
この人が送ってくれた現地報告動画は、何度見ても心が動くので、本当に好きです。
マカヒキファンの皆様へ。男泣きで不快かもしれませんが、臨場感だけお伝えしておきます。 pic.twitter.com/NfG86YJP70
— ゴールドアクターちゃん (@GoldActor_7) October 10, 2021
6位
マイルチャンピオンシップ(グランアレグリア)
「女王は、一番外に出す! さあ 三年半の集大成!」
グランアレグリアについては一本記事を書いてしまったのでそれを見ていただければと思います。
本当に大好きな馬になってしまった。
あのルメールが、感情をむき出してガッツポーズをする瞬間の美しさ。
5位
ヴィクトリアマイル(グランアレグリア)
「強い!!!!!! それはなぜか!?」
「それは、この馬がグランアレグリアだからです!!!!!」
説明不要。こちらも記事参照してください(笑)。
最初にグランアレグリアのやばさを体感したレース。
4位
菊花賞(タイトルホルダー)
「阪神の3000m 一人旅!!」
むかしむかし、セイウンスカイという一頭のウマがいました。
鞍上は横山典弘、良血とはいえない馬ながらその背中を見込まれなんとか競走馬デビューしたこのウマは、
1998年の菊花賞、強烈に逃げた後絶妙に息を入れ、最後にまたスパートを決める驚異的なレースで、
その当時の芝3000mの世界レコードを樹立してしまうのです。
月日がたち、そのセイウンスカイもゲームの中で女の子になってしまうなどしてしまいましたが、
2021年の菊花賞、全く同じようなレースをして逃げ切り勝ちをしてしまう馬が現れました。
その名はタイトルホルダー。鞍上は横山武史。
なんと横山典弘の息子だったのです。
競馬とは、記憶のスポーツと石橋貴明。
競馬とは、ブラッドスポーツとたくさんのヒトビト。
それを一番みせつけたのはこのレースでしょう。
血に縛られ、血の中で荒れ狂う記憶の嵐。
3位
桜花賞(ソダシ)
「白いサクラが咲き誇るのか!? また阪神に白いサクラか!!?」
令和は葦毛ではなく、白毛のG1馬、ソダシがアイドルホースとしてひた走る。
この後無敗でコントレイルを打ち破ったレイパパレのように、厳しいG1ローテを組まされ、なかなか勝ちが見えなくなるソダシだが、
札幌記念と、この桜花賞は会心の一着だった。
同時に、負けないくらい、最後に強烈な末脚を繰り出したサトノレイナスの存在も強く認知されたレース。
あ、強く認知といえば、
ウマ娘から入った競馬初心者に「出遅れ」と「掛かり」がどんなにつらいことかわからせてくれたメイケイエールもか。
そんなさまざまな要素が詰め込まれたこのレースを、僕はなんと御宿駅のホームでradikoで聞いていた。
その時自分は、ハルウララを見に弾丸一泊二日の一人旅をしていたのである。もう、完全にどっぷりウマ娘にはまってしまっていた。
サトノレイナスは牝馬ながらダービーに出走したが骨折。G1はおろか重賞未獲得のまま復帰は未定。
メイケイエールも危険なレースが続き、賛否両論の中勝ち星に恵まれず2021年を終えている。
三頭がまた輝くレースを2022年に見たいと思う。
2位
北九州記念(ヨカヨカ)
「外から17番 ヨカヨカだ! 捉え切るぞ!!」
7割以上が北海道で生産されるのがサラブレッドだ。そこに九州産馬というマイナールーツをひっさげて、
中央競馬に殴り込みをかけた牝馬が一頭、事故でターフを今年去った。
その名はヨカヨカ。
熊本の方言を使ったその名前に、高校まで熊本県にいた自分は少し親近感を覚えた。
このレースは、さまざまな賛否両論巻き起こる中、開催に踏み切ったフジロックの三日目、
月曜が会社なので民宿で帰り支度をする中見ていた。
こちらも今年引退した、スタートダッシュの優秀さ、
そしてそのインパクトある名前で、高松宮記念で初見で好きになったモズスーパーフレアも走っていた。
最後の直線で一気に差し切ったときの、現地、北九州小倉の歓声も別の動画で聞いていた。
ゴールした瞬間、ガッツポーズをしたのを覚えている。ここから、次はついに短距離G1のスプリンターズSへ…。
夢は、スラムダンクの最終話のようにここでついえた。
2021年に生まれ、消えた夢。ヨカヨカ最初で最後の重賞獲得レース。でも、僕は忘れないだろう。この一戦を。
ソダシ、メイケイエール、ヨカヨカ、ユーバーレーベンにサトノレイナス。
2020年の阪神JFの上位5頭はいずれも伝説になった。まさに「GIRLS LEGEND U」。
1位
ジャパンカップ(コントレイル)
「さらば、コントレイル」
やっぱこれしかないでしょ。
これしかない。無理。
ミスターシービー、シンボリルドルフ、ナリタブライアンには間に合わなかったが、
彼が走る時代には間に合った。
最初に馬券を勝ったG1、雨の中の大阪杯、エフフォーリア・グランアレグリアと相まみえた薄曇りの天皇賞秋。
2021年負け続け、「最弱の三冠馬」という汚名すら着せられて、コロナ期を駆け抜けた一頭の常識外れのウマが、
ウマ娘となったトウカイテイオーが行った有馬記念のような感動の一戦をラストフライトとして跳んだ。
冷静な語り口のアナウンサーが最後に、絞り切ったような会心の感情が乗った声で叫ぶ。
「これが、本来の姿だ」
この実況に泣かない奴がいるんだろうか。そしてゴールした後、僕たちからは聞こえない場所で絶叫する、
鞍上福永祐一の叫びに心がうごかない人がいるんだろうか。
これを、僕は高円寺のyakusyu、なんと(無謀にも俺が行った)ウマ娘イベントで数人の競馬好きと見た。
何人かが涙をこぼした。これが競馬なんだ。本当に美しかった。
破れかぶれの勝負をしたキセキも良かった。
誰かが言った。「飛行機雲は晴れないと見えないだろう」
2021年最高のレース。
以下次点
・古都S(メロディーレーン)
「けなげに! 小柄な馬体を弾ませて!」
令和のアイドルホースの一人、今年の有馬記念にもファン投票で出場した。場体重380もいかない小さな小さなサラブレッド、メロディーレーン。
その馬がついにOP馬に昇格するこになった記念すべき一戦。
ヨカヨカ(九州産馬)・ソダシ(白毛馬)・メロディーレーン(最小体重)は、オグリやタマモクロスのような「葦毛は走らない」「地方は走らない」というような、
レースに不利なマイナーな要素を打ち破るところからも人気になっているような気がしますね。そらそうか。
・有馬記念(エフフォーリア)
「有馬も勝ったエフフォーリアァああああ!!!!!!!(クソデカ声)」
「有馬が次点かよ」とも思いますが、エフフォーリアの完璧すぎる競馬ちょっとすごいというより冷徹な感じするんで(笑)。
・2歳新馬(ジュタロウ)
「独走! 9番ジュタロウ!」
これは重賞ですらないですね。
でも、このジュタロウの足は将来有望でしょう。
ホウオウルーレット、アローワンといった、
ダートの新鋭の2歳世代も楽しみにしましょう。
来年も、他の趣味とうまく併走しながら、全騎手全競走馬無事に、レースを迎えられるよう祈るとともに、ひとつでもすごいレースが見れることを望むばかりであります。いやー楽しかった。