日本の医療システム、ご存じでしょか!と「医療崩壊」ってもう起こってると思うという話(医者の立場から)と「医者の働き方『改悪』について」
多分ほとんどの人が、「日本の医療システム」というか・・・「医者の実態」について知らないと思うので、ぜひ「知ってほしいこと」を若輩とはいえ・・・「医師」側の人間である自分がみた・・・世界を「知ってほしい」ので書きました。
「医者」って実際多くはどこに居て、どういった治療してんの?って話を知ってもらえればって思います。医者って・・・思うほど・・・立場がホントにイイ・・・って感じはしないと思うんですよね。って話。
※医者同士でも「意見」が食い違ってて、「命賭して医者として死ねるなら本望」という先生もいらせば、「自身の家族とかそういう方を優先したい」って先生もいます。どちらも正しいと思います。だから齟齬が生じるし、日々Twitter(X)でバチボコに論争があるのだと思います。あらかじめこれだけは記載させていただければと思います(あくまでこの記事は個人的な意見であり、特定の人を責める意図はありません)。
〇医者と普段会う事って
医者と会う機会って殆どなくないですか?基本的に「多くの」若い人にとっては(10~40代くらい?)ないんじゃあないかって思うんですよ。基本的に・・・まあ学校に通ってたら、「10代のころ」に学校健診(これもよく批判されますよね)で年に1回くらい会うくらいで。就職してからも、年1で「健康診断」受けるくらいで。その時「流れ作業のように一瞬」医者と話すことがあるかもしれませんが・・・大多数の人は「問題ないですね~」って言われて終わると思うんです。
基本的に・・・まあ今はコロナがありますが、基本的に「ちょっと熱っぽいな」とか、「ダルイな・・・」って時に病院にかかる前にまあ(今はコロナがあるのでクリニックにかかるかもしれませんが)、家で解熱剤飲んでおとなしくしてる・・・って感じで終わりますよね。それで問題なく過ごしてみて、改善すれば病院はいかないで済むし。家でまずは「安静」にして様子見るってのが基本的な手段だと思うんです。それでも例えば・・・「生牡蠣」とか食べた後・・・ゲーゲー「嘔吐」したり「下痢」しちゃったりとかして、「ああ、これノロかも」と思いながら・・・近くの病院に行くこととかはあるんじゃないかな?って思います。
そこで基本的に、「病院行かないとな」って思ったときにかかる病院って、「クリニック」じゃありませんか?いわゆる、町医者のことです。
コロナとかでも今は「クリニック」の発熱外来とかに行きますよね。
基本的に・・・「開業医」=「クリニック」と思ってください。基本的に開業医は根城が自分の「クリニック」なので、異動とかもないし・・・地域に根付いた治療をします。ただし設備等に限界があるので、血液検査(我々はよくL/D、ラボデータとか呼んだりします)とかをしても結果については検査を外注してたりしてるところが殆どなので、結果は早くとも「翌日」だったりしますよね。画像検査もできて「レントゲン(Xp)」くらいで。
でもまあ、多くの人にとって・・・病院にかかる=クリニックにかかるってのは成立すると思うんですよね。皆が皆大きな病気を「若いころに」するわけじゃあないので・・・。
あるいは・・・「マジでやばいかも」って症状が出たときに「救急車」を呼ぶことがあるかもしれません。若くても呼んだことがある人はいるんじゃないかなって思います。そういったときに運ばれるいわゆる搬送先は・・・「市中病院」だと思います。〇〇市立病院であったり、〇〇医療センターであったり、済〇〇病院系列だったり(断らない)徳〇〇系列病院だったりします。ごくまれに「二次救急レベル」も受け付けてる大学病院もあるので大学病院にファーストで運ばれることもありえなくはないですけど、まあ基本的に「入院するベッド」があるでかめの「病院」を市中病院と思ってください。
かかったとしても・・・ここの病院に救急車で運ばれるくらいですよね。何だったらそこの救急外来で「問題ないですね、とりあえず帰宅して様子見して明日クリニックにかかってね」って言われたことがある人もいるかも。
話がそれちゃった感じがしますが、本題に入ると・・・。「クリニック」で働いてる常勤のドクターは基本的に「我々医者」から見ると「少数派」です(でも思い返してみると人口的にはそんなに変わらない?)。マイナーなんですよね。人数的に見て「少ない方」です。(ポイントは※常勤※ってこと。ここがポイントです、デカイ病院から〇曜日午前だけとか派遣出来たりアルバイトを雇ったりすることもありますがそういう医者は「勤務医」が多いです)。
じゃあ「医者」の大多数ってどこに居るんだよ?って思いませんか?
その実答えは・・・さっき上述したような「市立病院」か、「大学病院」に多くいます(療養病院やリハビリテーション病院にもいます)。いわゆる「勤務医」とされている人ですね。
これ書いて私がいつか行方不明になったら東京湾に浮いてると思ってください。
深いんですよ闇。医療の闇とかよく言われますけど裏金とかそういう意味じゃなくて・・・ブラック的な意味合いでの「闇」が強いです・・・。
裏金、ワクチンとかそういう意味じゃなくって、純粋に労働環境で闇が深い。
〇「勤務医」の待遇の前にまず「大学医局」について。
この記事を読んでくださっている方の中に「医療従事者」の方がいらっしゃるかもしれません。もしかしたらその人たちは分かるかもしれない話題なのですが・・・。いわゆる上述した「市中病院」って今の時代どこも基本的に「公式HP」がありますよね。そういった病院のホームページにおいて、絶対「医療従事者の方向け」ページがあって。そこのページ見ると「職員募集!」の記事があると思います。ここに「常勤医募集!」って欄、殆どないって思ったことありませんか?
無いんですよ、基本公式ホームページでの「医者の募集」って。なんで?ってことを紐解いていこうと思います。
まず、医者には学生でいうところの「部活」のような・・・伝わるのであれば、ネットゲームの「ギルド」のような同じ専門の医者が集まる「組織」があります。それを「医局」と呼びます。基本的に・・・大学の科ごとに「医局」というものがあります。「A大学〇科医局」とか、同じ科でも「B大学〇科医局」とか。
基本的に我々「医師」は、医学生卒業後、国家試験に受かったのち・・・基本的に2年間の「初期研修」を行います。その「初期研修」が終了すると・・・基本的には「専門科目」に進みます。いわゆる「消化器内科」とか「循環器内科」「整形外科」「眼科」などですね。各科の専門に入るわけです。じゃあ3年目以降の医者は専門科としてどこに就職するの?って話になるわけですが・・・基本的に、例年8割くらい以上の初期研修修了後のドクターがどこかの「大学医局」に所属します。
「大学医局」は、いわゆる「関連病院」てのを持つんですよ。
〇病院と●●病院と▽病院はA大学〇科の関連病院だったり。◎病院と▼病院はB大学〇科の関連病院だったり、「大学病院の医局」が握ってる「関連病院」は「大学医局」ごとに違います。
その関連病院に、大学医局は毎年「医師を派遣」します。
派遣先病院側は「毎年安定して特定の大学医局から決まった人数の医師が派遣されてくる」ので、わざわざ病院側から個人的に「医師を募集する事」をしなくて済むんですね。
そういうシステムがあるからこそ、「過疎地域」でも一定の「医師」が供給されるわけです(だから医療資源に差こそあれどギリギリ過疎地域でも医療は担保される)。だから基本的にわざわざ公式サイトで募集をかけないわけです(まあ・・・医師専用の求人サイトってのもあるんですけれど・・・基本会員制で登録しないと詳細見れないので、目立つことはないだろうと思います)。
じゃあ我々「医師側の」人事希望はとおるの?って話なのですが・・・「まあ場合によるし、若ければ若いほど希望は通らないことが多い(と思う)」ってのがあって。大学医局に所属してたりすると、「人事希望」ってのを毎年出すんですよ。そこである程度の希望は出せる。だけど「医局」にはベテランからぺーぺーまで幅広く医師がいます。
ベテランのドクターほど医局としては「抜けられると困る」のでベテランほど基本的に「希望は通ります(当たり前)」。逆に私のようなぺーぺードクターは「希望が通らない」ことが多いんですよね。ベテランのドクターはいわゆる「若手の教育」も兼任しているので、当たり前だけど融通は利かされなければおかしいです。当たり前のことです。若手のメリットはフットワーク位だと思うので・・・。
「これも経験だから」って理由で、遠方に飛ばされたりはよくあることです。これが「勤務医」の実情でもあります。何なら、派遣先を「気に入ったな、ここでもう少し働きたいな」と思っても、「医局人事から」戻って来いと言われれば戻ってこなければならない。逆らえないのです。でかめの病院とかに通ってる人がいらせばわかっていただけると思うんですが、毎年3月って「4月から私いなくなるので・・・」って主治医が変わること、結構あると思うんですよね。それたぶん・・・医局人事です。
よく「労働環境」がくそ悪いって文句を我々が言うことは結構あるんですけど、
「じゃあ辞めれば?」
って結構アドバイス貰うことがあります。んでも実際は・・・「医局って看板を背負って派遣されてきてるので、よっぽどじゃない限り」やめられないってのが「実情」でもあるんです。
じゃあ「医局」なんてやめちまえよって思うかもしれないですが・・・。「医者」は、初期研修修了後大体・・・「専門医」てのをまず今の時代はとろうと頑張ります。「専門医」の資格を取るためには、前提として「国が認可した医療施設で」「一定期間以上(大体3年以上)」働く必要があります。その「国が指定した医療施設」ってのが大体「どこかの大学病院が握ってる派遣先の関連病院」なんですよね。つまり・・・「専門医」を取るためには基本的に「医局」に所属することがほぼ必須となっているのです(勿論市中病院後期プログラムはある)。
「専門医」って響き、いいですよね。専門医の先生に「診てほしく」ないですか?そら患者側からしてみればその通りだと思います。だからこそ我々側も今「専門医」資格を取るために躍起になってるんですよね。
でも「医者」って・・・最速で24歳から医師免許を取ることができて・・・人よりも「社会デビュー」が遅いんですよ。医者として熟してくる頃というか・・・専門医とる頃って最速でもアラサーもいいとこなんですよね。
その年齢で毎年転勤とかの話になると、配偶者とかのキャリアだったり、「子供」がいれば子供も転勤に合わせ転校続きになってしまう。配偶者のキャリア以外にも子供の成長にも影響を与えてしまう可能性がありますよね。だから困るんですよ。医者として「凄い若輩」でも、「世間的に見れば」「いい大人」であって。周りの非医療従事者とかはもう結婚してある程度部下とかもできたりしてて・・・って生活をしている中、まだ見習いという立場で色々と各地を転々とする生活が続くわけです。うーん・・・難しい。
今の時代、「共働き」が多いと思います。その中で・・・毎年とはいかずとも2年おきに職場が変わったりして・・・それに配偶者はついてこれるでしょうか?それとも単身赴任?奥さんが妊娠してたら?ほっぽって単身赴任に行きますか?そんな可能性がありますよね・・・。もちろん融通利かせてくれるとは思いますが・・・医局側も・・・。
また、医局人事において、「大学病院に勤めろ」って指示も来ます。つまるところ「大学病院にもどってこい」って話ですね。次の見出しに続きます。
〇医者の給料、同じ病院に勤めてる売店の人の方が給料高い説、大体あってる話。
医者て、いわゆる「高給取り」って思われてると思います。私も医者になるまで思ってました。
※たぶん違います。(違うって否定するのもちょっと違うかも?。。。)
「単純にバカみたいに働いている時間が多い」ので、一見「額」は高いけど・・・その実蓋開けてみてみると、時給換算で「コンビニのアルバイト以下」ってのは往々にしてあります。少なくとも医者として働いてる「勤務医」は当てはまると思います。
特に大学病院。最先端の医療提供ですよね。大学病院って高給取り!ってイメージありますよね。
大学病院って「最先端の医療」しているわけだから、「高給取り」のイメージがありますよね。違うんですよ。
「大学病院程低い」のが医者の実情です。
何なら手取りで見るといろいろ補助も含めると同じ病院の「初期研修医」の方が給料高かったりします。笑えんですよね。じゃあ「大学病院」勤務の医者はどうやって食い扶持稼いでんだよって話ですが・・・。いわゆる大学病院勤務医は週に半日-1日ほど、平日に「外勤日」というものがあります(ないところってあるんですか?)。その「外勤日」において、大学病院と契約している近くの「クリニック」とかに「アルバイト」しにいくんですね。そこで食い扶持を稼ぐわけです。
〇医者の「当直」「日直」「日当直」と「オンコール」制度について。
医者って過労死ライン普通の人より二倍近く高いんですよ。
同じ人間なのに、「医師免許」とった瞬間に「年間の過労死ライン」が常人の二倍になります。いや・・・医者て同じ人間なのに・・・さも別の人種かのように扱われって・・・てなりますが・・・。
通常、過労死ラインって年間960時間だと思うんですが、医者だと「1860時間」まで許されるんですよね。同じ人間なのに資格取った瞬間変わります。
んで当たり前のようにある「当直」という制度。何か自衛官の方とか、特定の業種にも「当直」って概念はあると思うんですよね。でもそういった「当直」って大体その翌日って帰宅できませんか?医者、それ出来ないんですよ。
(調べたら自衛官の方の当直も明けは帰れない方が多いみたいですね・・・)。
ご存じの方あんまりいらっしゃらないかと思うんですが・・・「医者」の当直って、
例えば・・・朝大体7時頃から勤務があったとして(勤務要項的には8時半から始業なので勿論7時から働いてるお賃金はサビ残になります)、朝7時~定時の17時半位までまあ勤務があるわけです。基本定時で帰れることは無くて・・・早くてまあ夜19時だったり20時位に帰るんですが(残業代は基本出ない)、当直って日は、いわゆる病院に「泊まり込み」の日になります。入院している患者の「急変対応」だったり、「救急車の応需」ですね。一睡もできないまま翌日の朝7時位になること、よくあります。
※マジで問題だと思っているのは、その一睡もできない夜だったとして、その翌日朝7時からまた通常通り勤務が始まってその日も働いて少なくとも19時位まで働く必要がある制度が未だまかり通ってるのがヤバイって話なのです。
要するに32時間以上「ガチで」一睡もせず働けと国からお達しを受けているわけですね。これがまあ週に1回~2回はあるわけですよ。
普通に考えて「命」削りますよね??
それで「一睡も」できないことが多い中、「急変対応」や「救急車の応需」に追われ・・・「医療訴訟」とかも常に隣り合わせのさなか・・・、そんだけはたらいて一晩8000円くらい追加でお給金がもらえるのです。いくら夜中ずーーーーっと働いて12時間以上働こうが固定給の「当直代」のみ。12時間8000えんですね。時給換算すると地獄ですよね・・・。
また2024年から導入となった「医師の働き方改革」にて、「宿直」というものが出来ました。これは「宿直システムが国に認可されてる病院」であれば、医者は翌日も当直中いくら忙しかろうが「働くことを容認する」というシステムです。簡単に言うと・・・夜中急変対応とかで「働いていて」も、法律上は「休憩」扱いになるんですね。つまるところ我々は国のシステム上では寝ながら働いているようなもんになるんです(これについては詳しくないので違うかも・・・違っていたら申し訳ありません)。
ぶっちゃけた話、「マジで一睡もできない」当直ってのは「割とあるけど、ないときもある」って感じなんですが、例えば23時に仮眠したとして・・・夜中の1時、3時、5時に簡単な指示出しの為に起こされて十分「睡眠がとれた?」と言われると疑問が残りますよね。翌日のパフォーマンスは明らかに落ちます。きついんですよね、当直。それが週に1~2回、最大月8回あったりするとまあ「医者の不養生」を地で行くわけです。そこでもらえる給料と働いている時間(当直+オンコール+サビ残時間)を時給換算すると・・・「コンビニアルバイト以下」にほとんどの勤務医ドクターはなるよねえ・・・って話に行きつくわけです。
そしてもっとやばいのが「オンコール」システム。
当直医って、基本的に数百人患者が入院している病院でも「休日」とか「夜間」は一人ないしは数人の医者だけで回していることが多いです。でもその医者って例えば「消化器内科」とかの専門のドクターなわけですよ。
そういった「消化器(いわゆる消化管)内科」のドクターがじゃあ「心筋梗塞(AMI)」のような「循環器内科」的な疾患の診断はできても治療ができるかと言えば・・・答えは「NO」です。専門的な治療が必要になる。そういったときに、病院からその科のオンコール当番に「コール」して、「必要があれば」病院に治療のために問答無用で招集される制度が「オンコールシステム」です。「呼ばれなかったら」お金は出ないことに加えて、夜中だろうが何だろうが「病院から電話かかってくるかも」に常に意識して過ごす必要があるわけです。必要があれば夜中の3時だろうが出勤して治療にあたる必要があるわけですよ(ちなみに出勤した場合、オンコール手当として数千円出ればいいくらいで、出ないところもあるらしい?)。当たり前だけど「オンコール日」は遠出もできません。夜だけでなく、「休日」も問答無用で「オンコール」日になるし、「年末年始」とかもなります。それでいて十分なお給金は無いし、翌日が平日であれば一睡もできなかろうとなんだろうと通常勤務が開始します。家族と出かける約束があろうと医者はキャンセル。子供がいくら泣きわめこうが「仕事」なので無理ってことで・・・。
そりゃあ病むわ・・・。って話で。
でも「ここまでしないと」回らないんですよね。現行の医療って。ここまでやって、ここまでギリギリで回して何とか「成立している」風に見せてるのが今の日本医療です。
私は医者になってからこれはジンクスがあるんですけど・・・毎年かつて研修医時代に世話になった指導医の先生または同期、後輩のうち必ず1人以上「死んでいます」。「過労死」だったり・・・「自殺」で。
そして大体それは・・・「闇に葬られ」「死んだことを隠される」事が多いのです。
若いころからずーーーーーーーーっと勉強して、タフに医者になってから働き続け、若いうちにある日突然朝起きてこない・・・。国にとっても貴重な労働資源である医師を使い捨てのように回すのはある意味で「損失」だと思うし、30後半~40代で亡くなると家族だったり、残された人たちが大変です。
家族として・・・残された側は・・・どうすればいいんでしょう?
この間も「医師3年目専攻医」が自殺しましたよね。アレは本当に「闇」。
でも我々は・・・「横に倣って進め」と医学部時代から教育されるので、レールから外れることを「極端に」恐れるのです。学生時代によーーーーく言われるのは「みんなと同じことをすれば受かるよ」ってセリフ。そういった・・・みんなではいジャンプ、といった大縄跳び飛んでる感覚を学生時代から養うわけです。若いととくに。だから・・・そういったド・ブラックな世界でも・・・飛び込まざるを得ない。だから死んでいくのです。今生きてる上の世代の人たちは「生存バイアス」バリバリかかってると思ってもらえれば・・・。
〇マジでヤバイ問題点
そして問題は、そういった「労働環境の悪化」に伴い、「医局をやめる」若手~中堅(指導医レベルの人も含む)がここ数年でめちゃんこ増えたなあと思うこと。
前々から「比較的忙しくない」科(とは言っても普通に見たらクソ忙しい)に3年目以降のDrが流れることは問題視されていましたが、今は「中堅以上のDr」も含めたドクターたちが「医局」やめて、クリニックの常勤医として雇用されたり、訪問診療ドクターになったり、いわゆる自身の人生の「QOL」を維持する傾向が強まったことです。あとは美容とかの自由診療へ流れるドクターがくっっっそ多い事。(悪い事とは思っていません、現行制度上人が抜けていくのは当然のことであると思っているので・・・。)
クリニックも、訪問医も、基本的には設備が「限られている」ので、「これはうちじゃ無理だな」って思ったら大きい病院に転送したり「救急車呼んでね」って言ったりします。それでヒトが足りてない人材不足の「大きい市中病院」に運び込まれて。だけどそこのドクターたちもカツカツの状況でそこにやってくる「高齢化の波」と「団塊世代が後期高齢者になる2025年問題」。益々「急性期病院」で働くドクターは流出していなくなるだろう・・・と思います。
残された我々若輩のドクターたちは、「指導医」にあたるドクターが居なくなったりとかすると・・・いわゆる「手技」の習熟が難しくなります。そうなると・・・そもそも「手技」が出来なくなってしまう。そうすると本来なら助けられたような患者も・・・助けられなくなってしまう。というかまず救急車の応需を断るようになるでしょう。医療崩壊は目の前に迫っているといっても過言じゃあないと思っています。というか既に起きてると思います。ただでさえギリギリなのにさらに「コロナパンチ」で益々崩壊が加速する・・・。
〇よく言われる「医学部定員増やしたじゃん」問題について
すごーく長くなってしまったので、次回の記事に移します。
でも今の医療って「やばくない?」ってことはこの記事だけでもある程度伝わったかな・・・と思います。
普通に、やばいと思っています。あと・・・最後に・・・。「結果」だけみて「あの時こうしてればよかった」と後ろ向きで「後医は名医」的な判断をする司法がものすごくコロナ禍以降増加した気がしていて、通常「訴訟」で負けないような案件でも「賠償」判決が出るようになっています。これマジでよくなくて・・・、益々医療従事者というか医者が現場から離れていってしまうって思っています。医者がいなけりゃ治療はできないわけで・・・。
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