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The binding of isaac(アイザックの伝説)というゲームとアイザック君の残酷な人生
2記事め書きました↓
知っていますか?「The binding of isaac(邦題タイトル:アイザックの伝説)」。
海外だとすごい認知度あるみたいですが、本邦だと微妙かも。
Steamで販売されており、Steam版だとタイトルが「The binding of isaac」なのですが、実はSwitch版も販売されており、そちらでは日本語化もされ邦題タイトルとして「アイザックの伝説」として販売されています。
今回は「どんなゲームなの?」って言う話と、「簡単な深掘り」をしようと思います。後半はネタバレあり!だと思います。
〇Biblethump(バイブルサンプ、びぶれちむぷ) ツイッチのスタンプ
なんすかこれって思うと思うのです。英語での意味だと、「常に聖書を持ち歩いているような熱心なキリスト教信者をちょっとバカにした意味合いも込めて呼ぶ」単語です。
実際大事なのはそこじゃあなくて・・・。動画配信サービスの一種である「Twitch」をご存じでしょうか?
Twitchは基本的に「ゲーム」だったり「雑談」であったり「Drawing」等含めいろんなジャンルの配信サイトです。Youtubeの生放送みたいなもんですね。それのゲーム特化版みたいな感じです。
視聴者は「スタンプ」を使うことができるのですが、その中に「Biblethump」というスタンプがあります。それがこれ↓
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実際エモートの名前として使われるというよりは、悲しいシーンであったり、配信者のミスでキャラが死んだり・・・とかいろいろなシーンで使われる汎用性の高いスタンプです。基本的にTwitchで誰でも、どの配信者に対しても使えるスタンプというのは何かしらの元ネタがあり・・・。
自分はこのスタンプの汎用性の高さと、この泣いてる子供?が何なのか気になって、元ネタを調べたら・・・「The binding of isaac」に行きついたのです。
この泣いている子は名前をIsaac(アイザック)と言い、5歳の男の子。ゲームの主人公のキャラクターです。次項でどんなゲームかを簡単ですが、書きます。
〇The binding of isaac
一口に、どんなゲームかでいうと、「ローグライク」に該当すると思います。
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1プレイ大体20~30分、長くかけても1時間かからないかくらい。もちろん即死んじゃったりもする場合もあるので、上記時間は「クリアまでの時間」と考えてください。
ゲームとしては、日本のゲームでいうと・・・「風来のシレン」と「ゼルダの伝説」を足して2で割ったようなゲームです。
Twitchのスタンプにあるように、アイザック君は常時涙を流しています。
その涙を「弾」として撃つのです。
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基本的には部屋の敵を一掃することで次の部屋が開きます。一部の部屋は鍵が無いと開かなかったり、シークレットルームと言う隠された部屋があります。
ターン制ではなく、リアルタイムに敵は襲ってくるので、その敵の攻撃をよけながら涙で攻撃して倒し、次の部屋へ移動する。そしてボス部屋に辿り着いたらそのボスを倒して、次の階層へと進んでいく・・・と言った形でストーリーが進んでいきます。
死んでしまったら、最初からやり直しですし、持ち物も全て没収されて1からやり直しになります。まあ結構難易度高めのローグライクゲームですね。
でも滅茶苦茶面白いんですよ。でも、めちゃんこ「汚くてグロい」。
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ステージのあちこちにはうんちが落ちてたり、そのうんちにハエがたかってたり(敵)。アイザック君の所得アイテムによっては攻撃方法が涙からしっこになったりします。
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アイザック君がその場にうんこするアイテムもあります(そのまんまThe poopってアイテム)。
敵も中々にグロテスクと汚くて・・・。ハエ、クモといった虫系モンスターの他、先天奇形児をモチーフにした敵が沢山なうえ、何らかの「内臓・臓器」をモチーフにした敵であったり、うんちの敵だったり、〇〇こ(女性の)が明らかにモチーフだろって敵もいたり・・・。とにかく汚くて、グロくてって感じのゲームです。そういう意味だと・・・凄く人を選ぶと思います。
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でも・・・「ストーリー」が重いんですよ。めちゃくちゃ重い。
簡単なストーリーは次項に書くとして・・・、このゲームはいわゆるパワーアップアイテムが沢山あります。それはそれは数えきれないほどで。
実際自分も100~200時間はプレイしたと思うのですが、まだ会えていないアイテムとかまだまだあります。まあそのうちの一つで、よくあるHPの最大値をあげるアイテムをあげてみると・・・。
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なんか、不安になりませんか?5歳のアイザック君が「ごはん!」って認識しているものに・・・不穏を感じませんか?喜んでアイザック君はこれ食べるんですよ。
〇簡単なストーリー
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アイザック君とお母さんは、丘の上にある小さな家に住んでいました。
母親は(狂信者レベルの)敬虔なクリスチャンで、ある日テレビでキリスト教のテレビを見ていました。その間アイザック君はおもちゃで遊んでいました。ふたり暮らしではありましたが、二人とも幸せな日々を送っていました。
しかし・・・ある日お母さんは「天からの声」を聞きます。「あなたの息子は罪を犯し、堕落してしまいました。彼を救ってあげる必要があります」と。
敬虔なキリスト教徒であるお母さんは言われるがままに、アイザックの服を全て脱がし、アイザックのおもちゃを全部捨て、部屋に監禁するようになります。その後再び天の声がし、母親は「アイザックを犠牲にせよ」と福音を聞くわけです。教信者レベルに敬虔なキリスト教徒の母は自身の息子さえ殺すことをためらうことなく、「主よ、分かりました」と言い・・・、台所で肉切り包丁を持ち出します。それをドアの隙間から見ていたアイザックは、お母さんが自分を殺しに来るとわかり、部屋中どこか逃げ場は無いか探し回ります。その末カーペットをめくったら、トラップドアを見つけました。
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その時・・・いよいよお母さんが包丁片手に部屋に入ってきたのです。しゃにむに言ってられる状況ではなくなったアイザック君は、そのトラップドアをこじ開け、飛び込むのです。飛び込んだ先は・・・はるか地下で、モンスターはびこる地下でした。アイザック君はその地下から脱出、そしてお母さんから逃れることができるのか・・・。といったストーリーです。
アイザック君は5歳の男の子。お母さんが「ヤバイ」人です。そのお母さんからと、謎の地下にはびこる「モンスター達」から逃げ、倒し、生き残るために戦うストーリー、がコンセプトとなっています。
〇旧版(Flash版)とリメイク版
このゲームは元々PCのFlash版としてリリースされました。その後DLCも発売され、発売し大人気となったことから、リメイク版が出ています。
どちらもスチームで購入できるほか、Switch版はSteamのリメイク版に該当します。
ポイントとしては、旧版の方がシンプルであることです。プレイしやすいかも。敵もそんなに強くないですし・・・。
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リメイク版は、ブラッシュアップされて全体的な難易度が向上しています。
敵の数やアイテムの数も旧版に比べると膨大になっており、総じてコンテンツ量がとんでもなく多いです。またストーリーの核心は、此方のリメイク版でしか真相にたどりつくことができません。また旧版でかゆいところに手が届かなった部分も修正されていたり、総じてプレイしやすいのはリメイク版かなと思います。曲とかに関しては、古参ファンからすると旧版の方がよいって評判ですが、私はどちらも好きです。
ちなみに私はどちらも100時間以上はプレイしましたが、今から始めるなら、リメイク版をお勧めします。
↓Flash版 500えん。DLCつきで755えん。セール時はもっと安いです。
↓現行版。1500円です。セール時はもっと安くなります。DLCつけると+2000円くらい?セール時を狙いましょう。
〇いい所:BGMが「イイ」
旧版ボスBGM↓
リメイク版ボスBGM↓
ボスBGMについては旧版の方が評判イイですけど、自分はどっちも好きです。
曲はホントに「イイ」のでぜひ・・・!
〇元ネタは「聖書」の「イサク」
見出しに限らず、殆どが聖書にまつわる内容が引用されています。
聖書のイサクについては引用で解説させていただきますが、私もキリスト教については専門でない他、他の聖書引用部分はネタバレにもなりますので、ここでの記載は割愛させていただきます。
神はアブラハムの子孫が星の数のようになると預言したが、アブラハムの妻サラは不妊の女であり、子を産まぬまま年老いて、二人とも諦め、そばめの子が約束の子であると考えていた。しかしある時神はアブラハムへの契約を再確認すると同時に、そばめの子ではなくサラから産まれる子供が跡取りであると知らせた。アブラハムはひれ伏したものの心の中ではあり得ないと笑い、1年後に再び告げられた際はサラも百歳のアブラハムと九十歳の自分との間に子供が出来るはずはないだろうと隠れて笑う。だが神は出来ると断言し、2人が笑ったことからその子の名をイサク(笑う、イツハーク)と名づけよと言った[1][2]。その言葉のとおりサラから子供が生まれ、アブラハムは神が言われたとおりイサクと名づける[3]。それからしばらく後、神はアブラハムの信仰を試そうとしてイサクを焼き尽くすささげものとして供えるよう求めた[4]。アブラハムはこれに従った。イサクも直前になって自分が犠牲であることを悟ったが抗わなかった。アブラハムがまさに息子を屠ろうとした時、神はアブラハムの信仰の確かさを知ってこれを止めた(イサクの燔祭)。
ここの「アブラハムの信仰を試そうとしてイサクを焼き尽くす捧げものとして供えるように求めた。アブラハムはこれに従った。イサクも直前になって自分が犠牲であることを悟ったが・・・」と言った部分が根本的なネタになっていると思います。
〇先に締めの言葉。以降ネタバレありなので!
製作者が、このゲームを中心に関連タイトルを発表しています。
やはり、製作者のエドモンド・マクミランさんのライフワークと言うか、いろいろと思うところがあっての作品なんだろうと思います。
後継作品に「The legend of bum-bo!」と言うものがありますが、Bumboというキャラはアイザックに出てきますし・・・スピンオフ?ちょっと違うか・・・。
総じて「The binding of isaac」を中心にエドモンド先生の作品は展開されています(前作のSuper meat boyの敵キャラとかもIsaacに出てくる)。
とても安い値段で、かつセール時にはもっと安く買えるゲームでもあり、熱中する程の面白さ、無限に遊べるローグライクなので、ぜひ興味があったら、プレイしてみてくださいね。
以下ネタバレを含みます。
以下ネタバレあり 考察と言うか、自分のアイザック君への気持ち。
〇ネタバレと簡単な考察(詳細な深掘りは別記事予定)
ネタバレ注意!!!!!!!!!!!!!
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アイザック君は、「死んでいます」。正史ルートではマジで死んでるっぽいです。いろんな人の解説とか考察を読む限りでもそう。並行世界とかすげえ複数の世界線が絡んでるっぽいので、あんまり詳しく掘り下げるとそれだけで1記事書けちゃうので今回は割愛するとして・・・。
アイザック君の家庭はとても複雑で・・・、まずアイザック君が生誕したときは、父親母親共に仲睦まじく、それなりに幸せな生活をしていたと描写があります。
しかし母親が先か・・・父親が先か・・・分かりかねるのですが(多分父の愚行が先?っぽい)、
母親は(恐らく確実に)精神を病み、精神科に通院しています。心のよりどころを求めて、キリスト教にのめりこむようになっていきます。
→ママの小銭入れをGETすると大量のピル(薬)が手に入るのはそのためと思われます。そしてママのピルケースをGETするとほぼ無限にピルが手に入るわけで。アイザック君は・・・それを飲んだりしてグッドステータスを獲得したりバッドステータスを獲得するようになるのです。
父親は、夜な夜なお酒を飲みに外出し(それとも他の女?)、そのための資金は母親が管理するお金から盗っていたわけです。そして毎晩のような「夫婦喧嘩」。アイザック君が原因だともとれるようなセリフが飛び交う日もあり・・・。アイザック君はそれを子供ながらに聞いてしまっていて、「パパとママがケンカしているのは自分のせいなんだ」って思い悩み泣いたりもします。父親は結局、家を出て行ってしまうのです(ストーリー冒頭で二人暮らしを強調されていたのはこれの示唆)。
→AAコインという、アルコール依存症の患者が「断酒」決意のもと持つコインがあります。ゲーム中で「パパのコイン」と言うアイテムがあるのですが、まんまAAコイン。つまり父親は少なくともアルコール依存症であったのは確実です。
まあ少なくとも確実に「両親の不仲」があったのです。それをアイザック君は気に病んで・・・。そりゃあ年端もいかない子じゃなくたって両親がガチ喧嘩してるとこは見たくないはずです。5歳の男の子にそんな光景を毎晩見せて・・・。ましてやそのケンカの原因が「アイザック君」にあるのだとして・・・それをアイザック君が「聞いている」わけですから・・・。
アイザック君は毎晩涙を流しながら、泣きながらおなかが痛くなり(過敏性腸症候群)、ストレスによる腹痛でうんうん唸りながら寝る日々を過ごします。
母親は宗教にかかりきりでかまってくれなくて。出てくるごはんとかも「腐ってたり」、「犬の餌」だったりするわけで。5歳のアイザック君にとってはそれが「普通」だと思ってたから、上記のHPアップアイテムがあんなビジュアルだったわけだと推測できるわけです。
それに母親は「アイザック君が父親に似ること」を極端に嫌ってた節があって、5歳のアイザック君に強制的に「女装」させたりして・・・。それを「ママのことは嫌いだけど、でも頼れる人はママしかいないからママに頼る」って言う悪循環もあり受け入れちゃうんですよね。
それで近所の子たちにもいじめられる。負のループですね・・・。
本格的な考察は、あまりにも長くなってしまうので別記事で別途書くとして・・・。
個人的にはこのENDINGが切なくて好きです。
「アイザック?何を描いているの?見せて。 見せなさいよ!!!」
「これが私の姿?私のことをそう思っているの?アイザック・・・!」
「ち、ちがうよママ・・・ただ・・・僕はただ・・・」
「私がどれだけあなたの為に・・・それでもあなたにとって私は・・・こう見えるのね・・・私のことをモンスターだって・・・そう思うのね・・・なら・・・本物のモンスターを見せてあげる・・・!!!!!!」
「いや、いや、やめてママ・・・お願い・・・」
「あなたはパパに・・・似てきたわね・・・見てられないわ・・・」
「(ママが神様に助けをひたすら求める声と叫び声)」
そしてアイザック君は過呼吸になりながら涙を流す・・・
・・・・・・・・。
キツ過ぎ。
いやキツイ。
虐待ですよこんなん・・・てかまあ既にネグレクトはしてるか・・・。こんな日々がアイザック君にとっては「日常」だったのか・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
こういう「機能不全家族」。多いと思うんですよ。表面上に出てないだけで・・・。もちろん表面上に出て子供に問題が出るってのは結構往々にあると思うんですけど・・・。
分かるんですよ、似たようなまではいかずとも、こういう関係の家で育ったから・・・。
「嫌い」だけど、頼れる人が「その人」しかいないから頼るんですよね。
そして・・・自我を持つ前に世話になっているから、無意識に「依存」するようになってしまう。嫌いだろうが「依存」しなければ生きていけないから・・・。
毎晩ケンカとか、親の顔うかがってびくびくするのとか・・・。
泣きながら寝るのとか・・・。辛いね・・・・・・・・・・。
長くなりましたし、つらくなったので考察はいったんおしまいとして・・・。
是非、プレイしてみてください。ゲームとしては無限に遊べる内容です。
そしてストーリーも・・・ぜひ味わってほしい・・・です。
つづきは↓