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【一日目】外資系コンサルが新型コロナに感染した働き方日記

昨日の朝起きたら、
なんだか喉が少しイガイガした。
ただの風邪だろうと思い、
そのまま一日働いた。

夜になった。
シャワーを浴びて、
寝る準備。
喉がまだ痛かったので、
乾燥しないようにとマスクをして寝た。

久々に夜中に目が覚める。
スリープモードで
白黒になったスマホの時間は
朝の4:12を示している。
無意識につばを飲み込んだらしい。
それと同時に喉元に激痛が走った。
まるで喉に雷が落ちたみたいだ。

「明日も仕事がある。」
だから生産性が落ちないように
早く寝ないと。
焦れば焦るほど、目が覚める。
「もしかしたら、コロナかもしれない。」
「まさか、自分が。」
この2つのフレーズが
互いに噛みつき合っている。

明らかな発熱は無かったので
最初はコロナを疑わなかったが、
オミクロン株という新種のコロナが
蔓延していることが気になる。

寝ること、つ
まり翌日の生産性を犠牲に、
Google検索。
「オミクロン コロナ 症状」
あー嫌な予感がする。
オミクロンは喉の痛みを
訴える患者が他のコロナ株
よりも多いらしい。

コロナではないかもしれない、
と思いつつたぶんそうであると
諦めがついた。

その日寝る前に掛けた
東京都のコロナ発熱コールセンターの
おばちゃんはすこしぶっきらぼうだった。
「軽症の方は検査難しいと思うよ。」
久々に体調を崩しているのに、
他人からかけられる最初の言葉がそれである。

今朝は大事なミーティングが
2つもあった。
一つは新しいプロジェクトの
キックオフ会議。
オフィスの代表が率いるチームで
アメリカチームと組んで進める
プロジェクトだ。
不安とともに、
久々の新しいプロジェクトに
「やってやるぞ」と意気込んでいた。
ミーティングだけ出て、
あとはPCR検査に行って
一日休むつもりだった。

自分のプロジェクトチームに
病欠の連絡を朝イチで入れた。
オフィス代表から、
その一分後に返信が来る。

「仕事のことはいいから、
たくさん休んで早く良くなりなさい。
良くなるまで仕事はしないこと。」 

人数が足りているとは言えない会社で
部下にそのようなサポートの言葉を
躊躇なく添えてくれるこの人は、
「この会社に入社してよかった」
と思わせてくれる代表的な一人だ。

一方でもう一つのプロジェクトは
様々な締切に追われ、
自分がミーティングに出ないことは
考えられなかった。
10時からのミーティングに出る。
夜にまたクライアントから
緊急の相談が来ている。
またミーティングを
セットアップしてしまった。

オフィス代表、ごめんなさい。
あなたの優しさを、
僕は上手に受け取りきれなかった。

PCR検査の結果は夜9時頃に電話でかかってきた。
受付の人が良さそうな姉御が結果を告げる。

「やっぱり、陽性でした。」

あー、かかってしまった。
体調は最高に優れない訳ではない。
ただし、喉の痛み、熱(37.5℃)、若干の咳と痰、
そしてどこの調子悪いか不明な倦怠感がある。

明日も僕がいないと回らない
プロジェクトがある。
体調は優れない。
クライアントは僕のサポートを待っている。
働くのか休むのかはっきりしない。

とりあえず風呂を追い焚きする。

夜10時過ぎ、
インドチームと最終確認すべき
事項についてミーティング。
疲れや体調不良からくるカオスというか、
「深夜モード」的な会話から
笑いが込み上げてくる。

やっと一日が終わった。

ミーティングが終わって、
濃厚接触者になりうる人に
謝罪の連絡をしたあと、
改めて風呂を追い焚きする。

温かい風呂が気持ちいい。
ここから出たくない。
湯船に浸かり、
シャワーを浴びて、
やっぱり湯船に戻る。

さて、寝ようか。
その前に会社の人から
コロナ感染について報告した
メールに返信は来ていないか確認する。
僕は、送り先を一人間違えたようだ。
まぁいい。

そういえば、
喉が乾燥するから
濡れたバスタオルを干さなきゃ。
洗濯機を急いで回す。

洗濯機を待っている間に体温を計ると
「38.5℃」
あー、かかってしまった。

風呂で温まった体だからなのか、
コロナだからなのか
高温の根本原因が掴めない。

とりあえず、
バスタオルが濡れたら干して寝よう。

明日は働けるのか、働かないのか。
明日考えることにしよう、
と自分を説得している。

#創作大賞

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