怒りはするが褒めない
社員が何かやらかしてしまった時に、怒ってしまう社長さんがいます。
中小企業の社長さんです。
もちろんその社員も自分がやらかしてしまったことは自覚しています。
だから謝ります。
社長はねちっこい人ではないので、いつまでもネチネチとは責めませんが、しかし社員の報告後、開口一番、怒声を浴びせます。
「ったく!お前は何やってんだ!」
社長さんの気持ちもわかります。
それに怒ることだって必要です。
何でもかんでも「いいよ、いいよ」と許してばかりいたら、社員にナメられますから。
でもこの社長さんには足らないところがありました。
それは「褒めない」ことです。
社員が手柄をあげても全く褒めないのです。
褒めないどころか「ま、そのくらい当たり前だけどね。」と、社員の士気を削ぐようなことをぽろっと言ってしまいます。
でも本人には悪気はないのです。
しかしそれがタチが悪い。
自覚なき「ぽろっ」は、社員の士気を少しずつこそぎ取っていきます。
まるで砂山の周りの砂を少しずつ抉るように。
気が付いたら砂山はザザーッと崩れ去るのです。
でも社長は気付きません。
それは生まれつきの資質なのです。
60をとうに過ぎた社長が今更変わることはあり得ません。
おかげで会社の業績はどんどん低迷していきます。
低迷している会社の社長さんがこれをご覧になっていたら、ぜひ自戒していただきたい限りです。
では社員が求めるものは一体何でしょうか。
ノルマを達成したから報奨金?
頑張ったから休みをたくさんあげる?
あぁ、もちろんそれも嬉しいかもしれません。
でもそれは癌になった時、「とりあえず薬で何とかしましょうか。」と言っているのと同じに過ぎません。
その場限りのごまかしでしかないのです。
なぜ癌になったか、そして癌自体を取り除かない限り、真の治癒はあり得ないのです。
とすれば、社長が社員に示す根本的治療とは一体何でしょうか。
それは「愛」です。
心からの愛です。
心からの「ありがとう。」です。
たった一言、心からの笑顔で「ありがとう。」と労ってくれれば、社員はそれで十分に嬉しいのです。
でも業績が落ちている会社の社長さんにはそれがない。
そりゃ無理もありません。
業績が落ちているのですから。
そんな生温いことを言っている場合ではないかもしれない。
でも振り返ればそれはもっと以前から始まっていたことだと思います。
業績が良かった頃からきっとそのような感じだったことでしょう。
そしてじわりじわりとまるで真綿で首を絞められるように、会社の業績が悪化していったのです。
「みんな、この苦しい時に一丸となって頑張ろう!」で、皆が本当に頑張ると思いますか?
「皆さんの夢の為に、何とか今を頑張って乗り切ろう!」などと言われて、社員の本音は果たしてどうでしょう。
社長、そういうことではないのです。
今、社長の根底に必要こと、それは「愛」です。
社長、たった一言でいいのです。
気恥ずかしいかもしれませんが、勇気を出してたった一言、「ありがとう。」と言ってくれれば、全ては丸く収まり、全てはうまく回りだすのです。
社長、今ならまだ間に合います。
今が最後のチャンスです。
チャンスに後ろ髪はないのです。
ピンチはチャンス。
今がまさにその時なのです。
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