美談のウラ

美談は味の濃い食べ物と同じです。
カレーを食べたらうまいとしか感じません。
あの濃い味にまずいも何もないのです。
つまりカレーの奥底に潜む隠し味なんて、本当の隠し味なのです。
美談は麻薬です。
あっという間に人の心に染みて、疑うことを麻痺させます。
むしろそんなことを疑うなんて人としてどうかしているなどと思う始末。
しかしそれは人間の奥底にあるドス黒さをあまりにも軽視しています。
あなたは知らないだけなのです。
人のドス黒さを。
あなたの周りはよほど素直な人が多いか、もしくはあなたがそのドス黒さに気付いていないだけの幸せ者でしょう。
これは頭の訓練であり、人の情緒を読み取る訓練なのです。
それができないとあなたは他人から容易にコントロールされてしまいます。
だから私は常に言っています。
とにかく人を疑えと。
悲しいことではありません。
ぜひこのことだけは覚えておいてください。
私はあなたを救いたいのです。
あなたにだけは不幸になってほしくない。
だからこうして美しく助言するのです。

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