ボランティア
俺は勝手に掃除をする。
休みの日にほうきとちりとりを持って、勝手に外を掃除しているのだ。
別に俺はボランティアでやっているつもりはないし、人様から「立派だわぁ。」などと言われたくてやっているわけでもない。
それどころか、むしろボランティアなどには全く興味がない。
ではなぜ俺は掃除をするのか。
それは単に俺にとっての暇つぶしであった。
多少、掃除することで気が晴れるところもあったが、でもそれは目的ではない。
散歩をするついでに、手持ち無沙汰だから、ほうきとちりとりを持って掃除をしてみるだけの話だ。
人はそんな俺を変な奴だという。
「それは何の為?」と聞いてくる。
いや、そこには意味はないのだ。
ただ掃きたいから掃いているだけ。
でもそれが人の目には奇異に映るらしい。
人は意味のわからないことが不思議らしい。
意味がないと困惑するらしい。
そんなに意味が必要なのか?
確かに奇異の感覚はわかる。
人がやらないようなことをやっているんだもんな。
それは気になるだろう。
でもそんなに騒ぎ立てることか?
君が一日に何十回もくしゃみをすることの方が、俺にはよほど奇異に映るよ。
「そんなに空気が悪いかい?」って。
まぁ、互いに奇異の感覚が違うってだけのことだな。
それにしても人は勝手に俺のことを「いい人」だと思っているようだ。
街を綺麗にしてくれるいい人。
俺は思う。
「何だかよくわからん感覚の奴らだ。」
そして俺は今日もほうきとちりとりを持って掃除をしながら、彼らを奇異の目で見つめている。
#掃除 #ほうき #ちりとり #街 #俺 #生活 #日記 #コラム #エッセイ #エッセー #写真 #イラスト #小説 #漫画 #エアーマン #ノート #人生
いいなと思ったら応援しよう!
