世界が終わる

例えば世界が終わることがわかると、胸が高鳴ります。
それは皆等しく死ぬからです。
金持ちの奴も貧乏な自分も、皆等しく死んで終わるからです。
金持ちの奴はこの世に未練を残し、貧乏な奴は「ざまぁみやがれ！」と喝采の中、死んでゆくのです。
不謹慎ではありますが、すべからく人はその終末の幸福を心の奥底にたゆたえているのです。
あなたも子供の頃に思ったことでしょう。
「あはは！よしこちゃん転んだー！あはははは！」
無邪気ですが、そこにはよしこちゃんの終末を喜び勇んでいたあなたがいたのです。
救急車が来ると、途端に胸が騒ぎ、道を譲ることにこの上もない喜びを感じる人がいます。
これもまた終末を喜び勇む心理です。
非常事態に胸が躍るのです。
それはその先には終末が見えるから。
今、人生に何の喜びも見出せない方、そんな方は自分の中に終末を迎えれば、さぞかし満ち足りた人生が送れるでしょう。
つまりは自分を追い込むということです。
どん底に落ちれば、それはあなたにとって無上の喜びになること間違いありません。　
あとは這い上がるのみなのですから。

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