今回の振り返り&裏話「City at war With VOICEROID」
どうも。ゆう太郎です。
今回は、今年のソフトウェアトーク新春アクション祭に投稿した動画
「City at war With VOICEROID」の振り返り&裏話となります。
今回のパロディ元「The Punisher」
今作の制作にあたっての原案となったのは、カプコンの「パニッシャー」というベルトスクロールアクション。
こちらは有名なアメコミ出版社「Marvel」社の同名アメコミのゲーム化で、全ての悪人は皆殺しにするとかいうどシンプルかつ過激なダークヒーロー。
しかもその理由は最愛の家族全てを犠牲にしたギャングへの復讐という物。(元々は温かな家庭人だった。ちなみに、妻子を失う前からある種の異常者と解釈するライターさんも。家族の存在が彼の狂気を抑えていたのか…?)
そのためか今作の物語はダークではあるものの、非常に単純。各地の悪をブチ殺し、全ての元凶「キングピン」に復讐する。以上。
この単純明快なシナリオとベルトスクロールアクションとしての難易度の低さがもはやマリアージュ。
パニッシャーがヤケクソ気味に高性能故にザコに対しても無双できるうえ、ボスの大半はハメが効く有り様。加えて回復アイテム持ち越しなどの救済措置もあるわ、特定の敵がいると移行する「ガンモード」が異常に強いわ…と、基本スペックだけでこの有り様。儲かるのこれ?
ともかく、こうしたゲームデザインが根強い人気を獲得しています。マヴカプコレクションにて移植が決まった際には、多くのベルスク好きが狂喜乱舞
したでしょう。
という訳で「パニッシャー移植記念」として今作のパロディ動画を作るに至りました。オープニングシーンや予告動画はパニッシャーのデモ画面そのものです。
シナリオ制作で元ネタから抽出したテーマは「悪・即・斬」「命」の2種。そこに今までの作品で培ったロボットSFな世界観を織り交ぜていきました。
この2つを軸に、シナリオについての話をしていきましょう。
シナリオ振り返り&裏設定
悪役周りと「悪・即・斬」
シナリオ制作でまず悩んだのは「悪・即・斬」的思想を取り入れるか否かでした。創作に人殺し自体はありふれているでしょうが、それらを「結月ゆかり」にやらせるという事そのものがまず不安でした。
危害を及ぼす未来しか見えないモンスターや動物ならまだしも、多くの人に愛される存在が悪事に手を染めるようなシナリオは色々とマズい…。
それでも「あくまでパニッシャーのパロディだから」ということで、ボス敵であるテロリスト達の殺害は決定。
テロリストの方も悪辣かつ強大な存在として、できる限りド外道として描写しています。「機械や魔物を洗脳によって使役し、自分たちは手を汚さない」という基本スタイルが代表例でしょうか。また動画では描写してませんが、ゆかりが来るまでは幾多の男女を奴隷にして弄んでいたとか…。
また、彼らの悪事は凄惨でありながら国家では手を出せないレベルの軍事力を有しているために、かつての国家事業で活躍したボイロ達に白羽の矢が立った…という経緯で、ゆかり達が出動する事になっています。
ここの設定は動画内にないものの、noteに投稿したバックストーリーで詳しく描写しています。割と容赦ないので要注意。
「生命」周りとSF要素
続いて「生命」周り。まず、「命」が一つのテーマです。
パニッシャーはあのゲームで大体300人前後の犯罪者をぶっ殺しているヤベー奴なので、アンチテーゼとして突っ込ませてもらいました。(エンディングまでやり切ると、大体はそれくらいの敵を倒す=殺すことになる。)
まず、描写としては明確に「生きるか死ぬかの戦い」であることを明言していますね。それも序盤に。
「・・・分かっています。絶対に生きて帰ってみせますからね。」
自分の好きなロボットSFである「ロックマン」は、割とそういうテーマが強くあるので、リスペクトがてらぶち込ませて頂きました。
それらに連なるネタとして、ロボット三原則にまつわる要素も入れておきました。ロボット三原則というのは、SF小説家「アイザック・アシモフ」氏が自身の作品に取り入れた3つのルールのこと。
このルールはSF作品どころかロボット工学そのものに大きな影響を与えているというもの。ロックマンシリーズでもその原則に基づいた展開が見られ、描かれています。(ロックマン7 エンディング等)
なんというか…「作られた故の悲しみ」みたいなのを描きたかったんです。人間の役に立つために作られたからこそ、誰かから作られたルールを押し付けられ、従わざるを得ない…みたいな。(人間でもそういう所はあるか?)
けれどもそれらは人々にとっての希望である。そういった「夢と現実」の対比になってくれればいいかな…な~んて。
「バックストーリー」について
今回では完全に初の試みとなる「バックストーリー」の執筆を行いました。動画本編が始まる前の時系列を切り取っています。
初めた動機としては、悪役周りの設定を補完するため。
動画内では悪役周りの描写が薄く、悪事の重みが少ないのが悩みでした。
また、ボイロでSF的な創作を行うにあたり設定を盛り込んでおりまして、
それらのお披露目の場としての意味も持ちます。
そのために冒頭に新規登場人物の紹介や用語解説を行ったりした結果、全部まとめて13,126文字!長い!
正直今までに書いたnote記事の中では最高峰です。読みづらくならないことを祈る…。
お色気シーンや暴力表現の数々は「ニンジャスレイヤー」の影響が少し現れています。
第一部のどっかにヴィランの「ラオモト・カン」が女体盛りを楽しむ描写があり、そこを思い浮かべながら書いていためでしょうか。
また、悪役の悪事の描写は「ぼぼぼ鯖」というボイロ動画投稿者のDiscordサーバーからちょっとネタを募りました。
そしたら出てくるアイデアの数々が、まぁえげつない事この上ない。
ここでは省略させていただきますが、まだまだ悪役関連の引き出しが少ないなぁ~と感じさせる内容でした。
悪事の描写が分かりやすい欲求に偏りがちなのかなぁ。(金・食・色気)
また、ラストの方では私の好きなカップリング「ゆかマス」成分が入っています。これまでの動画で描いていたのもそうですが、ここで描かれた出来事を用いて、新たなステージに進ませたいと思っています。
具体的にはコッショリな方向性で…。
完成したのでリンクを貼っておきます。
R-18なので、子供は見ちゃダメだよ!
何でオークがいるんですか?(設定解説)
そういえば動画後半でオークが登場していましたね。
初っ端から銃撃で何も行動出来なかった人たち。
「何でSFなのにファンタジーのモンスターがいるんですか?」
そう思った方もいると思いますので、ここに設定を書いときます。
「魔物」
世界各国で伝えられている、人知を超えた生物の伝説そのものの総称。
かつておきた大戦争では、ある国が優れた科学技術のアピールとして開発し、実戦投入されたという。
現在生き残っている魔物はその戦争の生き残りであり、それぞれの能力を活かして人間やロボットと共生している。
肉体の仕組みやエネルギー源はその個体によって千差万別であり、それによって生き方が限定されている個体も存在する。
オーク
邪悪な勢力によって使われるという、豚のような顔をした一般兵。
最初は理性なき凶暴な性格で、まさに「人形の化け物」として作られる予定だったが、制御の手間や人道問題から人間同様の精神を持つに至った。
あくまで一般兵として作られたがために数が一番多く、魔物といえば大抵の人々は彼らが思い浮かぶようだ。
肉体の仕組みは人間とほぼ同様で雑食性。人間が食えるものはオークも食える。ただし豚肉は苦手。
性別における「メス」のオークがいないため、多くは人間と関係を持つことが多い。今回戦闘に参加したオークも、実は家庭持ち。
その他細かな小ネタ
タイトル元ネタ
今回のタイトルの元ネタは、パニッシャーと同じくベルスクのキャラゲーで有名な「ミュータント・タートルズ」シリーズの原作アメコミの"City at War"編からまんま取らせていただきました。
「ミュータント・タートルズ」自体は元がアメコミで、しかも自費出版。
日本で言う「同人誌」として作品が出発したそうなんです。
それらが高い人気を呼んでシリーズ化。そこからアニメやゲームに派生していきました。
"City at War"編はその原作アメコミでの「第一部最終章」に当たる回で、
悪の組織「フット団」とヒーローチーム「ミュータントタートルズ」の終わりなき復讐の連鎖に決着を付ける…というもの。
こちらの章はまだ日本語されていない…っていうか、現在刊行されている原作の日本語訳「クラシックコレクション」が3巻でストップしており、他の新シリーズを頑張っている状況。
これらの情報もDeppL翻訳片手に海外Wikiにお邪魔して情報を摂取してきたことで獲得してきました。
フェーズシックス出版さーーーーーーん!続き作ってーーーーーー!
で、ここからが本題。何でこのタイトルをつけたのかと言えば…
①「近代的なタイトル」「洋画リスペクト」「アメコミ意識」で脳内引き出しからアイデアを探す。
②"City at War"がヒット。
③タートルズオマージュだ!ブチ込め!
以上。こんな紛らわしいオマージュがあるか!(ぶっちゃけただの借用。)
一応TMNTもその他様々なアメコミの元ネタがあるようで、その元ネタから作品を膨らましていった経緯があるようです。(例えばフット団は、マーベルのヒーロー「デアデビル」の宿敵である忍者組織「ザ・ハンド」が元ネタ。)
だが私の今回の行動は明らかな借用である。ニコロデオンさん・フェーズシックス出版さんすみませんでした!!
もっと詳しく「洋画リスペクト」
先ほど「洋画リスペクト」という話があったので、そちらについても一筆書かせていただきます。
今回「パニッシャー」のパロディ動画という事もあって「じゃあ映画みたいな感じにしたい。」と思っていました。
じゃあ映画的って何だよ?って事なんですが、作者は「カメラワークやカットを活かした演出」みたいなのを考えています。実際、最序盤でそれっぽいシーンを入れていました。
が。これがあまり長続きせず…。後半からはすっかり忘れて、ゲーム的な作風に変化していきました。
唯一残っているのは、最終盤のスタッフロールでしょうか。
ここのクレジット名は、洋画での使われ方をモチーフにしています。
「Written by…(脚本)」とか「Based on the…(原作)」とか。
はっきり言ってこれくらいしかないです。
バトルアクション面
バトルアクション関係では、新たな要素を2つほど取り入れています。
具体的には「ゲーム的な演出」とパニッシャーの象徴たる「ガンモード」を取り入れた射撃戦となります。
「ゲーム的な演出」に関しては、ボス戦に体力があったり、デモシーンで、「DEMONSTRATION」なる文言を入れたり、そもそもアクションがベルスクそのものだったり…といった感じ。
特に苦労したのは、ボス戦の体力周りでした。
ボスに体力を取り入れるのはゲーム的設定としてはいいとしても、自前で攻撃力や体力の設定を作り、実際に計算しながらボスの体力を反映させていきました。
辛いよ…普通のゲームならコンピューターが一瞬で終わらせてくれる作業を人力でやるのはキツイよ…!ヒューマンエラー起こしちゃうよ…!
と言いつつ、水面下で製作していたゲーム的な性能設定はこれからも続けるつもりです。もう〇〇はパワー型とかそういうのが出来上がっちゃった。
これからもバトルものを作る際、これらの仕様は継続させていく予定。
続いてもう一つの要素。ガンモードのお話ですね。
パニッシャーの「ガンモード」は、特定条件で発動出来る戦闘モードで、ボタン連打でハンドガンを連射するというもの。
これが弾数無限・高威力・半自動照準とクソ強力であり、使えば周りのザコがあっさりと死んでいくレベル。
この最強級の強力なアクションを取り入れたはいいものの、色々とやらかしの方が目立った結果になってしまいました。
そもそも登場が後半
ボス相手に使わせた結果一瞬で体力の半分が消し飛ぶ。その結果ラストバトルが非常にあっけなく終わってしまう。
以上。2つ目に関しては面白くするどころかつまらなくしてんじゃねぇか。
ここらへんに関してはもうちょっと練り込んだ方が良かったですね。チート能力は縛らないと面白みが無くなる奴だ。
「圧倒的な力ってのは、つまらないもんだ。」
この言葉を思い出す展開でした。
総評
振り返ってみれば、作品が進むたびにゲーム的な要素が強まっていったように思います。元がゲームだから…というのもあるのでしょうが、徐々に「パニッシャー」のパロディからかけ離れて、私の作家性が漏れ出ていく感じがしましたね。
SF的な設定だったり、ゆかマスだったり、ゲームっぽさがあったり…。
正直「どうしてこうなった」感がある内容でした。
…ま、面白ければいいよね!頼むから面白くあってくれ…。
という訳で、今回はコレで終わりといたしましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
…っと思ったら大間違いだ!
【おまけ】「電磁英雄VOICEROID」って?
今作のタイトルには「電磁英雄VOICEROID」という文言があります。
こちらは当初製作する予定だったバトルボイスロイドシリーズのタイトル名です。
バトルボイスロイド製作初期に現在とは大きく異なる設定で製作していたのですが、製作に詰まって凍結していました。
以前と技術が積み上がった今なら行けるんじゃないか!?と思い、改めて製作を行おうと考えています。
シナリオは今回同様ロボットSF。全1クール13話。ボイボ寮のキャラ達を交えたヒーローものチックな作風にすることを予定しております。
投稿はゲーム実況と同時製作なのでかな~りローペースになるかと思いますが、ご了承ください…。
という訳で、今度こそこのnoteはおしまい!
最後まで読んでくださり、ありがとうございました!