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優秀な人材の流出
こんにちわTAKAです。
先日、元いた会社の上司と辞める事を決めている元同僚と、3人で食事に行った。久々に会ったメンバー。
上司「TAKA、俺、部署異動で、外されたわ・・」
TAKA「え?その異動、希望じゃなかったんですか?」
上司「違うよ。むしろ拒否してたし。手柄全部持って行かれた・・」
スタートから、絶句だった・・。
その方は、改革派の人で、出世コースの中途採用で入社。
それまでうだつの上がらない部署組織の内部改革に徹し、見事、売上を年々更新させた立役者の1人。
嫌われ役を買って出て、これまで会社にいなかったロジカルな方で、多くのメンバーと摩擦も起きたことも1度や2度ではない。
かつて私も衝突したこともあったし、納得のいかない処遇を取られた事もあったが、それでもそれは、前向きな衝突。仕事の話を真剣に出来る数少ない1人だった。周りは仲が悪いだの何だの噂を流して喜んでいたが、我々2人は、そんな感じではなく、いたってごく普通の上司と部下の関係であった。
その上司は、数年かけて内部から組織を改革し、営業という部分では、同席した元同僚や売上を上げるメンバー、私は辞めるまで、役割を全うし引っ張ってきた。私が辞めたり、他の営業トップ組が辞めたり、元同僚が辞める予定だったり、紆余曲折はありながらも、ようやく構想が形になり始め、これからさらに華が大きく咲こうとしている段階での異動命令。
しかも関西から離れることになり、部署からおさらば。
恐ろしい組織。
その上司が中心となり創り上げてきたシステムを自分の手柄として上司の上席が持って行き、自分だけが昇格し、その上司の存在感が強くなり始めたところで、他部署へ異動させた。
そして、そのクソ上席の周りには、イエスマンだけを配置し、守備陣形を取った。書いてるだけで、胸糞悪い話だ。
辞めた組織とはいえ、私も属していた会社。
手に取るようにわかるその動きと心情に、腹立たしく、怒りを覚えた。
ただ・・・
組織とは、こんなものである。
大手企業が悪いという訳ではない。そこには、働ける安心感やブランドを使った仕事ができ、莫大な資本力で、個人では出来ないような仕事が出来る。
ただし、自分の未来に選択権はない。
大手には、伝家の宝刀『辞令』がある。
これには、逆らえない。今は、事前ヒアリング等ある企業も増えているが、
とはいえ、ほぼほぼ関係ない。
辞令が下れば、従うのみ。
それだけならまだ納得だが、今回のように、全ての手柄を持って行かれる事に拒否も弁明もできない。
何とも言えないこれが現実・・。
その上司も私たちと同様に辞めていく。もう転職先を選定している。
この件を聞いて思った。
やはり、優秀な人材、出来る人材が辞めていく理由は、この2つと考える。
『報酬と権限』
①報酬
以前の若手が退職を考えるタイミングでも書いたが、報酬はとても大切。
何より、優秀な人材は、誰よりも仕事をして、誰よりも結果を出している。
これが、歩合給社員の場合は、納得いく報酬をもらいやすいが、歩合給でない場合、本社付けなどでは、固定給となる。この固定給の優秀な人材に対しての報酬は、歩合給社員よりも比重が重い。
ここは会社側がしっかりと評価し、差をつけなければならない。
この評価が、いつも間違えている。
評価は、本来、その人の仕事の成果、周囲、組織へ与えた影響でなされるべきだが、そこに、評価する側の派閥、スキ好み、今後の自身の出世などのほぼ本来の仕事には関係のない個人的解釈が影響し、優秀な人材に対して、報酬の出し渋りを実行する。
自分達の時代は、そんなにもらっていない。給与はそんなに簡単に上げられない。全体のバランスが・・。もっともらしいような言い訳を並べる。
自分の報酬よりも高い給与を持って帰ってほしいぐらいの気概ある人は、いないのだろうか。
今回も、もし、報酬が高ければ、退職までの話にはならなかっただろう。
➁権限
次にやってくるのが、権限である。
優秀な人材は、ステップアップしていくと、次に権限を欲してくる。
売上だけを上げる、組織を改編していく、となっても権限が委譲されない限り、不満へと変わってくる。ただの中間の立場で板挟みの状態になる事にストレスがたまるのだ。
多少の決裁権があったとしても、最終、自分より上席にいるメンバーの承認がなければ動けないのが組織だ。だからこそ、ファイナルアンサーの権限を委譲していかないといけない。
優秀な人材は、その権限をもらったことで、さらに力を発揮し、責任を持って業務を遂行する。
ところが・・。
その権限を手放したくない衝動に上役がかられるのだ。
フジテレビも似たような話だろう。権限を手放せば、自分達の仕事がなくなる。もっと言うと、居場所がなくなる。役職だけの出世にしか興味のなくなった者が上役にいる私が以前いた大手などは、まさにその典型だ。
だから、権限を手放さない。俺は何十年とかけてやっと手にした権限なのだ!お前ら等に簡単に渡すわけにはいかない!!という心情だろう。
だから、その存在を脅かすようなこの上司のような人材は、たとえ優秀であっても、取れるものさえ手に入れば、ポイ捨てされる。
残酷ではあるが、この事案はリアル社会で起きている。
世間的には印象の良い大手であっても、こういうケースはよくある事だ。
まぁ大手でなくても、中小でも同じではあるが。
優秀な人材が何故辞めていくのか・・
色々なところで、この題材はよく上がってくるが、少し違う観点で見てみるとご納得いただくこともあったのではないだろうか。
優秀な人材が何故やめていくのか、よりも、どうすれば優秀な人材は辞めないのか、に変換してみると、報酬と権限に行きつく。
どのタイミングでどこまでの権限を委譲するかは、会社規模、事業内容により決めればいいが、少なくとも、現在の上役が得てきたスピードよりも何年も前倒しで、委譲していく事が大切であると考える。
そうでなければ、会社はおもしろくならない。
今は時間の流れが格段に速くなっている。
モタモタして、自分の現在地にしがみ付き、既得権益の中に生き続ける上席がいる会社は、これから優秀な人材の流出の歯止めは効かなくなるだろう。
私も将来、既得権益の鎧を脱ぐタイミングを間違わないようにしたい。
それでは!!!