「CC"R"C」
「CCRC」(Continuing Care Retirement Community= 継続的なケア付きの高齢者たちの共同体)とは、仕事をリタイアした人が第二の人生を健康的に楽しむ街として米国から生まれた概念で、元気なうちに地方に移住し、必要な時に医療と介護のケアを受けて住み続けることができる場所を指します。
政府主催の有識者会議で「日本版CCRC」構想をまとめ、高齢者の地方移住を促すことで首都圏の人口集中の緩和と地方の活性化を目指しました。
しかし、誤解を恐れずに言えば、今現在、モデルとなるCCRCは日本のどこにも誕生していません。
数年前、いくつかの地方自治体さんと協議・検討を行いましたが、残念ながらどれも途中で自然消滅してしまいました。
以来、「ならば、他に成功例は出るか?」と、日本各地、期待してみていましたが、理想的なCCRCの誕生は未だ見られていません。
『何故、CCRC(地方移住)が盛り上がらないのか?』
(*"CCRC=地方移住"という訳では、決してありませんが)
厳しい言い方かも知れませんが、単純に
『そこ(地方)に行くメリットが無いから』
です。
CCRC構想を打ち出した自治体の多くが、わが町のアピールポイントに、
「自然が豊か」
「温泉」
「空き家の利用で住居費が安い」
などなどを挙げていました。
しかし、これでは日本中同じようなもので、他者との差別化にはなっていません。
"移住"ということは、"そこに住む・暮らす・生活する"ということです。
地方移住というからには、都会(都市圏)からの移住ということでしょう。
ということは、"都会の暮らしに慣れた人がターゲット"ということに必然的になります。
地方移住を考えている都市圏の人でも、恐らく多くの人が「都会の便利さはキープしたい」と思っています。
"都会の便利さ"とは、
・移動の便利さ
・通信の便利さ
・日常品購入の便利さ
は絶対です。
そして更に、
・医療の安全
・防災の安全
は当たり前に求められます。
つまり、これらが整わないところは、移住を考える際にやや慎重になる可能性があるということです。
逆に言えば、きちんと条件が整えば、豊かな自然環境やコスパなどで、町の魅力が都市圏を上回り一躍『選ばれる町』になることができるということです。
厳しいですが、
"できることをやる"
ではなく、
"求められることを実現する"
意志が必要かと思います。
CCRCは今の"高齢者(Retirement)"のためだけの施策では無いです。
時が経てば、今産まれたばかりの赤ちゃんも高齢者になります。
"Continuing Care"は、全ての人に当てはまるのです。
近い将来の自分達、そして、未来の子供達のためにも、
『本当のCC"R“C「Continuing Care "Real "Community」』(継続的に、人が安心・安全を感じながら、日々の営みを行う共同体)
を創りたいと思っています。
これからも、多くのいろいろな方々とお話しする機会を増やして、理想の町、理想のコミュニティを創れるように頑張ります!