低温火傷の恋 なな 終
ご無沙汰しています、しおひかりです。
ささやかな内容ですが、前回までのお話は以下にあります。
約2年、火傷とともに働いてきました。
わたしが密かに思っていた、あの人も元気です。
今日も一緒に働きました。
書いていなかったしばらくの間は、あの人を思って火傷したり、治ったりしていました。
しかし日が経つうち、仕事に忙殺され、すっかりその恋心も、火傷のような思いも、消えていました。
そんななか、今日、本当にひさしぶりに。ここに書こうと思ったきっかけ。
「俺、再婚するんだよね、今年」
聞いてないよ。なにそれ信じられない!
とか
なーんだ、さみしそうにしてたくせに、相手いるんじゃない
とか
好きな人、わたしじゃなかったんだ
とか
色々浮かびました。
口から出たのは
「あら、おめでとうございます モテる人は大変ですね」
という、ほぼ嫌味。
「一言多いんだよ」
と苦笑いしてましたね。
そうでもしないと、平静を装えませんでした。
わたしはあの人が好きだったんだ。
今も。
忘れたふりして、全くそんなことなかった。
見て見ぬふりしてただけだった。
火傷の跡がじりじり痛み始めました。まだ治っていなかったようです。
この3月で、わたしは異動します。
来年度からは、一緒に働けません。
異動先が仮決定したのも今日だったので、余計に痛みました。
以前わたしは、「これは恋ではない」と書いていました。
それは違いました。
これは、恋でした。
今までのわたしが知らなかった恋だった、というだけでした。
思えばあたたかい、けれどじりじりとした跡の残る、恋。
好いてはいけない相手ではないけど、大手を振って好きだと言える相手でもなかった。
密かに思うだけ。思うことで、自分ひとりだけでひとりじめしていた。
一緒に働けるだけでよかった。ほんとうにそれだけで。
でも異動で叶わなくなって、再婚でわたしのものではなくなって、やっぱりこれは恋だったのだと気付いた今日、
恋は終わりました。
今晩はたぶんちょっぴり泣きます。
そのあと、ちょっとだけ大人になってるといいなと、願います。
書き散らしでした。