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金の使い道 土曜日
私はわりと、モノにお金を使う。
自分が好きな服を着ていたいし、好きなカメラを持ち歩きたい。
家に帰ったら、好きな映画を見たいし、気が向いたら好きな本を読みたい。
特段高価でなくていい。
ただ、自分好みのモノを集めて、それに囲まれていたい。
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しかし、世の中にはそうでない人も多いらしい。
今日会った友人は、酒に金は使っても、服には金を使わないと言う。
経験・体験を金で買うということだろうか。
そういうことなら、わからないでもない。
楽しい思い出作りには、金がかかる。
今日の晩ごはんにだって多少の金がかかったが、それだけの価値があったと思える。
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別の友人は酒に大金を使うが、大抵記憶を飛ばし、翌日それを楽しそうに語っている。
これがなによりも一番、意味がわからない。
記憶が無いのに何が楽しいのだろう。
記憶を無くしたという事実が楽しいのだろうか。
具体的な記憶はないが、楽しかったという記憶だけは残っているということか。
私にはわからない。
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その友人から、記憶を無くしたエピソードを聞くたび、私は毎回問いかける。
「記憶、無くしたらもったいなくない?」
返事はだいたい同じ。
「いやいやいや」
ろくな答えが返ってきた試しがないが、だいたいいつも笑顔ではある。
本人が本当に心底楽しそうだから、べつにそれでいいのだが、体育会系の思考回路はどういう仕組みでできているのか気になってしまう。
少なくとも帰宅部の私とは、だいぶ違う作りになっていそうである。
とにかく、コストパフォーマンスが悪すぎる。
同じ金を払うなら、具体的な記憶だって手に入れたいし、無くしたものより、手に入れたものについて語りたい。
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いろいろ書いてしまったが、金の使い道は自由だ。
他人からすれば、似たようなカメラや、似たようなブーツ、似たようなデニムを買い漁る私のような男のほうが、よっぽど意味がわからないかもしれないし。
本人が幸せになる金の使い方をすれば、それでいい。
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ちなみに私は新しいパソコンが、少しだけほしいです。
今日の体重は64.5キロ。
ホルモン食った後だから仕方ない。
明日は部屋の掃除をします。