Vol.07 工場を「人」に変える…インフルエンサーの活かし方〜「クラフトツーリズム」持続可能な地方創生〜
【はじめのご挨拶】
*前回から読んで下さっている方は飛ばしてね!
ひつじサミット尾州の発起人/実行委員会代表の岩田真吾です🐑
2021年10月30日(土)〜31日(日)開催予定の「ひつじサミット尾州」というクラフトツーリズム・イベントのPRも兼ねて、
「クラフトツーリズム」持続可能な地方創生
〜ひつじサミット尾州の紡ぎ方〜
と題してnoteを10回連載します!
【連載目次】
01. クラフトツーリズムって何?ひつじサミット尾州のケース
02. 始まりはいつも誰かに想いを伝えるところから
03. 類は友を呼ぶ…実行委員会の作り方
04. 回り道をしながら繋がっていく…参加事業者の集め方
05. 夢を語ると助けてくれる人が現れる…協賛&協力者の集め方
06. 時流のどこに位置づけるか…メディアを仲間化する方法
07. 工場を「人」に変える…インフルエンサーの活かし方◀︎今回の記事
08. わかりやすさと奥深さの両立…デザインのチカラ
09. 堅い後援を入れることでしっかりと…コロナ対策
10. やって終わりにしない為に…レガシーの残し方
遊びに来てくれるゲストの皆さんにはイベントをより深く楽しめるように、他産地でクラフトツーリズムをやりたい/やっている方には事業の参考になるように、未来の自分たちにとっては甘酸っぱい思い出(笑)として…頑張って書こうと思いますので、背中を押す感じでぜひハートマークお願いします!
インフルエンサーってよく聞くけれど…
前回(Vol.06 時流のどこに位置づけるか)でも書いた通り、どんなに良いイベントを開催したとしても「知ってもらわなければ存在しないのと同じ」だと僕たちは考えました。
「どう伝えるか?」という議論の中で、メディアを通して拡散することは当然として、個人でも発信力を持っている人=インフルエンサーの活用もテーマに上がってきました。
でも、言うは易し、やるは難し…実行委員会メンバーの誰一人として、具体的に何をしたらインフルエンサーにひつじサミットのことを取り上げてもらえるのかがわかりません。しかも、なんか芸能界って素人が触れたら火傷するイメージもあって、恐れおののいていました(笑)
ただ、参加してくれるゲストや職人などの参加事業者が誇りに思えるのはどんな人か?どんな世代にどう伝えると響くのか?「ひつじサミット尾州」のイメージを託せるのはどんな人か?…悶々と議論だけは進めていました。
緊急事態宣言下でおうちでも楽しめるように…声優・戸松遥さん
そんな中、実行委員会で最初に話題に上がったのが『妖怪ウォッチ』天野ケータ役などでおなじみの人気声優・戸松遥さんでした。
まず、「なぜ声優さんなの?」と疑問に思うかもしれませんが、ひつじサミット尾州を「未来を紡ぐイベント」にするべく、若い世代にも知って欲しいと考えた為です。今、声優さんが若い世代を中心に抜群の知名度と人気があるというのは疑いのない所だと思います。
また、コロナのせいで、ひつじサミットに行きたくても行けない…という人の為に、「おうちからでも楽しめる仕掛けは作れないか?」という議論の中で、 WEBサイト上で聴覚を刺激する音声コンテンツも面白そうという案が出てきました。
そんな中、戸松遥さんが地元愛知県ご出身ということで、伝手を辿ってマネージャーさんと繋がることができたのです!すごい!
もちろん、芸能人に仕事をお願いする経験などありません。出せる予算はこんなくらいで、こんなことをやって欲しくて…拙いやり取りの中でオリジナル音声を収録して、オフィシャルWEBサイトで発信することに決まりました。
一流の声優さんに「メェメェ」とか「びしゅう!」とか、何パターンも言ってもらったのは、僕らくらいでしょう(笑)オフィシャルサイトのひつじマークやロゴマークをタップすると聴けるので、ぜひチェックしてみてください🐑
<↑こういうのがウェブ上に散りばめられています>
繊維産業やものづくりとは日頃接点の少ない、若い世代に身近に感じてもらえるきっかけになったと思います。
ファクトリーブランドのファッション性を発信…モデル・牧野紗弥さん
次に必要だと考えたのが「ファッション性」です。尾州はファッション衣料向けウール生地の産地なのですが、ファクトリーブランドと言うと「質は良いけどオシャレってわけではない」という一般的なイメージも。
せっかくひつじサミット尾州で多くの方に知ってもらうのであれば、「ファッションとしても楽しめる」ということをしっかりと伝えたい、僕らはそう考えました。
ただ、ファッションモデルさんもたくさんいらっしゃる中で、誰に頼むのがベストがわからない…アイデアはあってもなかなか進みませんでした。
そんな時、実行委員会メンバーの奥様のお友達(遠っw)が人気モデルの牧野紗弥さんと繋がりがあるということが判明したのです!
牧野さんは出身地である愛知県の地域貢献にも関心が高く、ひつじサミットの活動と想いに共感し、僕らのお願いを受けてくださいました。
さらに、牧野さんはモデルとして協力してくれるだけでなく、カメラマン・メイク・スタイリスト等に全く伝手がない私たちのために、一流の方々へ協力をお願いしてくださいました。
僕は一日まるっと撮影に同行したのですが、プロのワザに唸らせられっぱなし!ひつじサミット尾州は、一社単体ではなかなかお願いできない一流の方々と仕事を一緒にできる良い機会だなと改めて感じました。
過去と未来、親と子、使い手と作り手をつなぐ応援歌を…ラッパー・SEAMOさん
また、尾州出身で、お祖父様も繊維業で働いていたラッパーのSEAMOさんも、ずっと話題には上がっていました。
ただ、僕らは「インフルエンサーを目的にゲストに来てもらうのは、本来の目的からズレてしまう」と考えていたので、SEAMOさんとどのようにコラボレーションすれば良いのか、明確なアイデアはありませんでした。
そんな中、名古屋の友人がSEAMOさんのマネージャーを紹介してくれました。恐る恐るオンラインミーティングに臨むと「そうですね、確かにコロナの状況でライブをやるのはリスクも多いと思います。だったら、オリジナルソングを創るのはどうでしょうか?地域の為って言ったら、SEAMO本人もヤル気になると思いますよ。」と提案してくれたのです!
え?
オリジナルソング創るって、そんなノリでいけるの?
実行委員会のミーティングでみんなに相談すると、全会一致でGOサイン。オリジナルソング作成プロジェクトがスタートしたのです。
コンセプトは何?どんな歌詞にする?どんな曲調にする?初めての作業に戸惑いながらも、最後に立ち戻ったのはひつじサミット尾州自体に込めた想いでした。
<ひつじサミット尾州の企画書の最終ページ>
もともとポエムのようだった企画書の最終ページ(笑)このページをベースに、尾州産地の応援歌、完全オリジナルのひつじサミット尾州テーマソングが完成したのです。
どうやって回ったら良いの?…専門家による推奨ツアー
これまで紹介した3人のアンバサダー以外にも、
・ファッションブランドtactorデザイナーの山本奈由子さん
・ニットクリエイターのベルンド・ケストラーさん
・松屋銀座の木村麻里さん
に、実際に尾州産地を回っていただき、おすすめコースを作っていただいたりもしました。
ひつじサミットは37ヶ所77イベントの同時開催となる為、楽しみ方は無限大…その一方で、普通の方だと、スケジュール作りに悩んでしまうという課題がありました。その解決策として、ファッションのプロのチカラをお借りしたのです。
このように、ひつじサミット尾州では、一般の方に馴染みの薄い「工場」というものを親しく感じる「人」に置き換える…という文脈で、多くのインフルエンサーに協力してもらったのでした。
もちろん、数多くのフォロワーを持つインスタグラマーや流行りのYouTuberに集中投下する…と言った手法のほうがバズったかもしれませんが、「使い手と作り手を繋げる」というひつじサミット尾州の目的からすると、今回はとてもユニークで効果的な打ち手だったと自負しています🐑
皆さん、本当にありがとうございました!!
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さて、次回の「Vol.08 わかりやすさと奥深さの両立…デザインのチカラ」では、くるくるっと印象的なロゴマークがどのように出来たのか、ウェブ・ポスター・チラシ・グッズ全てに一貫性をもたせ、わかりやすいのに深いデザインのこだわりについて、お話しようと思います。