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中華そば たてしな

2024/03/15

訓練が必要だと思った。中に入ると、席はもう満席で、背の高い仕切りの厨房の奥から「いらっしゃい!」と店主の大きな顔がこちらをのぞいていた。

夫婦で営むラーメン屋さんなのかな…と思いながら、案内されて席に座った。

店主「ご注文は」
私「メニューは…どこですか?」
店内でラーメンを啜る周囲の人たちの目線を感じた。
”チャーシュー麺だろ…”というみんなの心の声が聞こえてくる気がした。

確かに、事前にGoogleで調べた時、口コミで”チャーシュー麺が美味しい””チャーシュー麺が有名”という声を確認済みだった。

店主が壁に貼り付けてあるメニューを指差す前に、「チャーシュー麺で!お願いします」と咄嗟に注文した。

こういうことがあって、混雑した狭い店内の端っこで、人の目を気にして、セルフの水も汲まずにキョロキョロしながらラーメンが出来上がるのを待った。1人うどんは高校生の時に何度か。1人ラーメンは初経験だった。今日は1人ラーメン挑戦記念日ということだ。そういうことを考えて思考に耽っている間に、奥さんの腕が目の前を横切り、いきなり私の前にチャーシュー麺が現れた。

チャーシュー麺

艶と湯気と、ぶりっぶりの肉厚チャーシューと香ばしい醤油の香りが私の毛穴に吸い込まれていく。コンタクトが曇りそうだ。熱々なチャーシュー麺が私を迎えてくれた。ありがとう店主と奥さん。私、心を込めて美味しくいただきます。

カウンターの上を見渡してもレンゲがなかった。まずはスープが飲みたいのに。
まっいっか!とチャーシュー、麺、メンマの順で食らっていく。
玉ねぎも歯応えがあって、シンプルなのに大きな具材も小さな具材も、一つ一つの具材がこのラーメンの主役となって活かされている。早くスープだけをいただきたい。最後はスープと刻み玉ねぎだけが残った器を両手で持ち上げて、豪快にスープを口の中いっぱいに注ぎ込んだ。
最後まで美味しい。
本当に最後まで幸せだった。

本当は物足りないくらいがいいのかもしれない。だがしかし、やっぱり我慢ができなくてチャーシュー丼を追加で注文した。気分が上がっているので、やっとセルフの水を汲みに行き、ほっと一息ついた。
チャーシュー丼を待っている間、絶対にこの経験を記録したいと考えていた。こんなに美味しいチャーシュー麺は初めてだったから。ふと食べに行こうと考えていた一瞬で、ここまで最高なラーメンに巡り合えることになるとは思いもしなかった。私の一人ラーメン挑戦記念日は最高だった。
それと同時に訓練が必要だと思った。
・セルフ水汲みは最初のうちに
・メニューは事前に確認
・混雑している時は大きな声で注文
・追加の注文はラーメンを完食する前にすること

私が今回訪れたラーメン屋

中華そば たてしな
(茨城県 水戸市)

皆さんも、ぜひ!

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