RとTHができなくても英語は通じるが…

どうしたらRの発音ができるようになりますか?
「どうしたらTHの発音ができるようになりますか?」
というのは、英語学習者から常に寄せられる質問です。

RとTHの音を出すためのコツはいくつかあり、正しい方法を実践すれば誰でもできます。それなのに話しているうちに元に戻ってしまうのは、頭の中にカタカナが住み着いているからです。Rの音は日本語のラ行とは違います。THの音はスでもズでもダでもありません。まず頭の切り替えが必要です。

でも、RとTHができないせいで英語が通じないことはほとんどありません。イタリア語とスペイン語はLとRの違いがないので、これらの言葉を第一言語としている人たちは、どちらも同じように発音することがあります。それでも何を言っているかは理解されます。多少わかりにくくはなりますが、前後関係から推測すれば大きな間違いが発生することはありません。

逆に言うと、英語が通じない理由はRとTH以外のところにあるわけです。イタリアやスペインの人は自国語と英語の間に共通性が多いので、RとLを同じように発音しても、残りの部分が普通に理解してもらえれば、とりあえず「通じる」わけです。日本人が英語を話す時はそうは行きません。

「通じない」大きな原因は以下のとおりです。

①母音が間違っている、または聞こえない
②音程が平坦
③リズムが平坦
④強拍の音が弱い、または聞こえない
⑤鼻を使う子音が聞こえない

英語の母音は種類が多いので、アイウエオで覚えると発音も聞き取りも正しくできません。英語は辞書の発音記号どおりに全部の音を出すようにできてはいませんから、すべての音を同じ長さで出すとわかってもらえなくなります。辞書の発音記号には同じように出ていても、はっきり聞こえる音と、曖昧に聞こえると、全く聞こえない音があります。鼻を使って出すN、M、Ngなどの子音はとても強い音なので、ンやムのつもりで出すと聞こえなくなります。これは詳しく説明すると本が何冊か書ける程度の大きな問題です。

なので、RやTHだけ一生懸命練習しても、その前後がカタカナ音になっていたら「通じない」英語になります。単語のぶつ切りなら理解してもらえますが、長い話になるほど聞き手に負担を強いることになります。

わかりやすい英語を話すためには、音の流れを日本語とは違った感覚で把握することが必要です。そのためには、口の動かし方ではなく頭の使い方をまず変える必要があります。

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