不健康の連鎖
写真の七面鳥は、Woodstock Animal Sanctuaryという、虐待された家畜の保護施設に収容されています。この身体の丸さと大きさは自然ではなく、肉がたくさん採れるように品種改良されたものです。七面鳥の身体には脂肪はほとんどないのですが、その割に締まった印象はありません。どうも不自然に大きな体格をしています。
アメリカの田舎には野生の七面鳥がたくさん歩いています。もっと小さいだけでなく、こんなに丸くありません。
食肉用の七面鳥が丸いのは、胸肉をたくさん採るためです。骨がない塊の部分が大きいと商品として加工しやすいのです。おかげで身体が重くて関節炎になることが多く、酷い場合は歩けなくなります。
鶏も同様に品種改良されているので、膨張した感じの締まりのない大きな体格をしています。食肉用の鶏は、闘鶏の二倍ぐらいの大きさがあります。
こういう不自然に大きく育てられた鳥を見ると、その肉を食べるのが健康に良いとは信じられません。家畜の餌や健康状態は肉質に影響し、その肉を食べた人間の状態にも影響するので、同じような体格になる可能性なら想像できますが。
うちには猫がいて、猫は肉食動物なのですが、こういう家畜の肉はあんまり食べさせたくありません。でも今のところ選択肢がないのです。
このように人工的に育てられた動物は健康障害や病気を抱えて寿命も短いのですが、生きている間は社会性もあって人にもよく懐き、同じ仲間を作ったり、このように人間に向かって羽を広げて存在感を示すこともあります。
人間が過食するために生き物を改造することは、最終的には誰のためにもなっていないわけです。
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