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医療者が聞きたいこと

医療の現場では、患者さんと医療者の間でコミュニケーションの行き違いが頻繁に発生します。患者さんが自身の症状や不安をうまく伝えられなかったり、医療者側がその意図を正しくくみ取れなかったりする場面をよく目にします。このようなコミュニケーションエラーは、双方にとってフラストレーションをもたらし、時には治療の質や信頼関係に悪影響を与えることもあります。

理想を言えば、医療者は患者さんの話にじっくりと耳を傾け、時間をかけてその本音や背景をくみ取るべきです。しかし、現実には時間的な制約があり、そうした余裕を持つことはなかなか難しいのが現状です。診察時間は限られており、特に忙しい医療機関では、一人ひとりの患者さんに十分な時間を割くことが難しいというジレンマがあります。これは多くの医療者が抱える悩みでもあります。

また、コミュニケーションは双方向のものであり、どちらか一方だけが理解しようと努力するのではなく、双方が相手に伝えようとする意思を持つことが重要です。医療者が一方的に尽くし、患者さんがそれを受け取るだけでは、患者さんが受け身になり、自分の健康管理に積極的に関与しづらくなります。そのため、患者さん自身も自分の症状や感情を伝える工夫が必要です。これは医療者が患者さんに求めることでもあり、共に健康を守るパートナーとしての関係を築くための第一歩です。

今回は、あえて患者様が「何を話したらいいのだろう?」という声がたびたび聞かれるので、こんなことを医療者は聞きたいですよという少し、差し出がましい内容で行きたいと思います。これで、少しでも双方のコミュニケーションがとりやすく、双方のフラストレーションが減少することを祈っています。

ずばり、医療者が本当に知りたいのは、「いつから、どこに、どのような症状が、どうするとあるのか?」といった具体的な情報です。身体的な症状だけでなく、それに伴う心理的な影響についても知りたいのです。

また、生活にどのような支障が出ているのか、それが日常生活にどの程度の悪影響を与えているのかも重要です。

例えば、
いつ     →1週間前から
どこに    →左の腰に
どのような  →ズキッと響くような
どうすると  →体を左にひねると痛い。
生活への影響 →家事や仕事が思うようにできない。

といった具体的な内容を伝えていただけると、医療者は治療方針を立てやすくなります。

しかし、自分のことを言葉にするということが案外難しい人は少なくありません。ですので、不明点や言葉にできないことがあれば無理に答えようとせず、「わからない」とおっしゃっていただいて構いません。

そこからは、医療者の腕の見せ所です!補足質問をして、必要な情報を一緒に整理していきますので、安心して率直な気持ちで話していただければと思います。

今回の記事は、あくまでも「何を話したらいいのだろう?」という疑問を少しでも解消し、コミュニケーションをとりやすくするためのものです。決して医療者が聞くことに対して手を抜いていいという話ではありません。何かの参考になれば幸いです。

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