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海の見える丘に、その墓標は建っていた。 王族でも貴族でもない男のものにしては、いささか大きすぎる墓だった。 家屋三階分はありそうな、塔の形をしている。 その姿は、さながら天に向かって突き上げられた剣のようだ。 低く重い歯車の音が、周囲に漏れ出てきている。 ごとり、ごとり。 規則的なその音は、墓の内部で恐ろしく複雑な機械仕掛けが作動していることを物語っていた。 墓標の基部には墓碑銘があり、中で眠る男の名が刻まれている。 特にどうということのない、王国に住む者な