(第9回)表現者クライテリオン岐阜同好会
第9回クライテリオン岐阜同好会記録
日時:令和6年4月13日
於:多治見市学びパーク
参加者による講義
題材「仏法の生命観 十界論から一念三千論まで」
※ 以下 個人的に印象に残った部分や感想など
三悪道
自分の周囲やテレビなどのメディアで目にする人間は、畜生界、餓鬼界の表しているような人ばかりで、地獄界での苦しんでいるように映る。若者の自殺者が多いことも、こういう見方でも頷ける気がする。
修羅界
三悪道から外れているのは、怒りは正しく用いることで善へ導く力がある。藤井編集長が世の中の不義に対して怒りをあらわにして糾弾している姿はそれに当たると思う。
第六天の魔王→他化自在天 他の者が作り出したものを自由に享受する者
株主資本主義は実際に何もしていないのだが、利益だけを貪る。第六天の魔王。
二乗
二乗の限界→専門家(大衆人)
宗教が宗派に細分化されていくのも、蛸壺に入って周りを見られない状態、二乗の限界があるからなのではないか。
仏界
広く伝えていく役割
菩薩界
他人を顧みることのない悪人でさえ自分の妻子を慈愛するように、人界 の生命には本来、菩薩界がそなわっている。
人間は本来、善を求める能力がある。その部分を正しく守り育てていくのか。ここも宗教の役割であり求められるものだろうか。
十界互具
たとえ仏界に至ったとしても、それで人生あがりではなく、その心には地獄界の苦しみは消えない。
十如是
主体(自覚していないものも含め)に縁が働きかけ、報が現れる。それがまたぐるぐると回っていく。
過去世・現在世・未来世
信仰の目的の一つ 宿業→宿命転換
人間は過去世を受けて現在世に産まれて来る。毒親の元に生まれてしまったのは過去にその因果があったから。我々が絶望に満ちた日本に生まれてきたのもその過去世があるのか。自分の境遇を悲観して、過去世を呪うのだけではなく、今の現在世でその過去をどれだけ断ち切れるのか。宗教はそこを問いている。
信心即生活
凡夫であっても各々がなすべきことを果たす役割を持っている。
信行学
この3つ回して行うことがないとだめ。
R6年クライテリオン3月号の感想など
特集インフラに関して
普通の生活の範囲は狭いので、道を意識することはあまりない。石川県へ行った際、高速道路を使ったが、まだ完成していない区間があった。以前若いころに通った時とあまり変わっていない印象だった。高速道路のようなインフラは日頃は意識しないが、遠出すると気が付く。民主党政権のコンクリートから人へのスローガンを聞いて、その頃は正しいと思ったが、本当にそうだったのかと今は疑問に思っている。その頃は土建屋という言葉に悪いイメージがあった。今思えば、立派な仕事だと感じている。
所謂土方をやっている人達について、学生時代は勉強できない人(真面目にしない)だったが、今は立派に社会に馴染んで働いている。現場で組織をまとめてる統率力、カリスマ性などは、ヤンキー気質の人は備わっているように感じる。
大石久和氏が言っているように、「インフラは次の世代へ贈り物」という考え方が大事。
座談会の中でハイデガーの引用が印象に残っている。環境と人間は相互に存在している。土木インフラを整える事で人間の生活を幸せにしていく。人間は幸福を追求する存在である。インフラに投資することが人間の幸せに結びつく。
自分は沖縄で1年暮らした経験がある。沖縄では田舎の方まで綺麗な道路整備されていた。自分の家の前の道は陥没している。沖縄のそれと違っており、沖縄なぜ道路があんなに綺麗なのかと不思議な感覚だった。
表現者クライテリオンについて(同好会活動も含め)
全体的に共感できるが、実際に運動しないと社会は変わらないのではないか。とても良いことが書いているがこれでは机上の空論で終わってしまう気がする。
拡がり方が遅い。後継者問題をどう考えているのか。もっと組織化した方がいいのではないか。もっと入りやすい様な形を考える必要があるのでは?
クライテリオンは保守思想誌というものなので、大きな運動、行動を喚起するというよりも、読者の自身の思想に訴える、働きかける媒体だと考えている。政治組織というようなものを目指すのではなく、思想を深めるもの。各々の物事への向き合い方を問いていくもの。そうした中から、身に回りの社会に対して自分事として自らが行動していく人が増えていくことが最終的には大事ではないかと考えている。この同好会の活動はそうした読者の集いの場であり、運動の場ではなく、自分自身を確認する場だと思っている。
人の意識どう変えていくのか。
人の目を向けさせるにはどうしたらいいのか。
みんなの意識が変わらないままでは選挙に行く人は増えていかない。
地道な活動が一番大事。
国民の意識レベルを上げる事。人々の意識を啓発すること。
その他
沖縄で生活してみて、とても保守的な土地だった。土地の人々の結びつきはとても強く、本土人の自分には冷たい印象を受けた。フレンドリーなのは観光イメージだけだと感じた。観光で滞在することと、その場で生活をすることは違う。
英語教育について 以前は英語ペラペラになって世界に羽ばたくことが大事だと思っていた。しかし今はそれがなんとなく現実と合っていないと感じている。人間の人生、現実はそんな軽いものではないと思う。PTAへ入らない世帯、子供会が無くなった地域もある。それではいけないと思って自分はPTAの協力をしようと少し活動している。妻にはなんで?という顔をされながらも…
急激な変化は怖い。保守思想は急激な変化ではないと考えている。
民衆の中でのニヒリズムが一番の敵。藤井編集長はこれを常に訴えかけていると感じる。
保守について 自分を知ることが先ず必要だと思う。それがなければ、自分は一体何を守るべき存在なのかも定まらない。それで表層だけの伝統を保守したとしても、思想まではたどり着かないと思う。己を知る事、自分が何者なのかを知る事を深めることで、自分の軸も見定まってくるはず。それができると、自分にとって何が必要なのかが見え
てくるので、必要以上に周りに振り回されなくなると思う。
クライテリオンに行き着いたきっかけ
MMTについて調べていうちに繋がった。今では母親があるがままラジオの大ファンになっている。
新型コロナ感染症が流行し、これは何か変だと感じるようになり、調べているうちに繋がった。
参加しての感想
また参加させて頂きたく思っています。
仏法について特別深い知見はなく、表層的なお話になりましたが、仏法ではどのように生命を観ているかについての内容ですが、インフラ等様々な意見にまで広がり有意義な議論となったと感じております。参加者の皆様ありがとうございました。