第十一話 魔法界への贈り物
「あのさ・・・」
ある日、スピカがパフェに話しかけました。
「スピカちゃん、何?」
「マフィンの作り方、教えて!!」
スピカは言いました。
「ここに来たのは、魔法学校の課題なの。『魔法使いのもとで修業し、学んだことをまとめる』って言うね・・・だから、発表会で言わないといけないのに、私、何も学んでない!だから・・・お願い!」
スピカは頭を下げました。
「そんなことなら、いいよ!教えてあげる!」
**********
「それでは、マフィン作りを始めます!」
「はいっ!」
スピカは、とても張り切っています。
「まず、お菓子作りの前に、エプロンを着て!」
「え、何これ・・・?」
「これは、服を汚さないために着る服だよ。」
お菓子の図鑑を読んでいたいちごは、スピカにアドバイスをしました。
「じゃあ、着てみて!」
「・・・で、着方、これでいいの?」
「っ・・・!」
なんと、スピカは、エプロンを上下逆に着ていたのです!!
まあ、当たり前です。お菓子作りをしたことがないのですから・・・
二人とも、笑いをこらえるのに必死です。いちごは、図鑑で顔を隠しています。パフェは後ろを向き、スピカに顔を見せないようにしています。
「・・・?」
スピカは、何が何だかわからず、きょとんとしていました。
「っ・・・ ちょ、ちょっと待って・・・!!あっ・・・!!あのね!?・・・」
少しだけ震えながら、パフェが手伝ったおかげで、何とかエプロンは着ることが出来ました。
**********
「このバターっていうものを溶かして混ぜて、ちょっとずつ砂糖を三回に分けて入れてね。」
そして、マフィン作りが始まりました。
「バターもサトウも、全部初めて見た・・・!!」
「で、その次にベーキングパウダー。これは、マフィンがふくらむためのもとになるよ。それと・・・」
「ブルーベリー、ナッツ、チーズにドライフルーツもあるよ!具はどれがいい?」
いちごはキッチンの前にやってきて言いました。
「やっぱり・・・ブルーベリー!!」
(いちご、棚の中身も分かるようになったんだ・・・!すごい!)
パフェは、その様子を見て言いました。
**********
「あとは、オーブンに入れるだけだよ!」
「分かった!」
~数分後~
『チーン』
オーブンの音が鳴りました。
「わぁーっ、焼けた!!」
スピカはそーっと天板をとり出しました。
「わあ!!すごい、マフィンが出来た!私が作ったんじゃないみたい!・・・・いただきまーす!」
スピカはすぐにマフィンを食べました。
「パフェちゃんほどではないけど、美味しい・・・!」
「これからも、練習あるのみだよ!」
いちごは言いました。
「・・・うん、がんばる!」
スピカは、気合いを入れて言いました。