第一話 ひみつのサプライズ大作戦
―― パフェ、いちご、スピカが、いよいよ中学生になりました。
スイートツリーハウスの桜の木も、薄桃色の花を咲かせています。
『がこっ!!!』
その中で、パフェの部屋の本棚が、不思議な音を鳴らしました。
その奥にある、扉の向こうにいたのは・・・
パフェでした。
「ど、どうしよう・・・せっかくみんなのところに戻れることになったのに・・・と、閉じ込められた・・・」
ですが、パフェはドアの隙間から何とか本棚をどかすことが出来ました。
「ふう・・・助かった。さてと!一年ぶりのツリーハウスは・・・」
パフェがそう言ったときです。
『ガチャっ!』
「!?」
**********
パフェが部屋のドアを開けようとした途端、玄関のドアが開きました。パフェは、とっさに隠れて、ドアに耳を当てました。
(いったい誰・・・!?)
「今日は、アイスっていうお菓子を作るよ!」
「ええっ、アイスって何!?楽しみ!!」
ツリーハウスに入って来た人が、パフェにはすぐに分かりました。
「いちごとスピカだ・・・!!」
パフェは、今ドアから飛び出して、サプライズをしようとしました。
「でも待って!!このままだと、なんかつまんない・・・そうだ!!」
こうして、パフェのひみつのサプライズ大作戦が始まったのでした。
**********
いちごとスピカが帰った後、パフェはこっそりリビングにやって来ました。
「うーん、サプライズはどうしたらいいだろう・・・?」
パフェは色々なことを思い浮かべました。
「そうだ!!サプライズでお菓子を出そう!!」
でも、何のお菓子を出す・・・・?
プリン、アイス、マフィン・・・色々なお菓子を思い浮かべましたが、何だかしっくりきません。
「そうだ!!アフタヌーンティーにしよう!!」
アフタヌーンティーとは、イギリス 発祥の文化のこと。 紅茶と共に軽食や お菓子を食べます。
その姿はまるで、『お菓子のマンション』のよう!!
「よし、これだっ!!」
「うーん、アフタヌーンティーをするためには、アフタヌーンティーのセットと、サンドイッチ、そして、あとはお菓子だね。料理は苦手だけど・・・久しぶりの再会なんだし、頑張ろう!!」
そうして、パフェは急いで海沿いのスーパーに出かけました。
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「必要なものは、パン!ハム!レタス!あとは全部家にあるっ!」
パフェは、かごを持ちスーパーに入りました。
「パン、ハム、レタス ♪」
パフェは、そんな鼻歌を歌いながら、必要なものをかごに入れていきます。
その時、こんな声が聞こえてきました。
「あれ?」
「どうしたの?」
「いや、今、パフェみたいな人が・・・」
「えっ?気のせいじゃない?」
「・・・そうだよね!」
パフェには、その会話は届いていませんでした。
続く!!
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